明朝体とゴシック体:校正・校閲に適したフォントはどっち?

明朝体とゴシック体について

1:明朝体

明朝体は、横の線が細く縦の線が太い書体で、「とめ」や「はらい」「うろこ」と呼ばれる三角のものがあるのが特徴です。

明朝体とゴシック体
【BIZ UDP明朝Medium】

2:ゴシック体

ゴシック体は、線の太さが縦も横も均一なのが特徴です。

明朝体とゴシック体
【BIZ UDPゴシック】

明朝体とゴシック体、校正・校閲に適したフォントは?

フォントの種類は明朝体やゴシック体以外にもありますが、一般的にはこの2つがよく使用されます。どちらも普段から見慣れていて馴染みのあるものです。特に何も違和感がないと思います。

ですが、よくよく2つを見比べてみると、校正・校閲に適したフォントがどちらなのかがわかってきます。

明朝体とゴシック体の比較一覧

フォントによって見分けづらい文字・記号の一覧です。
  ゴシック体と明朝体の特徴を踏まえて見比べてみてください。

校正・校閲の明朝体とゴシック体
【ゴシック体 … BIZ UDPゴシック /  明朝体 … BIZ UDP明朝Medium】

フォントは、UD(ユニバーサルデザイン)フォントを使用しているので、比較的区別がつきやすいです。ですが、ゴシック体は線の太さが均一なため、文字同士で字形の差が出にくく見分けづらいものが多いです。

一方、明朝体になると、文字同士で字形の差が出てきて区別がつきやすくなります。とくに「うろこ」や横線に傾斜があるため見分けやすくなります。

よく似た文字の例として「0(数字のゼロ)」と「O(アルファベットのオー)」があげられます。この2つは、手書きの文字だと区別がつきづらいですが、フォントによっての違いは明確なので、ここでは取りあげていません。

明朝体とゴシック体の比較

ゴシック体は、線の太さや長さをよく見比べて区別するしかありません。一方、明朝体は、「うろこ」や「とめ」の部分、横線の傾斜具合などからすぐに見分けることができます。

1:ダーシ「―」・音引き「ー」・漢数字の「一」



この3つは見分けづらいものの代表としてよくあげられます。特に、「ダーシ(全角)」と「音引き」の混在は、校正していてよく見かけます。

ですが、次のように単語になると見分けやすくなります。 ダーシが音引きとして誤って使用されている場合、他の文字と比べて細く、隣り合う文字と詰まりすぎのように見えるのが特徴です。

2:エックス「x」・乗算記号(掛ける)「×」

3:漢字の「口(くち)」・カタカナの「ロ」・四角記号「□」

4:数字の「1」・アイ「 I 」・エル「 l 」



ここでは、UDフォントを使っているのでゴシック体でも見分けやすいですが、他のゴシック体では「アイ」と「エル」の区別のつかないものが多いです。

明朝体の「1(いち)」と「l(エル)」の区別は非常に難しいです。強いて違いをあげるなら、エルのほうが少し横幅が狭く文字が上に位置しているところです。

ちなみに、教科書体になると、アルファベットの「アイ」と「エル」はほぼ見分けられません。

5:カタカナの「ニ」・漢数字の「二」

6:カタカナの「エ」・漢字の「工(こう)」

7:カタカナの「カ」・漢字の「力(ちから)」


8:ハイフン = マイナス

この2つの区別は難しいと思うかもしれませんが、当然です。2つの文字コードは同じなので、全く同じものになります。使用される場面によって、名称が変わるだけです。

Wordの検索機能で「-(ハイフン)」を検索しても、「-(ハイフン)」と「-(マイナス)」の両方が検索されます。逆も同様です。

ハイフン = マイナス

9:漢数字の「〇(零)」・丸記号「○」



漢数字の「〇(零)」のほうが、やや線が太く見えるくらいですが、2つを横に並べてみると違いはわかります。

丸記号は、零よりも少し大きく、下に位置しています。

おわりに

タイトルの『明朝体とゴシック体:校正・校閲に適したフォントはどっち?』に対する答えは、「明朝体」ということになります。

明朝系のフォントのほうが、ゴシック体よりも字形の差が明確になり、校正する際に見間違うことが少なくなります。

これをどのように実務に組み込むかというと。

校正・校閲で確認する資料や別紙類、テキスト原稿などのフォントを「明朝体」に置き換えて出力することです。

少し手間と感じるかもしれませんが、文字が見分けやすいということは、見間違えることが少なくなり、考える時間も少なくなります。これは、校正・校閲の品質や時間に大きく影響してきます。

この効果は、文字量が多くなったり長時間の校正作業になるにつれて、よりはっきりとわかってきます。