校正記号とは何か? 練習問題から学ぶ

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校正記号とは?[校正・校閲の練習問題]

今回の練習問題は、校正記号に関する問題です。

校正記号の概要を述べた文章の間違い探しです。問題は、Wikipedia「校正記号」から一部抜粋・改変したものになります。

【出典:Wikipedia_校正記号】

1:練習問題 <問題>

問題 ※固有名詞や数字の間違いはありません。

1.校正記号について

印刷物は、一般には基になる原稿を元に出版社により印刷物として起こす。このときに手原稿などからの写し間違いなどにより不正確な原稿が作成されることがあり、これを誤植と呼ぶ。この修正を行うことを校正と呼ぶが、校正時手書きで色付きの筆記用具を用いて直すときに使用する記号を校正記号と呼ぶ。

 印刷会社では活字の時代から使用されていた。

一般に使用するのは出版者と印刷会社であることが多いが、一般のビジネスや教育現場などでも使用されることがある。
出版社などの現場では書体などの指示と変更文字の指定がはつきりせずに、校正の指示内容を作業者が間違うことが多い。そのため、校正記号の記入社が区別しやすいように表記することと、校正作業車が校正記号の知識を確実に持っていることが求められる。
出版社以外で一般に使われるものは、文字の修正、削除などの指示の記号や、改行の支持の記号ぐらいである。

2.日本工業規格

日本工業規格(JIS)ではJIS Z 8208により規定されている。
1965年にJIS Z 8208により使用する記号が標準化されていたが、昨今のコンピュータの進化によりDTPが普及したことから、2007年に改訂された。
JIS Z 8208での規定を元にこにこ記載する。正確な記号についてはJIS Z 8208を参照すること

2:練習問題 <解答>

解答

1.校正記号について

印刷物は、一般にはになる原稿を元に出版社により印刷物として起こす。このときに手原稿などからの写し間違いなどにより不正確な原稿が作成されることがあり、これを誤植と呼ぶ。この修正を行うことを校正と呼ぶが、校正時手書きで色付きの筆記用具を用いて直すときに使用する記号を校正記号と呼ぶ。

刷会社では活字の時代から使用されていた。

一般に使用するのは出版と印刷会社であることが多いが、一般のビジネスや教育現場などでも使用されることがある。
出版社などの現場では書体などの指示と変更文字の指定がはきりせずに、校正の指示内容を作業者が間違うことが多い。そのため、校正記号の記入が区別しやすいように表記することと、校正作業が校正記号の知識を確実に持っていることが求められる。
出版社以外で一般に使われるものは、文字の修正、削除などの指示の記号や、改行の指示の記号ぐらいである。

2.日本工業規格

日本工業規格(JIS)ではJIS Z 8208により規定されている。
1965年にJIS Z 8208により使用する記号が標準化されていたが、昨今のコンピュータの進化によりDTPが普及したことから、2007年に改定された。
JIS Z 8208での規定を元にここに記載する。正確な記号についてはJIS Z 8208を参照すること

【解答一覧】

 1.  になる原稿を  →  になる原稿を
 2.「印刷会社~」の文だけが一字下げになっている
 3.  出版と印刷会社 →  出版と印刷会社
 4.  きりせず   →  はきりせず
 5.  校正記号の記入 →  校正記号の記入
 6.  校正作業車    →  校正作業
 7.  改行の支持    →  改行の指示
 8.  2007年に改   →  2007年に改
 9.  元にこにこ記載  →  元にここに記載
 10. 文末の句点のヌケ 

3:練習問題 <解説>

解説  ※解説文の一部は「コトバンク」を参照

1.になる原稿を → になる原稿を

「基」… 物事の土台。根拠となるもの。「基金・基準・基地・基盤・基本」
「元」… 物事の始め。根本。「元に戻る・出版元」

「基」と「元」は使い分けでよく迷うものです。特に表記ルールがないのなら、ひらがな表記で「もと」に統一しておくと余計な間違いを防ぐことができます。

2.「印刷会社~」の文だけが一字下げになっている
10.文末の句点のヌケ

文章を読むのに集中していると、体裁的な間違いには気づきづらくなります。素読み作業とは切り離して、体裁だけに絞って確認するようにすれば、比較的容易に見つけられる間違いです。

3.出版と印刷会社 → 出版と印刷会社
5.校正記号の記入 → 校正記号の記入
6.校正作業車    → 校正作業

「社」「者」「車」は、どれもよく使うので変換ミスは多いです。特にこの問題では「○○社」と「○○者」の両方を使用しているので、尚更混在する可能性が高くなります。

この手のよくある間違いは、1か所間違いを見つけた時点で『他も間違っているんじゃないか?』と推測することです。

4.きりせず  → はきりせず
9.元にこにこ記載 → 元にここに記載

漢字と違って、ひらがなはうっかり読み流してしまうことが多いです。
「つ」と「っ」、「に」と「こ」は文字の形も似ているので注意が必要です。

8.2007年に改訂 → 2007年に改

「改訂」… 書物の内容を改め正すこと。「旧版を改訂する」「改訂版」
「改定」… 法律・制度など以前のものを改めて新しく定めること。「条約を改定する」「運賃改定」

出版・印刷業界では、「改訂」はよく使う言葉です。「改定」との混同や変換ミスが多いので注意が必要です。