校正・校閲の仕事って本当に必要なの?

校正・校閲の本当の価値

校正・校閲は、間違いを見つけるものと解釈されがちですが、それは単に校正の作業を答えているだけです。『校正・校閲とは?』と問われれば、情報の信用を保証するものと答えるほうが妥当です。

ここでの「信用」は、「品質」と置き換えてもいいかもしれません。企業が発行する情報の信用を保証するということは、遠からず企業の信用を保証することに繋がってきます。

誤字脱字が多い、間違った情報が掲載されているとなれば、少なからずその情報に対しての信用度や価値は下がります。

仮に、その情報が商品の情報であれば、購買にも影響してきます。情報のみを提供するものであれば、信憑性が疑われることになります。

必ず起こるミス・クレーム

クレームに繋がるような大きなミスは、どの企業や職種においても付きものです。どれだけ細心の注意を払っても、いつか必ず起こるものです。そのため、企業レベルや個人レベルでもリスクマネジメントをし、事前・事後の対策や対処方法を考えています。

その手段として、マニュアルやチェックリストなどの運用が一般的ですが、いくらマニュアルやチェックリストがあろうとも、人が介在する仕事には、100%ヒューマンエラーがあるためミスを無くすことはできません。

マニュアルやチェックリストの作成は、皆が会議室で意見を出し合って、冷静に時間をかけて練って作られたものです。

イレギュラー時の状況で作られたものでないため、正常時は機能しますが、目の前の仕事に忙殺されたり、体調不良などのときは、本人は出来ていると思っていても、ケアレスミスや抜けモレが目立ち、手順も疎かになったりしがちです。

厳密にルール化をし罰則を設けて、マニュアルを順守するように意識改革を図っても、根本的なミス・クレームの根絶までは難しいものです。

ミス・クレームの影響

ミスの大小、損害の大きさによりクレーム内容は様々です。

紙媒体であれば、印刷されて製本された状態の後に発覚したミス・クレームの対応として、
・間違いの部分に上から訂正シールを貼る
・正誤表や詫び状を添える
などがあります。

一番実損の大きいものは、間違いを修正し一から印刷し製本し直すということで、これは大変な金額に膨れ上がります。

金額の問題だけで済むならまだ救いようもありますが、信用を失い、次回から仕事を受注できない可能性もあります。大きなクレームだけでなく、些細なミスでも積もり積もれば不信感が増してきます。

また、クライアントの担当者と製作側の現場サイドの当人達は丸く収めようとしても、クライアントの上層部が納得いかないケースもあります。

そういうものは後々のしこりとなって、原因はどうであれ、ミスがあったという事実だけが覚えられていることがあります。

さらに、B to Cなどの業界であれば、消費者にまで影響が及ぶリスクは高くなりますので、企業同士の問題ではなくなる場合もあります。

そのため、校正・校閲は、
単に間違いを見つけるということではなく、
企業の信用を保証する価値につながっているわけです。

でも、校正をルール化できない理由

校正・校閲が重要だとは分かってはいるけど、製作の過程で校正・校閲を通さないということは、よくあることです。

原稿の赤字を修正後、デザイナーやオペレータがセルフチェックで終わらせることや、第三者に依頼する場合もあります(この第三者は専任の校正者ではないです)。

厳密には、校正・校閲に出さないというよりも、出せないといった状況が多いかもしれません。

紙媒体が隆盛のころとは違い、今ではコスト的な問題で、社内に専任の校正者は少なくなり、校正を外部の校正会社やフリーランス、派遣社員に任せることはごく当たり前のことです。校正・校閲を他の職種の人が兼任していることも多いです。

そのため、忙しいときには、校正を手配する時間がなかったり、お願いできる人員が身近にいなかったりします。

現段階でベストな対処法

多分大丈夫だろうという、根拠のない自信が一番危険です。そのためには、曖昧な考えは消去しておくほうがいいでしょう。

危険度が高い(仕事に忙殺されている・時間がない)ときほど、0か100で考えた方が賢明です。

クレームになるか、ならないかです。
多分ミスはないだろう…という考えはせず、
校正・校閲を通さなければ必ずクレームになるぐらいの考えです。

クレームの実損額や対応にかかる時間や人件費を考慮すれば、
クレームへの事前対策として、現段階でもっともコストパフォーマンスがいい方法は「校正・校閲に依頼する」に尽きます。

状況はどうであれ、信用保証料だと考えて依頼する他ありません。現状では、デジタル化やAIに頼るのはまだまだ難しい状況です。

もし、校正に出す時間が無ければ、周りにいる誰かにお願いして、二重三重でチェックしましょう。

校正・校閲に出したからといって、完全にミス・クレームを防ぐことは不可能です。ですが、たとえ100%は不可能であっても、100%を目指す努力はしていく必要があります。