校正校閲の流れ

校正・校閲の流れ[初校→再校三校 校了or 責了]

1.校正・校閲の流れと用語の定義

校正校閲のワークフローをはじめ、「初校・再校・三校」など出版印刷で使われる用語は、企業や職種、個人でかなりのバラつきがあります。

辞書や書籍、各企業のHPによっても定義はゆれています。そのため、辞書やネットでは大体の概要を掴む程度にしておき、流れや用語の定義はご自身の置かれた環境に沿った使用方法で覚えるのが最適です。

ここで紹介する例は、一般的というよりこういう例もあるという感じでご覧ください

辞書によっては、以下のように校正の流れが簡潔でわかりやすく説明されています。

校正」より抜粋

『…これを初校という。第1回目の校正,すなわち初校がすむと,その校正刷りには〈要再校〉と記して印刷所に返され,第2回目を再校,第3回目を三校と呼び,必要に応じて回数が重ねられる。かくて校正が完了した場合,これを校了といい,校了にするにあたり,とくに一部分に残存する訂正個所を念のために見る校正を念校,印刷所に差換えの責任を負わせて校了にするものを責任校了,略して責了と呼ぶ。…』

【出典:株式会社 平凡社 世界大百科事典】

■ 文章中の出版印刷用語の定義は以下の辞書を参考にしております。
・大辞林 第三版,三省堂
・精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典,小学館
・世界大百科事典 第2版,株式会社平凡社

2.校正・校閲の流れと用語の具体例

基準

「発注者」と「受注者」にわけて流れを説明していきます。
わかりやすくするために
「発注者」⇒「クライアント」
「受注者」⇒「制作会社」と置き換えています。

また、「初校」「再校」「三校」は、専門の校正者がする校正を指しています。
--------------------------------------------------------
・初校(1校)…校正者がする一回目の校正
・再校(2校)…同二回目の校正
・三校(3校)…同三回目の校正
--------------------------------------------------------
※一般的には三校までになります。三校以降は、四校・五校と呼ばれます。


具体的な流れ

以下の例は、クライアントから支給される初稿(最初の原稿)をもとに、制作会社が制作を進めていく流れになります。
※「初稿(最初の原稿)」とは、テキストデータ・画像データなど制作物を作るにあたっての素材です。データとは限らず手書きの原稿などもあったりします。


■ 1-1 制作会社側
クライアントから初稿を受け取る
 ⇓
初稿をもとに制作
 ⇓
制作し終えたものを校正用に出力
※このときの最初の校正刷り(ゲラ刷り)を「初校」と呼ぶ場合もあります。
 ⇓
初校:校正者による1回目の校正
 ⇓
校正で出た赤字を修正 ※疑問は提出時にクライアントに判断をあおぐ
 ⇓
内校(内校正の略:うちこう。ないこうとも呼ぶ)
※クライアントに提出前の校正(編集や進行管理がすることが多い)
 ⇓
クライアントに提出

■ 1-2 クライアント側
制作会社から送れてきた最初の校正刷り(ゲラ刷り)の内容確認を行い赤入れする。
※このクライアント側の校正を「初校」と呼ぶこともあります。
 ⇓
赤入れした校正紙を制作会社に送る


■ 2-1 制作会社側(※ここからは上と同じ流れです)
クライアントが赤入れした校正紙を受け取る
※このクライアントから戻された校正紙を「初校戻し」と呼びます。
 ⇓
初校戻しの赤字を修正
 ⇓
修正し終えたものを校正用に出力。この2回目の校正刷り(ゲラ刷り)を「再校」と呼ぶ場合もあり。
 ⇓
再校:校正者による2回目の校正
 ⇓
校正で出た赤字を修正
 ⇓
内校
 ⇓
クライアントに提出

■ 2-2 クライアント側
制作会社から送れてきた2回目の校正刷り(ゲラ刷り)の内容確認を行い赤入れする。
※ここを「再校」と呼ぶこともあり。
 ⇓
赤入れした校正紙を制作会社に送る


■ 3-1 制作会社側
クライアントが赤入れした校正紙を受け取る
※このクライアントから戻された校正紙を「再校戻し」と呼びます。
 ⇓
再校戻しの赤字を修正
 ⇓
修正し終えたものを校正用に出力。この3回目の校正刷り(ゲラ刷り)を「三校」と呼ぶ場合もあり。
 ⇓
三校:校正者による3回目の校正
   :

この流れの繰り返しです。場合によっては、四校・五校へと進みます。


以降の流れ

校了(こうりょう)」と「責了(せきりょう)」に分岐します。

校了
校正終了の略です。すべての修正を確認し終え、何も問題がなくその状態のまま印刷してもいい状態になることです。


責了
責任校了の略です。訂正箇所が少ないときなど、印刷所の責任で訂正し校正を終了することです。
責了は、スケジュールが押していて時間がないときに行うことがよくあります。最終段階の少ない訂正で校正紙を出力・確認する手間を省くことで、時間やコストが削減できます。


校了」もしくは「責了」により、校正者の作業は終了になります。

おわりに

各所での用語は、置かれている環境によって違った解釈をされることもあります。これに関しては、何が正しいとも言えないので、ご自身の置かれた環境に合わせるしかありません。

前述した流れは基本的なものです。実際には、追加訂正ややり直し、原稿の遅延等があり一つの流れにうまく乗ることはなかなか難しいものです。