目 次
行送り[次ページへ行を送る・前ページへ行を送る]と改ページ
前後のページへ行を送る指示は、字送りの指示とよく似ています。使い方もほぼ同じです。
行送りの指示は、改ページの指示と似ていますが、改ページは基本後ろのページに文を送る(移動させる)ことです。
行送りは、字送りと同様にDTP側で自動調整されることが多いので、校正者の使用頻度は少ないかもしれません。
1. 行送りの校正記号
▼ 行送りの校正記号
・次のページへ行を送る指示
・前のページへ行を送る指示
2. 行送りの校正記号の使い方 ①
■ 次のページへ行を送る
・左ページ(P.2)の最終行「■■■……」を右ページ(P.3)に送る例
【結果】
■ 前のページへ行を送る
・右ページ(P.3)の先頭行「■■■……」を左ページ(P.2)に送る例
【結果】
3. 行送りの校正記号の使い方 ②
行送りの校正記号は、横組みの場合、ページの下側に書かれるため目立たないことがあります。そのため、校正記号だけでなく、文字も補足しておくほうがよいです。
■ 次のページへ行を送る(校正記号+文字で補足)
補足する文字の表現は色々ありますが、ここでは「次ページへ送ル」を使用しています。
「次ページ」の代わりに、具体的なページ数(P.3)で指示してもわかりやすいです。
■ 前のページへ行を送る(校正記号+文字で補足)
ここでは「前ページへ送ル」を使用しています。
「P.2へ送ル」でもわかりやすいです。
4. 行送りの校正記号の使い方 ③
前後のページへの行送りの指示は、修正範囲が必ず2ページにわたります。
そのため、赤字は1ページだけに書くのではなく、修正される2ページそれぞれに入れておくことです。
ページが見開きであっても、単ページであっても同様です。
・見開き
・単ページ
▼ ページごとに赤字を入れる例
■ 次のページへ行を送る(校正記号+文字で補足+2か所)
行を送る側のページ(左)の赤字は、前述した通りです。
行を送られる側のページ(右)には「前ページから1行入レル」と入れています。
文字の補足は、他の表現でも大丈夫です。赤字のポイントとしては、右ページ左ページどちらか一方の赤字を見ただけでも指示内容がすべて伝わるようにしておくことです。
実際に校正作業をするときは単ページで見るほうが多いです。修正が発生するページには赤字を入れるということを癖付けておくとよいです。
・単ページずつ見ると次のようになります。
▼ 単ページで、1ページだけに赤字を入れた例
▼ 単ページで、2ページに赤字を入れた例
どちらの指示がいいかは現場判断になりますが、ページごとに赤字を入れておくほうが見落としのリスクを軽減できます。赤字を見る側に対しても親切です。
[補足]
・ページが見開きなら、単純に矢印で指示したほうがわかりやすいです。
■ 前のページへ行を送る(校正記号+文字で補足+2か所)
行を送る側のページ(右)の赤字は、前述した通りです。
行を送られる側のページ(左)には「次ページから1行入レル」と指示しています。
5. 行送りの赤字が入る例
▼ 行送りの赤字が入るのは、次のようなときが多いです。
・左右ページの文字量のバランスが悪いとき
・段落の区切りが悪いとき
・先頭行の文字数が少なく見栄えが悪いとき
【例1】
【例2】
※例文は『Wikipedia:ドラえもん』より使用いたしました。
6. 改ページ
改ページは、ページを変えて次のページから新しく文を始めるという指示になります。基本は、前述の行送りの指示で代替可能です。
強いて使う場面を想定するなら、ページ全体を次のページに送るときなどです。
▼ 改ページの校正指示は「改ページ」と書き入れるだけです。
・改ページの校正指示
・指示を強調したいときは、四角や丸で囲みます。
▼ 改ページの赤字の入れ方
・ページ全体を次のページに送る例
⇒ ページの上側に「改ページ」と書き入れます。
※横や下に「改ページ」と書き入れるのではなく、必ず上側です。
【結果】
※結果としては白紙になりますが、印刷の都合上白紙のままにしておくことは珍しくありません。また、後から他の情報を入れるために、一旦白紙の状態にしておくこともよくあります。