校正記号とコミュニケーション

求められるコミュニケーション能力

社会に出れば、コミュニケーション能力というものが重要視されます。

巷には、コミュニケーション能力の開発本やセミナーなどが溢れています。その手の本を読んだり、セミナーに行ったりすれば、その時はわかったつもりになりますが、時間が経てば忘れてしまうということは多いのではないでしょうか。

ただ、このコミュニケーション能力というのは、実態が見えにくく、先天的なモノなのか後天的なモノなのか、本当に努力して身に付けられるモノなのか、未だに答えがわかりません。

就職の際でも、企業の採用要件を見れば、どこかしらに「コミュニケーション能力重視」などの文言が見られます。ですが、何をもって採用基準としているかは、企業によってそれぞれでしょうし、コミュニケーションの明確な答えを出せる企業なんてほとんど存在しないでしょう。

非言語コミュニケーションと相手との距離感

そもそも、このコミュニケーション能力というものは、場面場面によって変化させないとダメなものなので、

『まずは、その場の空気感を察する能力のほうが先なのでは?』
と思ったりもしますが、これもコミュニケーションの一つです。

そういう場面が、自分に与える情報(非言語コミュニケーション)も広義のコミュニケーションです。

コミュニケーションは発せられる言葉だけではなく、表情や身振り手振りなども含まれます。

発言の多い人や流暢に話す人が、コミュニケーション能力が高いとは言い難く、基本的にコミュニケーション能力があると言われる人は、相手との距離感を上手く測れる人だと考えられます。

校正の仕事においても、優秀な校正者になるほど非言語コミュニケーション相手との距離感を意識している方は多いです。

校正記号は誰のものか?

校正が入れた校正記号は、校正ゲラが媒介となって、そこにもコミュニケーションが発生しています。

校正者 ⇒ 校正ゲラ ⇒ 担当者
     (校正記号)
※担当者は、それぞれの職場で違うと思いますが、校正記号を通してゲラの間違いや疑問出しを見る人です。

また、校正の赤字は、明瞭で簡潔に相手に伝わらなければなりません。
そのための決まりとして校正記号があります。

ですが、校正記号など知らない人も多いため、場合によっては、校正記号に文章を加えて伝える必要があります。校正者間では周知の校正記号も、相手によっては通じない場面も結構あります。

自分が入れる赤字や疑問出しは、誰が見るのかを考える必要があります。

伝わらなければ意味がないわけですから、<誰に向けて>を意識することが、コミュニケーションを上手く成功させるための一つです。

対象がわかれば、必然的にコミュニケーションをとる方法も変わってきます。

(伝達対象に)校正記号だけで伝わるのか?
       言葉を加えた方がいいのか?
       絵や図で示した方がいいのか? など

校正は一人作業ではない

校正の仕事は、一般的なイメージとして一人で黙々とする作業だと思われていることが多いです。ですが、企業に属している校正者はチームで仕事をすることがほとんどです。

他の校正者と相談したり、作業内容を共有したりとコミュニケーションを取る場面は結構あります。他部署との連携も必須ですし、場合によってはクライアントへ校正の提案をしたりもします。

また、社内勉強会などの場面では、皆で起こりやすい間違いなどを共有したりしますので、活発にコミュニケーションを取っていく必要があります。

特に、フリーランスの校正者は、自分一人で仕事の受け渡しなど全てを行い、企業担当者と密なコミュニケーションも必要になってきます。そのため、非常に優秀でコミュニケーション能力の高い方が多いです。

おわりに

コミュニケーションで大切なことは、
誰に向けて発するかを理解し、的確なコミュニケーションを選択する能力です。

特に、校正では指示内容を文字で伝えることが多いので、
相手に伝わらなかったり、誤解を与えたりすることがあります。それが校正ミスに繋がることもありますので、常に意識しておかないといけないことです。