校正・校閲で役立つおすすめ辞書[漢字の使い分け辞典]

information

あると役立つおすすめ漢字の使い分け辞典[理解を深める辞書の辞書]

漢字の使い分け辞典

【この書籍の紹介文】(研究社:書籍紹介ページより抜粋)

同訓異字の漢字の使い分けについて、詳しく、柔軟に、親しみやすい読み物ふうに解説。
「大成功をおさめる」場合や「家賃をおさめる」際には、「収める/納める」のどちらを使用するのか、また、「気温/重さ/タイムをはかる」場合には「測る/量る/計る」など、どの漢字を選べばよいのか判断に迷うときに役に立つ辞典です。

【辞書と辞典の違い】
辞書と辞典は、基本同じ意味とされます。辞典は、辞書よりも語の意味や用法をより詳しく解説しているものという意味で使用されることがあります。

漢字の使い分け ときあかし辞典』について

漢字の使い分けを解説する書籍はたくさんありますが、『漢字の使い分け ときあかし辞典』の優れている点は、その漢字を使う理由まで深く掘り下げているところです。

たとえば、「かた苦しい」の「かた」には、「固・堅・硬」のどの漢字が適切か。
辞書を引けば、すぐに「堅」だとわかります。

ただ、「かた苦しい」を「堅苦しい」と表記することはわかっても、
「固」や「硬」の漢字でなく、なぜ「堅」を使うのか?

その理由を明確に解説している辞書はなかなかありません。
辞書によっては、意味と用例だけしか記載されていないこともあります。

そんなとき『漢字の使い分け ときあかし辞典』が役立ちます。
漢字の使い分けの根拠が明確になります。

辞書の意味を補う役割を果たし、辞書の辞書ともいえるものです。

  • 辞書で調べても、漢字の使い分けがハッキリしない
  • 何回も同じ漢字の意味を調べた経験がある
  • 場面に応じた最適な漢字を使いたい

という方には役立つ一冊です。

この辞典の3つの特長

1. 解説が豊富

次の本文ページからもわかるように情報量が豊富です。

「かたい」「かたまる」 などで使用される「固・硬・堅・難」の漢字については、2ページ半にわたって解説されています。

校正や校閲で役立つ辞書

「はかる」を使用するときに適切な漢字、「測・量・計・図・謀・諮」にいたっては、4ページにもわたって紹介されています。

校正や校閲で役立つ辞書

この辞典はとにかく情報量が豊富です。

意味や用例だけでなく、漢字の部首や成り立ち、イラストなど様々な情報から使い分けに対しての理由を明確にしていきます。

読みやすさにも配慮されているので、解説文が多くても一気に読むことができます。

情報量が多すぎて、逆に面倒と思う方もいるかもしれませんが、ページ全部を読まなくてもポイントだけ見れば理解できる構成になっています。

・見出し部分の基本説明
・太字部分
・イラスト
この3点だけ読んでも十分理解できます。

サクッと要点だけつかみたいときにも便利です。

もっとページを見たいという方は、研究社のHPからサンプルページを参照ください。
【公式サイト】> サンプルページ(研究社ホームページ)

2. イラストが豊富

解説文を補うためにイラストが添えられている辞書は多いですが、この辞典ではほぼすべての項目にイラストが掲載されています。

漢字の使い分けはイメージで覚えるとわかりやすいものも多いです。直感的に理解できるので記憶の定着にも役立ちます。

次のように解説文を読なくても、イラストだけ見れば理解できるものも結構あります。

・「収める」と「納める」 の使い分け

漢字の使い分けイラスト 

・「辱」と「恥」 の使い分け

漢字の使い分けイラスト

・「測る」と「量る」 の使い分け

漢字の使い分けイラスト

・「固い」「堅い」「硬い」 の使い分け

漢字の使い分けイラスト

3. 漢字や用例が豊富

この辞典には、見出し項目が409、延べ1163の漢字が掲載されています。常用漢字はもちろん、普段よく目にする常用外の漢字まで広くカバーされています。用例も約7700あります。

日常でよく使う「かわる」を表す漢字、「変・換・替・代」なども当然掲載されています。

校正や校閲で役立つ辞書

「とく/とける」「ひく」を表す漢字も、多くの候補が掲載されています。

校正や校閲で役立つ辞書

校正や校閲で役立つ辞書

気になる語はすべて網羅されているといってもいいぐらいです。

中高生から社会人、専門的に日本語の文章に携わる方まで幅広く役立つものです。

この辞典をおすすめする理由

解説文の内容が、重箱の隅をつつくような漢字の使い分けを紹介しているものでなく、「これはこう」「それはこっち」などといった紋切り型のものでもありません。

基本的には次のように区別して解説されています。

  • 使い分けが必要な漢字
  • 場合によって使い分けたほうがいい漢字

その漢字が持っているニュアンスを考慮して、場面に応じた適切な使い方を知ることができます。

他にも、

  • どっちの漢字を使っても大丈夫なもの
  • ルビをつけたほうがいいもの
  • ひらがな表記が自然とされるもの

など、実際に使用する場面を想定した解説もされています。なかには、" 漢字にこだわらないの一番です " と記載されているものもあります。

漢字の使い分け辞典なのに、漢字にこだわりすぎない実用的な辞典となっているところがおすすめです。

【記事内画像 出典:研究社_漢字の使い分け ときあかし辞典】


使い分けが曖昧な漢字に対して何回も辞書を引くよりも、この辞典なら一度読めば理解できます。その場その場の付け焼き刃的な学習よりも効果的です。

興味のある方は、書店に立ち寄った際にでも手に取って実際に中身を確認してみてください。情報量と読みやすさにきっと驚くはずです。


この辞典には、他にも同シリーズで「漢字ときあかし辞典」「部首ときあかし辞典」の2冊があります。この記事で紹介している「漢字使い分け ときあかし辞典」がシリーズ最新のもの(2016年発売)になります。