校正者に資格って必要?[校正・校閲の仕事をするための資格取得]

information

校正者に資格って必要?[校正・校閲の仕事をするための資格取得]

結論からいうと、校正者に資格は必要ありません。
しかし、資格取得がムダということでもありません。

資格を取得するための過程で学んだ知識は、校正者になっても決してムダになりません。校正という職種においては、学校で学んだことを比較的多く実務に活かせるからです。

資格取得を目指す方も資格を取得しない方も、校正者になるための道をどう進むかの違いなだけです。どちらが正しいとも間違いともいえません。

しかし、タイトルの答えに対しては「資格は必要ない」といえます。

1. 校正・校閲の資格を取得しない方[実務経験重視

『資格は必要ない、実践で経験を積みたい!』という方は、以下のサイトで校正の募集状況を調べてみてください。

「未経験者可」で校正の求人募集をしているのであれば、そこに応募すれば大丈夫です。その校正現場で経験を積めば、校正者になる一歩を踏み出せます。

アルバイト・パート

・ 幅広く効率よく、求人検索
   > indeed(インディード)

・ 求人サイトで詳細検索
   > タウンワーク
   > フロムエーナビ
   > バイトル
   > マイナビバイト

・ 在宅ワークの求人検索
   > クラウドワークス
   > ママワークス

   >  coconala.com

派遣・紹介予定派遣・契約社員・正社員

・ 出版・広告・印刷系に強い
   > マイナビスタッフ(※未経験者の登録可能)
   > マスメディアン
   > エキスパートスタッフ

・ 求人の多さと幅広い年齢層に対応
   > リクナビ派遣

ただ校正の仕事に就いてからは、校正の右も左もわからない状況です。必死に努力するしかありません。赤字の入れ方や専門用語、編集の知識も、すべて一から覚える必要があります。

現場で校正に関する知識や技術は教えてくれても、それ以外のこと(編集やDTPのこと)は、自分から率先して勉強するしかありません。

大変ではありますが、資格取得の時間(約半年)を実践で補おうという考えは全く間違っていません。本人のやる気次第でどうにでもなります。

実際に自分の経験からしても、資格を持っていなくても第一線で活躍している校正者は数え切れないぐらいいます。

資格を取得しないデメリット

校正のプロダクションなどでは、未経験者の場合、資格保持者でないと求人に応募できないところがあります。そのため、就職の窓口が狭くなるというデメリットが考えられます。  

2. 校正・校閲の資格取得を目指す方【資格重視】

どういう人が資格取得を目指せばいいのか?

  • いきなり実務は不安
  • まずは基礎を固めたい
  • 校正という仕事に興味がある
  • 数年後に校正者になりたいと思っている
  • お金と時間に多少の余裕がある

スクールでの資格取得のメリット

  • 校正以外の知識を体系的に習得可能
  • 通学なら、人とのつながりが生まれる
  • 就職情報が閲覧可能
  • 就職の窓口が広がる

※求人に「経験者のみ」と記載されていても、資格取得者なら、たとえ実務経験がなくともスクールで校正の経験を積んでいるので募集できる場合があります。

どんな仕事でも、学校で教わったことが実際の現場で役立つとは限りませんが、校正という仕事には、ある程度共通のルールが存在するので、どこの現場でも学んだことを活かせる場面があります。

スクールでの資格取得のデメリット

自分のやる気次第では、お金と時間のムダになります。

3. 校正・校閲の資格取得なら2つの学校

1. 校正の学校・編集の学校「日本エディタースクール」

校正の学校・日本エディタースクール

取得可能な資格

校正技能検定 初級(スクール卒業生に認定)
校正技能検定 中級(要試験)
校正技能検定 上級(要試験)
※上級(旧三級)は難易度が高く、持っている校正者は優秀な方が多いです。

【公式サイト】> 日本エディタースクール

2. 文部科学省認定社会通信教育「校正実務講座」

取得可能な資格

校正士認定試験合格により「校正認定証書」が交付されます。これにより「校正士」と名乗れます。

【公式サイト】> 実務教育研究所

3. 他にも大学や短大、専門学校などで校正・校閲技術を学ぶことができます。

【スタディサプリ公式】校正者を目指せる学校

※ユーキャンの校正講座は終了しています。

4. 校正初心者が持っておくべき本

いずれの本もスクールの教材として使われる本です。

1. 校正記号の使い方―タテ組・ヨコ組・欧文組

 校正記号の使い方が網羅されています。初心者・経験者とも必須の本です。

校正記号の使い方―タテ組・ヨコ組・欧文組

2. 標準 校正必携

校正者としての知識だけでなく、編集やDTPなどの知識も掲載されています。やや読みづらいところもありますが、自分の知識を補うためにも初心者の方は手元に置いておきたい本です。

標準 校正必携

5. 校正者にとって資格よりも重要なこと

校正の仕事に就く際には資格が多少有利になりますが、一人前の校正者になるにあたって資格取得は大して意味がありません。

一番重要なことは、入った職場に研修体制がきっちり整っているかどうかです。

就職前は、とりあえずどこへでも入りたいという気持ちが強くなりがちですが、選べる余地があるならじっくり時間をかけて吟味したほうがいいです。

判断基準としては、希望する職場の以下の点を見てみることです。

  • 職場に、校正・校閲を専門として働いている方がいるか?
  • 過去に、校正の未経験者を受け入れたことがあるか?
  • 未経験で採用された方が長続きしているか?

おわりに

出版・印刷業界の不況や少子化の影響もあり、校正者を目指す人が年々減ってきているという話はよく聞きます。この部分にだけフォーカスすると、これから校正の仕事に就きたいという方は不安に思うかもしれません。

ただこの現象は、紙媒体に限定して当てはまることで、校正・校閲の仕事が減っているというわけではありません。今では、昔と違いWeb専門の校正者もいます。動画の字幕などの校閲もあり、校正者の職域は想像以上に多岐にわたっています。

資格を取る取らないにかかわらず、これから校正者を目指す方は、昔からイメージされる古い体質の校正・校閲という枠にこだわらずスキルを磨いていくことです。

校正スキルはどの職場においても必ず活かされるものなので、自分の力で仕事の領域を広げることができれば、チャンスはたくさんあると実感しています。