「男前」とは?意味・語源をわかりやすく解説

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「男前」とは?意味・語源をわかりやすく解説

「男前」は、主に男性の容姿や見栄えのよさを表す言葉です。顔立ちだけでなく、服装や姿勢、立ち居振る舞いなどから受ける全体的な印象を含めて使われることもあります。現在では、おもに「見た目や雰囲気がかっこいい」という意味で使われます。

また、「男前な性格」「男前な対応」のように、性格や行動をほめる表現としても使われます。この場合に評価されるのは、潔さや決断力、頼もしさなどです。

性格や行動について使う場合は、男性に限らず、女性を「男前な人」と表現することもあります。

[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]

『日本国語大辞典』(小学館)
『精選版日本国語大辞典』(小学館)
『広辞苑』(岩波書店)
『デジタル大辞泉』(小学館)
『コトバンク』(DIGITALIO)「男前」、「前」

1.「男前」の語源:「前」には複数の見方がある

「男前」は、「男」と「前」からなる言葉です。ただし、この「前」をどう捉えるかについては、いくつかの見方があります。

一つは、「腕」「気」「持ち」「一人」などに見られる「」と同じように、ありさま・程度・資格などを表すものと見る説明です。

・「腕前」→ 技量の程度
・「気前」→ お金などを気持ちよく出す態度
・「持ち前」→ もともと備わっている性質や能力
・「一人前」→ ひとりの人として認められる状態や水準

この見方に立てば、「男前」はもともと「男性としての容貌や風采」を表していた言葉と考えることができます。そこから、顔立ちや見栄えのよさをほめる意味が中心になり、現在では振る舞いや性格を評価する場合にも使われるようになったと考えられます。

もう一つは、「前」を正面から見た姿や外見に関わるものと捉え、「男の顔立ち・見栄え」という意味から生まれたとする見方です。

このように、「前」をありさまや程度を表すものと見る説明もあれば、外見や正面の姿に関わるものと見る説明もあります。どれが正しいか確定しているわけではないため、「男前」の語源には複数の見方があると捉えておくのがよいでしょう。

2.「男前」の古い用例

辞書では、「男前」の古い用例として、並木五瓶の歌舞伎台本『思花街容性』に見られる、天明4年(1784年)の例が紹介されています。

「槍持ちにしては惜しい男前ぢゃ」
(出典:『精選版日本国語大辞典』(小学館)「男前」、『コトバンク』掲載)

「槍持ち」とは、主人などに付き従って槍を持つ役目の人です。このせりふは、「槍持ちにしておくには惜しいほど、見栄えのよい男だ」といった意味だと考えられます。

この例から、少なくとも1784年の歌舞伎台本には、「男前」が見栄えのよい男性を指す語として用いられていたことがわかります。

ただし、歌舞伎台本に古い用例があるからといって、「男前」という言葉が歌舞伎に由来するとまでは言い切れません。

3. 現在の「男前」の使い方

現在の「男前」は、見た目をほめる場合と、性格や行動をほめる場合の両方で使われています。

顔立ちだけでなく、立ち居振る舞いも男前だ。
迷わず責任を引き受けるのは、男前な対応だ。

の例では、顔立ちや振る舞いから受ける印象をほめています。
の例では、責任を引き受ける潔さや頼もしさを「男前」と表現しています。

見た目について使う場合は、次のような近い表現があります。
・かっこいい
・イケメン
・美男子
・端正な顔立ち

これらは「男前」と完全に同じ意味ではありません。「イケメン」は比較的くだけた表現で、「美男子」は男性の美しさに重点があります。これに対して「男前」は、顔立ちだけでなく、りりしさや風格などを含めて使われます。

性格や行動について使う場合は、次のような近い表現があります。
・潔い
・頼もしい
・気っぷがいい
・決断力がある

この使い方では、評価されるのは容姿ではなく、その人の性格や態度、行動です。そのため、女性について「男前な人」と表現することもあります。

おわりに

「男前」は、男性の容姿や見栄えのよさを表すだけでなく、潔い性格や頼もしい行動をほめるときにも使われる言葉です。そのため「男前」が何を指しているのかは、前後の文脈から判断する必要があります。

また、語源には複数の見方があります。「前」を外見や正面の姿に関わるものと見る説もあれば、「腕前」「気前」などと同じように、ありさまや程度を表す「前」と見る説明もあります。どれか一つに確定しているわけではないため、それぞれの説を踏まえて多角的に理解するとよいでしょう。