「色々」と「様々」の違いと使い分け[3つの用法で簡単解決]

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「色々(いろいろ)」と「様々(さまざま)」の違いと使い分け

「色々」と「様々」は、どちらも「種類が多い」という意味で使用される言葉です。同義語となるため、両者は言い換えが可能なことも多いです。

読み方が違うだけで意味は同じという認識が強いかもしれませんが、意味を掘り下げることで使い分けをすることも可能です。

[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]

・新明解国語辞典(第八版)_三省堂
・広辞苑(第七版)_岩波書店
・チャレンジ小学漢字辞典_ベネッセ
・デジタル大辞泉_小学館

「色々」と「様々」の使い分けのパターン

「色々」と「様々」は次の3つのパターンから使い分けが可能になります。

 1.「口語的」「文語的」
 2.「数量」「種類」
 3.「ひとまとめ」「分類」

以下、この3つのパターンの使い分けをそれぞれ詳しく解説していきます。

使い分け1:口語的か文語的か?

使い分け1が、一番オーソドックスなものです。「口語的」か「文語的」かで使い分けます。端的に言うと「話し言葉」か「書き言葉」かの違いです。

ただし「色々」も「様々」も会話でも文章内でも使用されるため、状況に応じて適切に使い分けると覚えておけばいいでしょう。

用 法 ①

1. 色々 → 口語的、カジュアル(会話、くだけた文書)
2. 様々
 → 文語的、フォーマル(ビジネス文書、論文)

「色々」と「様々」の違いと使い分け

①「色々」の使い方 ~口語的~

色々」は、日常会話でもくだけた(カジュアルな)文章でもよく使われます。

あの店には、色々な商品があるんです。

「色々」の漢字をひらがな表記にすることで、より親しみやすい文章にできます。

あの店には、いろいろな商品があるんです。

また「色々」と「様々」は同義語なので置き換え可能なことも多いです。

あの店には、様々な商品があるんです。

この場合、「色々」と比べるとやや堅い印象が生まれますが間違いではありません。大切なことは、文章全体の内容や読み手のことを考慮して、適宜使い分けることです。

一方「色々」と「様々」は同義語ですが、置き換えができない場合もあります。

色々の使用が相応しい例

色々お世話になりました。
色々と楽しかったです。

 ↓

様々お世話になりました。
様々と楽しかったです。

日常的なことを、あれこれまとめた表現には「色々」を使用することが多いです。このような置き換えは、慣習的にも違和感があるので誰でも不自然とわかると思います。

※この使い分けは、後述の【使い分け3】の用法で説明しています。

②「様々」の使い方 ~文語的

様々」は、「色々」に比べれば文語的な表現です。通常の文章内では、やや堅い印象を与えますが、ビジネス文書や論文など、正式な場面では適切な表現でしっくりきます。

この問題には、様々な要因が潜んでいます。

「様々」をひらがな表記にしても問題ありません。堅い印象を少し和らげることができます。

この問題には、さまざまな要因が潜んでいます。

この【使い分け1】では、口語的文語的か、カジュアルフォーマルといった、印象の違いによる使い分けになります。文章の内容や、使用場面に応じて使い分けをするといったものです。

一般にも、多くの辞書でも「色々」と「様々」は同義語とされるので、基本的にはこの【使い分け1】だけ覚えておけば大丈夫です。

使い分け2:数量か種類か?

【使い分け2】では、微妙なニュアンスの違いによる使い分けになります。色々数量を強調し、様々種類を強調するという視点から使い分けをします。

用 法 ②

1. 色々 → 数量を強調
2. 様々 → 種類を強調

「色々」と「様々」の違いと使い分け

①「色々」の使い方 ~数量

色々は、物の種類よりも数量により重点がおかれる場合に使います。

たとえば、「図書館には色々な本がある」というとき、
本の数が多いことを強調しています。

②「様々」の使い方 ~種類

様々は、物事が一つひとつ異なっているさまを表す言葉で、種類が豊富にそろっている場合に使います。

たとえば、「図書館には様々な本がある」というとき、
本のジャンルや内容の異なるものが多いことを強調しています。

用法②での「色々」と「様々」の使い分け

先の基準を踏まえて、次の例文から具体的な使い分けを見ていきたいと思います。

・人生は色々だ
・人生は様々だ

色々は、数がたくさんあるのはわかっていて、他に何があるのか、どんなものがあるのかはわからないが、とにかく数が多くあるというニュアンスです。

人生は色々だ』という文では、
生まれた時代、家族構成、出会う先生や友人、置かれた環境によって、人生は数多く考えられるという意味が「色々」に含まれています。

様々は、数がたくさんあるのはわかっているが、ある程度その種類が想定できる範囲であるというニュアンスです。

人生は様々だ』という文では、
人生は数多く考えられるが、人の行動や判断の基準となる模範から、その種類はある程度想定できる部分もあるといった感じです。数よりも、人生のバリエーションの多さに重きをおく使い方になります。

この【使い分け2】では、「色々」と「様々」どちらも種類の多いことを表しますが、「数量」か「種類」かのどちらに重きをおくかという違いになります。

※ただし、現代の会話や文章においては、【使い分け2】よりも前述の【使い分け1】を優先するのが通例です。

使い分け3:ひとまとめか分類?

最後の【使い分け3】では、色々は「多くのものをざっくりとひとまとめ」にして考え、一方様々は、「多くのものをある程度分類」して考えるかの違いになります。【使い分け2】と少し似た用法になります。

用 法 ③

1. 色々 → ざっくりひとまとめに考える
2. 様々 → ある程度、分類して考える

「色々」と「様々」の違いと使い分け

①「色々」の使い方 ~ひとまとめ

色々は、そのものの状態・性質が一通りでなかったり関係する所が多面にわたっていたりあれこれと方法を尽くしていたりすることを表わす。【参考:新明解国語辞典(第八版)_三省堂】

端的に言うと、「色々」はあれやこれやをまとめて表現するときに使います。

<例文>

・このスケジュールだと色々な調整が必要になってくる。
・去年は色々な出来事があった。

たとえば、「去年は色々な出来事があった」という場合なら、
『去年は、姉が結婚した、妹に子供が生まれた、会社で昇進した、車を購入した、友人とアメリカ旅行に行った』など、全く系統の違うものをひとまとめにして「色々」と表現しています。

②「様々」の使い方 ~分類~

様々は、幾つか対比されるものが一つひとつ違っている様子のときに使います。

この使い方では、対比されるものが違っているとわかっているときなので、ある程度自分の頭の中で分類ができている状態です。

<例文>

様々なサービスを提供している。
・源氏物語ついて様々な研究が行われている。

たとえば、「様々なサービスを提供している」なら、
「サービス」という枠から逸脱しない範囲で、そのサービスの一つひとつが異なったものであることがわかっている状態です。

おわりに

以上、「色々」と「様々」の意味と使い分け方を紹介してきました。

一般には、厳密な使い分けが要求されることはほぼないので、【使い分け1】だけで十分事足ります。

覚えておきたいポイントは、「色々」は主にくだけた場面での会話や話し言葉として使い、「様々」は形式ばった場面で主に書き言葉で使用されるということです。

~表記について~

一般の文章においては、漢字で「色々」や「様々」の表記がよく使用されますが、辞書では「色々」や「様々」でなく、「色色」「様様」と表記します。繰り返し記号の「々」は使いません。

また漢字表記でなく、ひらがな表記で「いろいろ」や「さまざま」と表記しても問題ありません。ひらがな表記にしたほうが、文章を和らげる効果があります。

漢字表記、ひらがな表記どちらでも大丈夫ですが、表記揺れには注意しましょう。