
知らないと確実にクレームになる、勝手に文字を直すオートコレクト
Microsoftのオフィスには、「オートコレクト」という機能が標準で備わっています。
これは、単語登録さえしておけば、強制的にどんな文字にでも変換してしまうという超強力な修正機能です。強力がゆえに煩わしく思う人もいるみたいですが、上手く使えば入力の手間が省けることや、誤字脱字も直してくれます。
ですが、知らないままだと確実にクレームへとつながります。
オートコレクトの実例
▼ 試しに、Wordを開いてみてください。
このオートコレクト機能は、標準でONになっています。
(1) まず、
「こんにちわ」と入力してみてください。
(※「こんにちわ」は誤字です。正しくは「こんにちは」です)
こんにちわ の5文字を入力してEnterキーを押すだけです。
「こんにちわ」と入力できましたか?
最後の「わ」が「は」に勝手に置き換わっていませんか?
何度やっても同じです。
「こんにちは」に必ずなります。
(2) では、続いて、
「こんばんわ」と入力してみてください。
(※こちらも、最後の「わ」は「は」が正しいです)
これも勝手に「こんばんは」に置き換わったと思います。
(3) さらに、続いて、
「hsi」と入力してみてください。
「his」となったと思います。
英語の「彼の」を表す単語「his」に変換されていると思います。
これが、オートコレクトの機能です。
(1)~(3)で入力した3つの単語は、全てオートコレクトに登録されている単語です。
オートコレクトに登録されている単語は、強制的に変換されてしまいます。
下のように、誤りと想定される文字が入力されたとき、正しい文字に置き換わるようになっています。
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【誤】 【正】
「こんにちわ」 ⇒「こんにちは」
「こんばんわ」 ⇒「こんばんは」
「hsi」 ⇒「his」
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▼ オートコレクトは、
「ファイルタブ」⇒ 一番下の「オプション」⇒「文章校正」の中にあります。
▼ オートコレクトの画面です。
単語が掲載されている箇所の一番下に、
「こんにちわ」 ⇒「こんにちは」
「こんばんわ」 ⇒「こんばんは」があります。
「hsi」⇒「his」もあります。
オートコレクトに登録されている単語は、ほとんどが英語です。
日本語は「こんにちは」「こんばんは」の2つだけです。
そのため、普段英文をメインで入力する人は、入力間違いをしていてもオートコレクトが勝手に直してくれているため、知らないうちにその恩恵にあずかっています。
オートコレクトのメリット
▼ 日本語入力がメインの人で、この機能の利点として
たとえば、「ABC、あいう、ABC。」など、英語を入力した後に続く句読点は、全角/半角を切り替えて入力しないといけません。
そこで、オートコレクトで、あらかじめ単語登録しておくと、全角/半角を切り替える手間が不要です。
「 , 」と入力しても「 、」になり、
「 . 」を入力しても「 。」にすることができます。
単語登録は、下の矢印の部分に追加するだけです。
また、日本語は2つしかないので、間違えやすい単語や打ち間違えやすい文字などがあれば、登録しておくと便利です。
表記統一で「取組み」⇒「取り組み」などルールが決まっているのであれば、事前に設定しておくと、たとえ「取組み」と入力してもオートコレクトが強制的に直してくれます。
なぜ、これがクレームにつながるのか?
企業名、商品品番など、意味をなさないアルファベットの組み合わせは要注意!
たとえば、
「HSI株式会社」という企業があった場合。
「HSI」の部分を、オートコレクトが「HIS(彼の)」の誤入力だと思い、強制的に「HIS株式会社」に変換してしまう恐れがあります。
英語の頭文字だけを取って、表記する企業名はたくさん存在します。
オートコレクトに登録されている英単語は非常に多いので、どのアルファベットの組み合わせが強制的に変換されてしまうのか覚えきれません。
商品品番も同様。
品番も意味をなさないアルファベットの組み合わせの場合がほとんどです。
たとえば、
「BVE」は「BE」に、
「CNA」は「CAN」に変換されてしまいます。
オートコレクトの解除
オートコレクトの機能は、便利な部分もあります。
ですが、企業名や商品品番など、アルファベットの組み合わせはよく使います。
勝手に文字を変えられるとクレームのもとです。
そのため、設定を解除しておくことをおすすめします。
▼ オートコレクトの解除
赤枠内のチェックを外すだけでOKです。