wordで校正校閲のやり方

デジタル校正(自動化)の導入前に考えておくべきこと

数年前から、デジタル校正に対するニーズは大きく、市販でもフリーでも校正ソフトは多く出回っています。市販のソフトでは、価格が数万から数十万程するものまでありピンキリといった感じです。

この手のソフトが多く出回っているのは、それだけデジタル校正に興味があり期待している人が多いということだと思います。ですが、実際に導入している会社はまだまだ少ないです。

校正会社や校正者との会話の中でも、関心があっても実践できていないのが現状です。

フリーのデジタル校正ソフトしか使ったことがない人は、その精度の悪さにデジタル校正に抱いているイメージを打ち砕かれているかもしれません。

ですが、一度市販のソフトの体験版を使用することをおすすめします。格段に精度は違います。

また、デジタル校正ソフトの販売会社ではデモなどを行なってくれるので、実際に体験してみるとイメージも変わってくると思います。


【市販のソフト】


1.文章校正支援ツール Just Right!6 Pro
    ※体験版あり
  デジタル校正ソフト


2.
日本語校正支援ソフトPress Term®
    ※体験版あり
  デジタル校正ソフト


3.
AI editor(AI・機械学習の技術を活用した文章校閲ソリューション)
   ※動画解説あり
  デジタル校正ソフト

デジタル校正への理想

デジタル校正ソフトは、校正者に代わって何でもやってくれるバラ色のようなイメージを抱いている方はいませんか?

現在、完全に校正者に置き換わるソフトはありません。

世に出回っているデジタル校正ソフトは、部分的な校正者の負荷軽減を目的としています。
部分的と言っても、多ページもののカタログでは、2人で一日かかる作業を1人で半日で終わらせることも可能です。使いどころ次第では、効果は絶大です。

そのようなデジタル校正ですが、導入する前にまず正しい認識を持っておきましょう。

デジタル校正への正しい認識

デジタル校正に興味があり導入をお考えの方の中には、次のようなイメージを持たれてる方がいるかもしれません。
※DTPと校正だけという簡単なフローでの想定です。

デジタル校正



従来のフローに、校正業務を20%削減できるデジタル校正ソフトを導入したら。

デジタル校正


このイメージを持たれている方は間違いです。
実際には、誰かがデジタル校正ソフトを使用する必要があります。

仮に、校正で20%業務削減できても、そのソフトを使用する前工程(DTP側)の業務負荷になってきます。その負荷を10%と想定した場合、次のようになってきます。

デジタル校正

ここで問題となってくるのが、校正の業務量は減るが、DTP側の業務量は増えるということです。

DTP側からしたら、わざわざ自分の業務量を増やすぐらいなら従来のママでいいという意見が出てきても不思議ではありません。

では、デジタル校正ソフトを『校正側が使用すればいいのでは?』と思いますが、ここでもネックがあります。

デジタル校正ソフトは、校正の前段階で導入することで効果を発揮するものです。
(※この例では、DTP側が業務の一環として導入するほうが効率的)


デジタル校正の導入を実際に進めて行くと、このような壁にぶつかることは多いです。

「従来のやり方でいいんじゃない?」
「今までのフローのが安心だし」
といった意見も出てきます。


しかし、全体で見ると業務量は200%から190%になります。

デジタル校正


これは、DTP側と校正側では解決できない問題です。
各部署の連携を高め会社のパフォーマンスを上げていくのは、上位者の役目の一つです。
そのため、マネジメント層が判断を下すべき事項になってきます。

・デジタル校正は、単一の部署でできることではない(部署間の連携が必須)
・誰かの業務負荷になってくる(負荷分散が必要)
・全体では業務改善につながるが、個人レベルでは負荷増(全体最適)


デジタル校正は、部分的に威力を発揮するものです。ですが、扱う媒体によってはその効果を期待できない場合もあります。導入前にはその見極めも大切です。

また、業務が増えたり業務フローを変えることで、内部からの反発も起こりやすいのも正直なところです。そのため、マネジメント層も巻き込んで導入を進めていくことが大切です。

初期費用に関しては、導入がスムーズに行けばすぐに回収できますので、全く気にしなくて大丈夫です。

業務負荷は分散させるしかありません。前述の例では10%と仮定しましたが、もっと少ないかもしれませんのでそこは検証の余地があります。


【補足】

一口にデジタル校正といっても、市販やフリーソフトだけとは限りません。身近にあるWordやExcel、PDFでも簡単にデジタル校正はできます。

まずは、これらのソフトで試して検証していくのが一番いいかもしれません。身近なツールで、範囲を限定すればその効果の計測もしやすいと思います。