
校正・校閲とは?その意味と違い
1.校正・校閲の意味
校正と校閲、現場レベルでは明確には区別されにくい作業になりますが、定義上は違う作業になります。ですが、校正や校閲を専門職とする方は、一括りに「校正者」と呼ばれることが多いです。
校正と校閲を定義するなら次のようになります。
「校正」は、原稿や赤字の指示通りに製作されているかを、校正ゲラと見比べること
「校閲」は、文章の内容が正しいかを見極めること
2.校正・校閲の作業上の違い
校正は、定義上は原稿とゲラを見比べることなので、たとえ文章に誤りがあったしても原稿通りであれば赤字を入れることはありません(この場合は疑問出しします)。
校閲は、文章の内容を確認していきますが、その範囲は、誤字脱字、表記統一、適切な文章表現か、事実確認などに加えて、表記ルールなどがあればそれも確認する必要があります。
定義上は、校正と校閲の作業はわかれていますが、大抵はほぼその垣根がなくなり、
校正といえば、校正と校閲の両方の作業をすることが多いです。
また、校正をするには、原稿と校正ゲラのセットが必要となってきますが、校閲は校正ゲラさえあれば作業ができます。そのため、校閲は製作現場でなく在宅でやられている方も多いです。
原稿や校正ゲラのやり取りは、昔ならバイク便でしたが、今ではPDFでやり取りすることが多いです。最近では、オンライン校正システムなどにより、クラウド上でデータのやり取りが可能です。メールと違いデータの容量制限もなく、セキュリティの観点からも安心して仕事ができる環境が整っています。在宅ワークが進んでいる要因です。
3.校正・校閲にどんな人が向いているのか
校正は、ある程度経験を積めば一定の技術水準に達します。そこから上を目指して行けば、いずれはベテランといわれるレベルに達するのも可能です。
校閲は、確認する項目も多く、時間も要するため、相当な根気と集中力が必要とされます。人によって向き不向きが、如実に出てきます。
校閲は、その人が今まで培ったすべての要素(知識、読解力、バックボーンなど)が試されてきます。そのため、校閲に関しては、初心者でも研修の段階で既に一定のレベルに達しているという方もいます。
▼ 伸びる人の特徴
校正も校閲も目の前にある間違いを見つけるということだけではなく、そこから派生するであろう間違いも考えられる人が伸びていく傾向にあります。
そういう方の共通点は
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・よく質問する
・常にメモを取る
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よく質問するのは、それだけ気づく点が多いということの証拠であり、
メモを取ることで、知識の固定・作業の振り返り・ノウハウの蓄積ができます。
最初は、校正・校閲どちらの作業も学ぶと思いますが、経験を積むにつれ自分が「校正向き」か「校閲向き」かがわかってくるものです。
4.校正と校閲作業の線引き
会社や媒体によって、校正と校閲の違いにどこで線引きするかは、かなりの差があります。
大手の出版社では、校正と校閲を完全に分業体制にし、それぞれの領域に特化させることで品質を保っているところもあります。
ですが、校正者が数人規模の会社ではそうはいきません。必然と、校正と校閲の両方の作業をやることになります。そのため「校正お願いします」と言われたとしても、校閲も込みという場合も多いです。
もし、ご自身が仕事を受ける立場であるなら、校正の作業内容(校閲も込みなのか?)はきちんと詰めておいた方がいいでしょう。
【関連記事】≫ 校正とは何か?[どこまでが仕事の範囲か、校閲との違い](例文で解説)