![三点リーダー・二点リーダーの意味と使い方[校正記号]](https://kousei.club/wp-content/uploads/2021/11/three-point-leader-in-proofreading-mark.jpg)
目 次
三点リーダー(…)・二点リーダー(‥)の意味と使い方
1. 三点リーダー・二点リーダーについて
三点リーダー、二点リーダーともに約物の一つになります。JIS X 0208では、「三点リーダ」「二点リーダ」と表記され、語の後ろに音引きはつきません。
(※約物とは、文字・数字以外の記号・符号の総称。句読点や括弧なども約物になります)
両者ともリーダーの一つの種類になり、リーダーには「点々」や「点線」などの呼称があることから、三点リーダーや二点リーダーもそう呼ばれることがあります。
一般的な書籍やカタログ、雑誌などで、二点リーダーを見る機会は少ないですが、三点リーダーは多くの媒体で使用され、文章内での使用頻度も高いものです。
▼ 三点リーダーについて 詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
2. 三点リーダー・二点リーダーの使用方法
三点リーダーは、基本2倍「……」(2つセット)で使用するとされますが、あくまでも2つでの使用が望ましいというだけで、全角「…」や3倍「………」での使用が間違いというわけではありません。
使用ルールは、企業や媒体、個人によって違ってきます。どの使用でも問題ありませんが、特に決まりがないようであれば、2倍「……」の使用が推奨です。
また和文の場合、三点リーダーや二点リーダーの代わりに、中黒の半角や全角が使用されることがあります。
… | 三点リーダー |
・・・ | 半角中黒が3つ |
・・・ | 全角中黒が3つ |
‥ | 二点リーダー |
・・ | 半角中黒が2つ |
・・ | 全角中黒が2つ |
これらは誤用というよりも、くだけた文章などで見た目を考慮して意図的に使用しているケースが多くみられます。
3. 三点リーダー・二点リーダーの文章中での使用例
リーダーの使い方は特に限定されていませんが、文章中では主に次のような場面で使用されます。
1.会話の間/無言の状態を表す
2.余韻を残す
3.文章の省略
4.関連する語や項目をつなぐ など
▼ リーダーの具体的使用例
1.会話の間/無言の状態を表す
「なあ、お春どん……」
お春は下を向いたまま、小さく頷いた。
「あんた、お嬢ちゃんにいつ云うたん」
「はい。……今朝でございます」
「何と思うて云うたん」
「……」
2.文末につけて余韻を残す
四月の中旬に雪子は東京へ立って行った……。
3.引用など文を省略する
第2章のP.123の3行目で「リーダーには……がある」と述べている
4.関連する語や項目をつなげる(※単に点線の記号として使用)
例1
4月 …… April
5月 …… May
6月 …… June
7月 …… July
例2
リーダー …… P.107
三点リーダー …… P. 99
二点リーダー …… P.152
三点リーダー・二点リーダーの校正記号
※文章中の校正記号は『JIS Z 8208:2007(印刷校正記号)』を参考にしています。
▼ リーダーの校正記号
「三点リーダー」と「二点リーダー」には、校正記号が2種類あります。どちらを使用しても問題ありません。
■ 三点リーダー
■ 二点リーダー
・二点リーダーは、文字で「2点」と補足する必要があります。
補足の文字は、丸囲みでもパーレンでもどちらでも大丈夫ですが、見やすさを考えればパーレンのほうがいいと思います。
■ 2倍の三点リーダー
(※2倍は、全角の2倍という意味で2文字分を表します。2倍ドリともいいます)
■ 2倍の二点リーダー
三点リーダーの赤字の入れ方
▼ 三点リーダー
■ 訂正の赤字の入れ方
1.
2.
■ 挿入の赤字の入れ方
1.
2.
挿入の2の指示を使うときは、点がわかるように大き目に書く必要があります。
挿入の二股線に点が近すぎると、パッと見ただけでは「□□」にしか見えません。□を2つ入れる指示に解釈できます。
二点リーダーの赤字の入れ方
二点リーダーの赤字の入れ方は、三点リーダーと同様です。
▼ 二点リーダー
■ 訂正の赤字の入れ方
1.
2.
■ 挿入の赤字の入れ方
1.
2.
校正記号一覧 > 使いたい赤字を五十音検索
[リーダーについては、以下の辞書・サイトを参考にしています]
・ダヴィッド社_編集校正小辞典
・日本エディタースクール出版部_新編 校正技術
・IT用語辞典バイナリ
・Wikipedia_リーダー記号
※リーダーの使い方で使用している例文は、青空文庫:谷崎潤一郎の『細雪』より一部抜粋・改変したものになります。