目 次
ビジネスに役立つ!文章力アップにつながるおすすめ本5選
オンライン化が進み、メールや文書など、顔の見えない相手と文章でやり取りをすることが増えている中、ビジネススキルにおける「文章力」の重要性が高まっています。
ビジネスにおいては、ただキャッチーな言葉を並べたり、思いついた情報をすべて盛り込んだりするだけでは相手を動かすことはできず、簡潔に、過不足なく情報を伝える論理的な書き方が求められます。
この記事では、ビジネスにおける文章力を高めるためにおすすめの書籍を、「まずは基本をおさえたい」という人向けの入門レベルから、「腰を据えて文章力アップに取り組みたい」という人向けの上級レベルまで、様々なレベルのものを紹介します。
1. 文章力の基本 簡単だけど、だれも教えてくれない77のテクニック
【入門レベル】
読んでほしい人:
・まずは文章力アップのための基本的なポイントを短時間でおさえたい人
・文章力アップをテーマにした本を初めて読む人
大学や企業での文章指導経験豊富な著者が、読みやすく伝わりやすい文章を書くために必要なテクニックをまとめた本です。難しい文法用語を使わずに、例文とその改善例を示しながら説明されているのでポイントが理解しやすく、テクニックも語彙レベルのすぐにでも気をつけられるものから、構成・書くときの心構えなど本質的な部分まで多岐にわたります。
2. 伝わるシンプル文章術
【入門レベル】
読んでほしい人:
・書いた文章に「何が言いたいのかわからない」と言われる人
・伝わるかが不安で、つい長い文章を書いてしまう人
伝えたいことをシンプルかつ分かりやすく伝えるための構成に特化し、それを「クイズ文」という「型」として紹介している本です。ビジネスにおいては、「読み手に、自分が望む行動を取ってもらう」ことが文章作成のゴールになることが多いですが、そのために必要な情報を簡潔に、過不足なく書けるようになります。簡潔に文章を書くことは、自身の業務効率化にもつながります。伝えたいことが伝わるか不安でつい長々と、時間をかけて文章を書いてしまう人におすすめです。
3. すぐに使える!教養の「文章力」1093
【中級レベル】
読んでほしい人:
・ビジネス文書における語彙や、表現の幅を広げたい人
・様々なシチュエーションにおける、文章作成のポイントを知りたい人
ビジネスシーンにおける文章の大原則(具体的に伝える、目的をはっきり示すなど)から、「催促」「お詫び」といったシチュエーション別のメール文例、誤りやすい敬語表現や、知っておくと便利なフレーズ、言い換え表現などを網羅的に紹介している本です。
大原則の部分は、【入門レベル】で取り上げた本のほうが説明は丁寧ですが、メール文例、敬語表現、フレーズは網羅性が高く、困ったときに辞書的に使うにも便利です。また本書を読み、使ったことのない表現を実際に使ってみることを繰り返すと、自身のビジネスシーンにおける語彙・表現の幅を広げることができるでしょう。
4. ロジカル・シンキング練習帳
【中級レベル】
読んでほしい人:
・複雑な内容でも、メールだけで相手に伝えられるようになりたい人
・自身で文章を書くだけでなく、部下や同僚の文章を添削することがある人
ビジネスメールを題材に、論理的な文章を書けるようになるトレーニングができる本です。ポイントの説明だけでなく、51問もの例題があります。例題の「イマイチ」なメール文章を書き換える練習を積むことで、複雑な内容でも伝えたいポイントを整理し、適切な順番で書くコツを体得することができます。「なぜこの文章は分かりにくいのか」「どう直すとわかりやすいのか」を詳しい理由付きで解説しているため、誰かの文章を添削してフィードバックする際の参考にもなります。添削する立場にありがちな「なんとなく違和感があるが、何が悪いのか言語化してフィードバックできない」という悩みをもつ人にもおすすめです。
5. 入門 考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法
【上級レベル】
読んでほしい人:
・文章力アップ以前に、何を書くかを論理的に整理できていないと感じる人
・メールだけでなく、企画書やプレゼンテーション資料など、様々な場面で文章による情報伝達力を高めたい人
「ロジカルライティング」の分野を確立した有名な本『新版 考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント著)の訳者が日本人向けに内容をまとめ直した本です。タイトルに「入門」とありますが内容は本格的で、「結論から先に書く(ミラミッド原則)」の知識やノウハウを、例文・例題を通して実践的に学ぶことができます。文章を書き出す前段階にあたる、内容整理を論理的にできるようになることがコンセプトなので、企画書、プレゼンテーション資料など、あらゆるビジネス文章の作成に応用できます。
おわりに
文章力アップを目的とした講座やセミナーも数多くありますが、忙しい社会人にとって、そういったものに通うことはハードルが高いことです。まずは本から学ぶという選択肢は時間的にも、金銭的にも手軽です。
一方で、(残念ながら)本を読んだだけで、自然と文章力がアップすることもありません。まずは本を読み、これまで意識できていなかったことを実際のビジネスの場面で試してみるという「実践」をはさむことで、本からの独学でも、しっかり文章力を磨くことができます。
[記事内で紹介している書籍]
1.『文章力の基本 簡単だけど、だれも教えてくれない77のテクニック』. 阿部紘久. 日本実業出版社.
2.『伝わるシンプル文章術』. 飯間浩明. ディスカヴァー・トゥエンティワン.
3.『すぐに使える!教養の「文章力」1093』. 吉田裕子. 西東社.
4.『ロジカル・シンキング練習帳』. 照屋華子. 東洋経済新報社.
5.『入門 考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法』. 山崎康司. ダイヤモンド社.