品質×時間×予算:校正業務ではどれを優先すべき?

品質×時間×予算:校正ではどれを優先すべき?

品質と時間と予算、この3つのバランスが校正・校閲では、非常に大事になってきます。何かが欠如していると過剰品質、長時間労働、低賃金といったスパイラルに陥ってしまい、いずれは自分自身を苦しめることになりかねません。

仮に「品質と時間と予算、どれが一番大事?」って質問されたらどうでしょう。

その人の置かれているポジションによって答えは様々です。
発注側なら「もちろん、全部でしょ」というと思います。
現場サイドなら「品質第一です。そのためなら残業だってします!」と答えるかもしれません。
顧客と現場の板挟みになる営業は「そうですねぇ…なんだろう?(う~ん、予算かなぁ…)」と返答を濁すかもしれません。

理想をいえば、「高品質・短納期・低コスト」が望ましいに決まっています。

しかし、働き方改革が叫ばれる中で残業も制限され、品質のために多大な時間を費やすということも難しい状況です。残業したくてもできないということもしばしば出てきます。また、予算が潤沢にあるといえる仕事も、ほとんどないのが現状です。

校正が属する業界も紙媒体からWebへと大きくシフトし、十数年前と比べれば、時間も予算も圧縮されています。

品質×時間×予算:3つのバランス

校正・校閲にとって、品質と時間と予算の何を優先すべきか、言い換えれば何を軸にしないといけないかを考えいきたいと思います。

まず、この中で、基準となるものを見つけます。
これだけは、企業努力(自分の努力)ではどうしようもないものです。

【時間】になります。

納期が曖昧という仕事もたまにありますが、その場合は、予算を基準に考えればいいと思います。ただ、期限を区切らないというのは、仕事としてはあまりいい条件とはいえません。
→「学生症候群」参考

【時間】を軸にしたら、
次は【予算】【品質】です。

仕事が予算内で丸く収まればいいですが、そういかない場合は、
クライアントの意思を尊重しないといけません。

『予算に応じた品質なのか?』
『品質重視で、多少の予算オーバーならやむを得ないのか?』

経験則からいうと、95%以上のクライアントは前者を取ります。
予算に応じた品質です。

そのため、校正側も予算に応じた校正のメニューを用意しておく必要があります。ここでの校正のメニューは、品質のレベルと考えてもいいです。

たとえば、
「この期間なら、誤字脱字だけの校閲までで表記統一はできません」
「この予算なら、原稿との突き合わせのみで校閲まではできません」
などのような段階的なメニューのことです。

実際に提案するときは、ネガティブワードは相応しくないので、「この予算ならここまでできます!」 というようにポジティブな表現に変えましょう。

ここまでを整理すると、
「時間を基準に、予算内で最高の品質を目指す」といったところです。

最高の品質は、あいまいな表現になるので言い換える必要があります。
予算内で出来うる限りの最善の企業努力を果たした品質ということになります。

そのためには、日々予算感覚を培うことと品質向上の努力をしておかなければいけません。

どんなことでもそうですが、判断に迷った際は、最優先事項を見つけ基準を作ります(軸を作る)。

また、日々の仕事の中で、自分の業務を細分化しておきます。
細分化することで、各タスクが明確になってきます。
タスクが明確になると、作業の段階が見えてきます。
段階がわかると、ここまでなら対応可能といった領域がわかってきます。
それが、上記で説明したメニューとなります。

品質×時間×予算:理想と現実

理想的なことを語ってきましたが、当然全てがうまくいくわけではありません。

「予算がないから、校正なんてしなくていいよ。自分でやるから」
「品質? 間違っていても誰も気にしないから」
「Webだから、間違いがあってもすぐ直せるから。納期厳守で」
 などといった話を聞くこともあります。

「品質・時間・予算」の一つ一つを取ってみればどれも大切なことですが、校正・校閲の仕事では、この3つのバランスを考えるのが重要になってきます。

問題に直面したときは、まずは唯一不可変の「時間」を基準にして考えていくのが適切です。

ただ、場合によっては、品質や時間が最優先事項になることもあります。校正側だけでは判断できないことも多いです。その場合は、クライアントや制作管理者と一緒に考えていく必要があります。