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Wordで文章の品質を高める[文章校正機能のやり方紹介]
Wordには強力な文章校正機能が付いています。
フリーの校正ソフトに頼るよりも、Wordの校正機能を高めたほうが品質UPには近道です。文章作成の時点で少しでも誤字・脱字をなくしておくと、後工程の校正作業をラクにすることができます。
後工程がラクになるということは、時間やコストの削減に繋がります。Wordの設定を少し変えるだけで、身近な働き方改革ができます。
【おすすめな人】
・文章の品質にこだわりたい
・少しでも誤字脱字をなくしたい
・デジタル校正ソフトを導入するつもりはないが、校正作業を省力化していきたい
・コストも時間も掛けたくない
・テキスト原稿をデータとして持っている
※社内(自分)で作成している or クライアントから支給される
文章校正の詳細設定のやり方
1. Wordを開き、左上の【ファイル】タブをクリックします。
2. 一番下の【オプション】をクリックします。(もしくは【その他】→【オプション】)
3. Wordのオプション画面です。
【文章校正】を選択すると次の画面が表示されます。【Wordのスペルチェックと文章校正】の項目が文章の校正に関する箇所です。
4. すべての項目にチェックを入れます。
5. 通常の文の項目を選択するとリストが表示されます。
※文章によって表現を変える必要がある場合は、ユーザー設定を選択します。
6. さらに詳細な校正項目を見ていきます。【設定】をクリックします。
7.【文章校正の詳細設定】の画面が表示されます。
ここから詳細な校正項目を設定することができます。
8.【文章校正の詳細設定】では、以下の項目がカスタマイズできます。
・文章校正の詳細設定の画面
この 【文章校正の詳細設定】は、大きく分類すると次の4つの設定ができます。
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1. 誤りのチェック
2. 表現の推敲
3. 表記の揺れ
4. 表記の基準
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1. 誤りのチェック
入力のミス
同音語誤り
□ 誤り語・誤り表現
□ 仮名遣いの誤り・旧仮名遣い
2. 表現の推敲
□ くだけた表現
□「の」の連続
□ その他の助詞の連続
□ 助詞の用法
□ 重ね言葉
□ 当て字
□ 副詞等の呼応
□ あいまいな表現
□「が、」の多用
□ 連用中止形の多用
□ 二重否定
□ 文語調
□ 受動態
3. 表記の揺れ
□ 揺らぎ(カタカナ)
□ 揺らぎ(送り仮名)
□ 揺らぎ(漢字/仮名)
□ 揺らぎ(数字)
□ 揺らぎ(全角/半角)
4. 表記の基準
漢字レベル
□ 常用漢字外の読み
□ 送り仮名の誤り
送り仮名の基準
仮名書き推奨
文体
カタカナ設定
英文字設定
句点
読点
□ 商標・商品名
これらの項目にチェックを入れるだけで、Wordの校正レベルを格段に高めることができます。
9.「1. 誤りのチェック」
これは「入力ミス」や「同音語誤り」があると思われる箇所への指摘精度になります。
そのような箇所には、次のように「赤の波線」や「青の二重線」が表示されます。
・入力ミス :赤の波線 → 誤字脱字などの可能性が高い箇所
・同音語誤り:青の二重線 → 表現のおかしなところや表記が不揃いだと思われる箇所
・入力ミス
・同音語誤り
※両方とも「多め」に設定しておくほうが無難ですが、過剰指摘にもなってしまいます。指摘の数を見て調整してください。
10.
「2. 表現の推敲」と「3. 表記の揺れ」は、8の項目を参照ください。
必要な項目にチェックを入れるだけで大丈夫です。
「4. 表記の基準」は、かなり細かく設定できます。漢字レベルだけでも、常用漢字・1年生~6年生まで選択できます。
・表記の基準
11. 文体も「だ・である」体、もしくは「です・ます」体への統一が選択できます。
・文体
12. 英文字設定も、混在しがちな「全角と半角」のどちらかへの統一が可能です。
・英文字設定
13. 句点も「。」、もしくは「 . 」が選べます。
・句点
14. 読点も「、」、もしくは「 , 」が選択可能です。
・読点
15. 設定し終えたら「チェック実行」を押します。
スペルチェックと文章校正
文章校正の詳細設定をした後は、簡単に文章の校正ができます。
1. 次の文章で試してみたいと思います。
2.【校閲】タブ 内の【スペルチェックと文章校正】をクリックします。
3. 画面右側に【文章校正】の結果が表示されます。指摘理由も表示されるので便利です。
4. 文章校正部分の拡大です。
スペルチェック【辞書にない単語】として「appla」が表示されています。
その下には【修正候補の一覧】も表示されます。
5. 他の文章結果を知りたい場合
赤の波線にカーソルを合わせます。ここでは「ございますす」です。
(※赤の波線上ならどこでも大丈夫です)
画面右側に「ございますす」に対しての文章校正結果が表示されます。
6. 文章校正部分の拡大です。
誤りのチェック【入力ミス?】として「ございますす」が表示されています。
その下には【修正候補の一覧】も表示されます。
文章校正機能を解除したい場合
文章の作成をしているとき、赤や青の線があると気になって集中できないことがあります。また、校正は別のツールを使ってするなどの場合は、文章校正機能を解除しておくと便利です。
1. 赤の波線・青の二重線を消す
▼ 赤の波線や青の二重線を消したい場合
手順は簡単です。【Wordのスペルチェックと文章校正】の赤枠内のチェックをすべて外します。これで、Wordで開くすべての文書に対して、校正機能を無効にすることができます。
2. 特定の文書の赤の波線・青の二重線を消す
▼ 特定の文書だけ、赤の波線や青の二重線を消したい場合
1.「例外」の項目で、該当の文書を選択します。
2. 赤枠内にチェックを入れます。
■ 「この文書のみ、結果を表す波線を表示しない」だけにチェックをした場合
⇒ 赤の波線だけが非表示になります。
■ 「この文書のみ、文章校正の結果を表示しない」だけにチェックをした場合
⇒ 青の二重線だけが非表示になります。
※この例外設定では、どの文書を例外の設定にしたかちゃんと管理しておかないと、忘れてしまうこともあるため使用には注意が必要です。
おわりに
このようにWordの校正レベルを高めることにより、文書内の誤字脱字や表記ゆれ、英単語のスペルミスなどを軽減することができます。
残念ながら、100%間違いを見つけてくれるほど精度は高くありませんが、ミススペルに関してはかなり高い精度で指摘してくれます。やるとやらないとでは大きな差が生まれてきます。