「分かる」「判る」「解る」の違いと使い分け|迷ったら「分かる」が正解な理由

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「分かる」「判る」「解る」の違いと使い分け|迷ったら「分かる」が正解な理由

「説明の意味がわかる」「調査で原因がわかる」と書くとき、どの漢字を使えばよいのか?

「理解するなら解るを使う」「事実が明らかになるなら判るを使う」と言われても、使い分けに迷うかもしれません。

「分かる」「判る」「解る」の3つの表記には、使い方の違いがあります。この記事では、それぞれの意味や特徴、文章を書くときの選び方を紹介します。

[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]

『デジタル大辞泉』(小学館)

『新明解国語辞典』(三省堂)
『広辞苑』(岩波書店)

『記者ハンドブック 新聞用字用語集』(共同通信社)
「公用文作成の考え方」(文化庁)

1.「分かる」は、幅広い意味に使える

「分かる」は、内容を理解する、事実が明らかになる、違いを見分けられるなど、幅広い意味に使える表記です。

「説明の意味が分かる」
「調査で原因が分かる」
「二つの商品の違いが分かる」
「相手の気持ちが分かる」

意味を理解したときだけでなく、原因が明らかになったときや、違いを見分けられたときにも使えます。

そのため、「事実が明らかになる場面では『判る』を使うべきだ」、「理解する場面では『解る』と書かなければならない」と考えなくても大丈夫です。

2.「判る」は、事実や違いがはっきりすることを意識した表記

「判る」は、事実が明らかになることや、違いを見分けられることを意識して使われる表記です。
「判明」「判別」「判断」といった言葉を思い浮かべると、どのような場面で使うのか、イメージしやすくなります。

「調査で原因が判る」
「本物か偽物か判る」

ただ、これらは「調査で原因が分かる」「本物か偽物か分かる」と書いても自然です。「判る」でなければ伝えられない意味ではありません。

一般的な文章では、無理に「判る」を使わなくても、前後の文から意味を伝えられます。

3.「解る」は、意味や内容を理解することを意識した表記

「解る」は、意味や内容、理屈などを理解することを意識して使われる表記です。
「理解」の「解」と結び付けて考えると、どのような場面で使うのかが分かりやすくなります。

「説明の意味が解る」
「問題の解き方が解る」

こちらも、「説明の意味が分かる」「問題の解き方が分かる」と書いて問題ありません。

また、「解る」と書けば、必ず「深く理解した」「十分に納得した」という意味になるわけではありません。理解の深さまで伝えたい場合は、「十分に理解できた」「理由を知って納得した」など、言葉を補うほうが確実です。

「判る」「解る」は、書き手が意味の違いを意識して選ぶことのある表記ですが、使い分けの境界が明確に決まっているわけではありません。

4. 迷ったときには「分かる」を選ぶのが正解

3つのうち、常用漢字表に「わかる」という読みが載っているのは「分」だけです。

常用漢字表は、一般的な文章で漢字を使う際の目安です。「判」「解」も常用漢字ですが、この2字には「わかる」という読みが載っていません。漢字そのものが表にないのではなく、その読み方が載っていないという違いです。

文化庁の「公用文作成の考え方」では、漢字の使用は常用漢字表に従うことを原則としています。この原則に沿って3つの表記から選ぶなら、表に「わかる」という訓読みが載っている「分かる」が基本になります。

【参照】「公用文作成の考え方」(文化庁)PDF
> https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/93650001_02.pdf

そのため、仕事の文書や一般向けの文章で、特別な使い分けを必要としないなら、「分かる」を基本にすると、表記のばらつきを減らせます。

ただし、公用文で常用漢字表に従うことを原則としているからといって、私的な文章や小説などでも「判る」「解る」を使ってはいけないという意味ではありません。

5. 意味をはっきりさせたいなら言葉を言い換える

理解したことと、事実が明らかになったことを区別したい場合は、漢字だけで使い分けるより、別の言葉に置き換えるほうが伝わりやすくなります。

「説明の意味が分かった」 → 「説明の意味を理解した」
「調査で原因が分かった」 → 「調査で原因が判明した」
「本物か偽物か分かった」 → 「本物か偽物かを見分けられた」
「説明を聞いて分かった」 → 「説明を聞いて納得した」

ただ、言い換えによって意味が変わる場合もあります。たとえば、「理解した」は内容を把握したこと、「納得した」はその内容を受け入れたことを表します。伝えたいことに合う言葉を選ぶことが大切です。

意味が前後の文から十分に伝わるなら、「分かる」のままで大丈夫です。

6. ひらがなの「わかる」も選べる

文章の雰囲気や読みやすさに合わせて、ひらがなの「わかる」を使う方法もあります。

「その気持ち、よくわかります」
「初めての人にもわかるように説明します」

ひらがなにすると、文章がやわらかい印象になることがあります。読み手や掲載する媒体によっては、漢字よりもひらがなの表記が適しています。

同じ文章の中では、特別な意図がなければ「分かる」か「わかる」のどちらかを基本にすると、表記が整います。

おわりに

「判る」は事実や違いがはっきりすることを、「解る」は意味や内容を理解することを意識して使われる表記です。それらの意味は「分かる」でも表せます。

迷ったときは「分かる」を基本にし、意味をさらに明確にしたいときは「理解する」「判明する」などに言い換えるのが適切と言えます。大切なのは、漢字の違いだけに頼らず、読み手に伝わる言葉を選ぶことです。