ダブルクォーテーションマークの意味や使用例(日本語版)

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ダブルクォーテーションマークの意味や使用例(日本語版)

ダブルクォーテーションは、二重引用符とも呼ばれ引用符の一つとなります。

 

クォーテーション(quotation)の意味が引用文や引用となることから、語句の引用や会話、文字や記号などを強調したいときに使用します。

通常、日本語では二重かぎかっこ(『 』)が使用されますが、雑誌やカタログなどではダブルクォーテーションが使用されることも多いです。

文章内での使用例は次のようになります。

❶ ❷の箇所でダブルクォーテーションが使用されています。

ダブルクォーテーションマーク
【出典:宝島社 InRed 3月号_P.90】

❶  “町で子どもを育てる”という北欧的な価値観と

 “まるで北欧”という声も

このように語句を強調したり会話の引用などで使用されます。

記号の名称と入力方法、フォントによる違い

1.ダブルクォーテーションの名称


前方の記号は、「開始」や「左」、かっこ類と同じように「起こし」などと呼ばれます。


後方は、「終了」や「右」、「閉じ」などと呼ばれます。

正式な呼び方はありませんが、前方と後方での呼び方は対比させておくのが適切です。

・ 開始  ⇔  終了
・ 左   ⇔  右
・ 起こし ⇔  閉じ

2.ダブルクォーテーションの入力方法

入力は次のキーで行います。

 Shift  ダブルクォーテーションマーク

候補一覧から「開始」と「終了」のマークをそれぞれ選択します。

   

3.フォントによる形状の違い

ダブルクォーテーションは、明朝系とゴシック系、フォントによってかなり形状が違ってきます。

・MS P 明朝

  ダブルクォーテーションマーク

・MS P ゴシック

 ダブルクォーテーションマーク

・フォントによっては直線に見えることもあります。

 

[注意点]

次の記号は、ダブルミニュートになります。

記号の形状はダブルクォーテーションと似ていますが違うものです。ダブルミニュートも強調したい語句に使用します。主に縦組みで使用されるものです。

シングルクォーテーションとの対比

ダブルクォーテーションと同じように扱われるものに、シングルクォーテーションがあります。これも引用符の一種で、引用や強調などに使用されます。

シングルクォーテーションマーク(一重引用符)

 

ダブルクォーテーションマーク(二重引用符)

 

この2つの関係性は、
かぎかっこ二重かぎかっこの関係と同じになります。

そのため次のように置き換えて考えることができます。

シングルクォーテーションは、かぎかっこと同様

   ⇒ 

ダブルクォーテーションは、重かぎかっこと同様

ダブルクォーテーションマーク  ⇒ 

以上のように、2つを置き換えて考えると使用方法がイメージしやすくなります。

ダブルクォーテーションの使用ルール

ダブルクォーテーションもシングルクォーテーションも引用や強調に使用されますが、2つの使い分けに関して明確なルールはありません。

そのため使用方法にバラつきが出ないないように、あらかじめルールを決めておく必要があります。

使用ルールの例

1.文中での使用

シングルクォーテーションは文中では目立たないため、ダブルクォーテーションを使用する。

〇  シングルクォーテーションマーク

  ダブルクォーテーションマーク

2.見出し部分での使用

見出し部分やキャッチコピーなどは、それ自体が目立つためシングルクォーテーションを使用しても大丈夫。

3.二重かぎかっことの混在を避ける

ダブルクォーテーションと二重かぎかっこは、同じような意味合いで扱われることがあるため、2つの混在を避ける。

ダブルクォーテーションマーク

4.使用順序

シングルクォーテーションとダブルクォーテーションを入れ子構造にして使う場合は、どちらを外側にするか決めておく。

A  ダブルクォーテーションマーク

B  ダブルクォーテーションマーク

※AとBどちらの使用でも問題ありませんが、Aのほうが一般的な使用方法になります。

[ポイント]

前述の文章では、固有名詞にはかぎかっこ(青枠)、強調したい語句などにはダブルクォーテーションが使用されています。 

ダブルクォーテーションマーク

通常、一つの文章内でかっこの種類が多くなると読み手の視点がブレるため、使用するかっこの種類を限定しておくのが賢明です。

ダブルクォーテーションでよくある間違い

1.開始と終了記号の向きが違う

ダブルクォーテーションマーク

ダブルクォーテーションマーク

これは入力時に起こりやすいミスです。記号自体が小さいので変換ミスがあっても気づきづらいことが多いです。

2.開始と終了記号のどちらか一方が足りない

ダブルクォーテーションマーク

ダブルクォーテーションマーク

文字の追加や訂正を繰り返しているとうっかり削除してしまうことがあります。

開始記号と終了記号が離れていると、見落としやすくなるので注意が必要です。

※このような間違いは、現在では校正ツールでほぼ見つけることができます。

ダブルクォーテーションかどうか調べる

ダブルクォーテーションは、フォントの違いによっては大きく形状が異なる場合があります。そのようなとき、入力した文字がダブルクォーテーションかどうか確認する方法があります。

※以下は、Windows_Wordによる手順です。

1.記号を選択します。

  ダブルクォーテーションマーク

2.選択した状態で【 Alt + x 】を押します。

 ダブルクォーテーションマーク

記号が英数字に変わります。「201C」は、ダブルクォーテーションの開始を表す文字コードです。変換してこのコードになればOKです。終了記号の文字コードは「201D」なので同様の手順で確認します。

他の文字や記号も判断がつかない場合は、この方法で調べることができます。

> Unicode一覧表

ダブルクォーテーションの文字コード

・開始記号のコード →「U+201C
・終了記号のコード →「U+201D

【記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています】

・ダヴィッド社_編集校正小辞典
・weblio辞書_ダブルクォーテーション
・日本エディタースクール出版部_新編 校正技術
・デジタル大辞泉_小学館 > 公式サイト
・Wikipedia_引用符(いんようふ)

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