紙の間違い・Webの間違いどっちの誤植が大変?[間違いの違いを知る]

紙の間違い・Webの間違いどっちの誤植が大変?[間違いの違いを知る]

紙の間違い・Webの間違い、両方の違いについて、
・紙の校正しかやっていない
・Webの校正しかやっていない
という方にはピンとこないと思います。

特にWebだけに専念している校正者にはわかりづらいかもしれません。

紙とWebどちらも間違い自体の重さは同じですが、起こったあとの対応が違ってきます。
その対応から、両者の間違いに対する考え方が違ってくることがあります。

※どっちの間違いが軽いかということではなく、どっちがより重いかという視点でご覧ください。

発注者(クライアント)

 
    犬

受注者(制作者)


   猫

・犬さんが猫さんに、本の作成を依頼した場合
・犬さんが猫さんに、Webサイトの作成を依頼した場合

この2つのパターンで見ていきたいと思います。
両方で納品後に、文字の重大な間違いが発覚してからの違いです。

納品後に間違いが発覚

紙の間違い

・納品

 

・間違いが発覚!

の本」が「の本」になっている……

Webの間違い

・納品

・間違いが発覚!

のサイト」が「のサイト」になっている……

「紙の間違い」と「Webの間違い」の大きな違いは、にあたる部分です。

1:「訂正・納品」の違い

大きな違いの一つに、訂正から納品までの時間があります。

紙もWebもデータを修正するだけなら大して時間に差はないです。

違いが出てくるのは、その後の工程にあります。

文字の間違いだけに限定すれば、Webは間違いの箇所を修正して更新すれば終わりです。最短ならミスの報告を受けた数分後には納品が完了していることもあります。

一方、紙はデータの修正ができても、印刷する必要があります。手段(後述)によっては、納品まで数日から数週間かかることもあります。

紙とWebの対応を対比するなら次のようになります。

  • 納品までの時間     紙 Web
  • 訂正~納品までの費用  紙 Web
  • 関与者・工数の数    紙 Web

納品するまでに時間がかかるデメリットは他にもあります。
目に見えない精神的なダメージです。

第三者にはわかりませんが、当事者(ここでは猫さん)は気持ちを切り替えていても、再度納品するまでの間、頭の片隅に間違いのことがずっと残っています。

紙もWebもミス発覚時点のダメージは同じですが、再度納品するまでの時間が違うということは、それに区切りをつける時間も違ってくるということになります。

ストレスの感じ方は個人差によりますが、間違いを起こしたときの精神的な負担は大なり小なり誰もが抱え続けることです。

紙媒体で間違いがあった場合には、次のような対処方法があります。

1.刷り直し
2.正誤表を付ける
3.訂正シールを貼る

※新聞や週刊誌などなら、お詫びと訂正文の掲載という方法もあります。

訂正シールとは?

間違った文字の上に、正しい文字のシールを貼る方法です。
例えば、次のようになります。

1.「太」の字を「犬」に訂正したい場合。

 

2.「犬」の字のシールを作成します。
このシールをはがして、間違った文字の上に直接貼ります。

 

3.結果です。

 

※基本は、1文字単位でなく数文字単位で貼ります。

2:「納品後」の違い

の違いは、納品後になります。

Webの間違いは、納品物から間違いがあったという事実がわかりません。物理的にミスがあった形跡がなくなります。

紙の場合も、刷り直しで対応した場合、誤植のあった事実は関与者以外わかりません。

一方、正誤表や訂正シールは形として残ります。誰が見ても間違いがあったという事実がわかります。特に、関与者は、それを見る度に間違いがあったことを思い出させられます。

紙は間違いを修正した後も、間違いを起こしたことを想起する場面が出てきます。過去に起こしたミスでも、流用する(もしくは参考にする)などで過去の制作物を目にする機会は意外とあります。

発注者・受注者ともに、それが次に間違いを起こさないようにする戒めにもなりますが、ストレスになることもあります。仕事のパフォーマンスにも影響してきます。

正誤表や訂正シール

正誤表や訂正シールで対応した間違いは、その印刷物が増刷するタイミングで直すことも多いです。そのため、初版であった正誤表や訂正シールが、増刷分には付いていないことがあります。

おわりに

トータルで見れば、紙とWebの間違いに対応する負担は変わってきます。掛かるコストも違ってきます。そこから、紙の間違いとWebの間違いに対して、意識の差が生まれてくるのも自然なことです。

プロジェクトを俯瞰する立場にある方は、リスクから見て紙の間違いのほうに重きを置くのも適切な判断かもしれません。

 

ただ、校正者的な視点では、
間違い自体は、紙もWebも変わりません。数値で表すなら両方とも同じ100です。
その後の対応が違うだけです。

 

紙だけ、Webだけどちらか一方の校正に特化しているなら、両方の違いを比べることもありません。

ただ、両方の校正に携わっていて、両方のクレームを目のあたりにした場合、Webの間違いのほうがすぐに直せるという理由で、間違いに対して誤った意識が芽生えてくるかもしれません。

これは、間違いとその後の対応がごっちゃになって起こってしまう、意外と多くの人が陥る誤った考えです。