引出し線の基本ルールと使い方(文字の挿入や訂正)[校正記号]

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引出し線の基本ルールと使い方(文字の挿入や訂正)[校正記号]

※文章中の校正記号は『JIS Z 8208:2007(印刷校正記号)』を参考にしています。

1:引出し線の基本ルール

引出し線の使用には、次のような基本ルールがあります。

[1]

・中心から右側の赤字は、右側の余白に書く
・中心から左側の赤字は、左側の余白に書く

【例】
校正記号の引出し線

これはあくまで基本的なルールなので、右側の余白に既に赤字や疑問出しが多くあるようであれば、左側に引出しても問題ありません。また、わかりやすいのであれば上や下の余白でも大丈夫です。

[2]

・引出し線はなるべく短く、行間に沿うように書く
・引出し線が交差したり、赤字同士が近づかないようにする

【避けたい赤字の入れ方】

校正記号の引出し線

一つの行間に複数の引出し線があると赤字を混同する恐れがあるので、そのような使用は避けます。

【良い例】

校正記号の引出し線

[3]

・引出し線は、「挿入」と「訂正(修正)」で使い分ける

2:挿入の引出し線の使い方

挿入の引出し線の使い方

【使用例】
 校正記号の挿入の引出し線

■ 挿入の引出し線の特徴

1.挿入したい文字を二股線で挟む

 校正記号の挿入の引出し線

2.引出し線の先端に「」を付ける

 校正記号の挿入の引出し線
先端に「」を付けるのは、挿入箇所を明確にするためです。

一方で、次のように引出し線の先端に「」を付けない挿入指示もあります。

 校正記号の挿入の引出し線

ただ、「」を付けておくほうが挿入箇所が目立つため、修正ミスを防ぐことができます。また、後述する訂正の指示と混同することもありません。

挿入の引出し線気を付けておきたいこと

1.二股線内の文字が見づらくなる場合

挿入の引出し線では、基本は文字を二股線で挟みます。そのため、赤字が見づらくなるようなら適宜工夫する必要があります。

例えば、小さい「っ」を入れる場合は、文字の上に「」をかぶせる必要があります。

 校正記号の挿入の引出し線

ですが、赤字が見づらいようであれば、文字の上の「」を鉛筆書きにして見やすくします。

 校正記号の挿入の引出し線

2.文字数が多くなり、二股線内に収まらない場合

文字数が多い場合は、「※入ル」として「」の内容を近くの余白に書き入れます。

 校正記号の挿入の引出し線

【補足】

文章中に注釈などで「※」を多用しているなら、「※」でなく「Ⓐ」などにします。なるべく文章中で使っていない文字にしたほうがよいです。

 校正記号の挿入の引出し線

3:訂正の引出し線 の使い方

訂正の引出し線の使い方

訂正の引出し線は、挿入の引出し線と違い、先端のバリエーションがたくさんあります。

■ 1文字の訂正指示

校正指示の入れ方

校正指示の入れ方

校正指示の入れ方

校正指示の入れ方

【赤字例】
 校正指示の入れ方

 校正指示の入れ方

 校正指示の入れ方

 校正指示の入れ方

■ 2文字以上の訂正指示

 校正指示の入れ方

 校正指示の入れ方

 校正指示の入れ方

【赤字例】

 校正指示の入れ方

 校正指示の入れ方

 校正指示の入れ方

上記はすべて、先端の形状が違うだけで同じ訂正指示です。

どれを使っても間違いではありませんが、選ぶ基準は「修正する側が見やすいもの」です。また、複数の校正者で作業しているなら「校正者間で使う指示を統一しておくこと」です。

訂正範囲が明確な指示は?

・1文字の訂正
 文字の訂正と修正

訂正する文字を丸で囲むことで範囲が明確になります。隣接する文字を間違って訂正するといったミスも防げます。

・2文字以上の訂正
 文字の訂正と修正

縦棒で文字と文字の間を明確に区切るため、どこまで訂正するのかが一目でわかります。

実用的な赤字の入れ方

【赤字例】

校正記号の修正の引出し線

(1)
訂正範囲が複数行に及ぶなら、範囲を囲むのが断然わかりやすいです。また、注釈文など級数が小さい文字の場合も、文字数にこだわらず丸で囲むほうがわかりやすくなります。

(2)
数文字以上1行以下の文字数なら、文字間を縦棒で区切る指示のほうが範囲が明確になります。(1)と同様に丸囲みでもわかりやすいです。

おわりに

挿入の引出し線の選択肢はほぼないですが、訂正の引出し線は選択肢が多くあり、どれを使用していいか迷うと思います。迷った場合は、第三者に指示内容が明確に伝わるかどうかの視点をもって選ぶことです。

この視点を持っておかないと、
------------------------
・指示が伝わらない
・指示が誤解される
------------------------
など、初歩的なコミュニケーションエラーが発生する原因になります。

※校正記号の例文は『Wikipedia:ドラえもん』より使用いたしました。

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