校正記号の入れ替え

入れ替え(イレカエ)から起こる間違い

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校正記号の入れ替えは、下のようになります。

・隣接する文字の入れ替え

校正記号の入れ替え

・離れた文字の入れ替え
校正記号の入れ替え

※参照元:JIS Z 8208:2007 改正. 印刷校正記号一覧:日本印刷産業連合会 編集

このイレカエの指示は、校正記号の「トル」「イドウ」と同様、入れ替えることによって、

・全体のバランスが悪くなる…
・入れ替えたことによって整合性が取れなくなる…

 などの不具合が起こりえます。

場合によっては、レイアウトを再調整したり、文をリライトする必要があったりします。

単にその赤字の修正箇所だけでなく、赤字のない箇所にも影響してくることがあります。そのため、他の箇所への影響も考慮しつつ校正する必要があります。

入れ替えで起こる間違いは、

・入れ替え範囲が不明確ゆえに起こる

・入れ替えた結果、整合性が取れなくなる

この2点がポイントになってきます。

単純な入れ替え指示にみえても…

■ 問題

下の赤字は、図とキャプションの位置を入れ替える指示です。
ですが、一つ赤字が抜けています。

■ 答え

「右図参照」の「右」を「左」にする指示が抜けています。

この例は、校正あるあると言ってもいいぐらい頻繁に見られる間違いです。図表などを入れ替えたことにより、文中にある文字と整合性が取れなくなる間違いです。

右図参照や下図、左図などは、「図」の文字があるので見つけやすいですが、文中で「右のように」や「下のように」となっていると見つけるのが結構面倒です。

図表や画像などが、ページ内にある場合は、文章内でその解説をしていることが多いので注意が必要です。

この手の間違いは、「イドウ」の指示にも同様のことが起こりえます。

また、図をトル指示なら、上の問題で例えると、指し示す図が削除されるので、右図参照の文字もトル必要があります。場合によっては文章全体のリライトや削除が必要になってくるかもしれません。

入れ替え指示で起こりやすい間違い

ここで紹介する例は、校正者向けというより、原稿に指示を入れる人向けになるかもしれません。
※分かりやすいように、左と右の商品情報の色は変えています。
※左と右では、サイズの参照ページが違います。左:P.212 右:P.215


上の赤字は、入れ替えの矢印だけ指示されていますが、その範囲が明確に指示されていません。指示する側は、『左右の情報を全て入れ替えて欲しい』というつもりで入れた赤字ですが、範囲を明確に指定しないと、以下のような間違いが起こる可能性があります。
パターン1とパターン2を紹介しますので、この違いを掘り下げていきます。

 

<パターン1>
■イラストだけ、入れ替わっている

これはよくある事例で、スピードを求められるオペレータは基本修正することに特化しています。そのため、赤字を見て、矢印の下のイラストだけに目が行ってしまい、そこだけ入れ替えた例です。

後から見て『イラストと品名が違うから、それぐらい分かるだろう』と突っ込む人もいるかもしれませんが、これは赤字を入れた側が、範囲を指定していないのがそもそもの原因なので、指示を入れた側が気を付けなければいけないことです。

もし、製作するにあたって分業体制を敷いている会社なら、オペレータに一日の何百という修正指示の一つ一つを読み解くことを求めるのは少し酷なことかもしれません。そのため、誰が見ても誤解を与えないような赤字を入れることが大切です。

 

<パターン2>
■イラストと品名だけ、入れ替わっている

パターン1とパターン2は、似ていると思う人もいるかもしれませんが、修正に至る過程は全然違います。この場合、オペレータは修正の意図を理解し、左右の情報の全てを入れ替えようとしました。

でも、なぜ商品情報は入れ替えなかったのか?

商品情報をパッと見て、内容が同じだと思い、あえてそこには触れなかったのです。オペレータは極力、データを触りたくありません。単純に手間だという理由ではないです。

データを触るということ(人の手が介在すること)は、何らかのミスが発生するリスクがあります。データ上の予期せぬトラブルは、データを扱うオペレータが一番身に染みて理解しています。そのため、同じ情報だと思われるのであれば、無駄にデータを触るようなことはしません。

ただ、残念ながらこの場合は商品情報が違っていて間違っていたわけですが…。

ここで大切なことは、指示を入れる側は、あらゆる立場の人を想定して、どことどこを入れ替えるかの範囲を明確に指定しなくてはいけないということです。
『これで分かるだろう』という安易な気持ちで赤字を入れてはいけません。

下のように、入れ替える範囲を明確にしてあげましょう。

おわりに

以前に紹介した校正記号の間違い事例の「トル」「イドウ」、今回の「イレカエ」、これら全てに共通することは、一見簡単そうな赤字にみえて、様々な箇所に影響を及ぼすものだということです。

そのため、原稿に指示を入れる側も、校正する側も視野を広げて作業に挑まなければいけません。


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