校正泣かせ…慣用読みと誤用の定着

校正泣かせ…慣用読みと誤用の定着

漢字の読み書きは非常に難しいものです。一生かかっても、全てを覚えきることは不可能に近いでしょう。また、言葉は時代によって変わるものなので、漢字の読み書きも時代の影響を受けて変化していきます。

以前は間違いだったものが、今は正しいということも起きてしまいます。言葉や漢字だけでなく、新しい発見によって、知識が塗り替えれることはしばしばあります。

慣用読み

時代の流れにより、漢字の本来の正しい読み方とは違う、慣用読みが一般的となったものがあります(※慣用とは「普通、使いなれた」という意味)。
その代表例としてよく取りあげられている漢字が「重複」です。

「重複」
本来の読みは、ちょうふく
慣用読みだと、じゅうふくになります。

「重」は、音読みだと「じゅう」と読む場合がほとんどですから、
当然の流れとして「じゅうふく」と誤用され、それが一般的になってきました。
逆に「ちょうふく」と言っていると、誤用だと指摘されることがあるかもしれません。

 慣用読みの一例
他にも、慣用読みが本来の読みより浸透してしまった有名なものがあります。ほんの一例ですが。
「早急」

本来の読み:さっきゅう   慣用読み:そうきゅう
「出生」
本来の読み:しゅっしょう  慣用読み:しゅっせい
「固執」
本来の読み:こしゅう    慣用読み:こしつ

 慣用読み一覧(漢字辞典より)
 他にも、調べてみると日常よく使う言葉が慣用読みだったと知って驚くかもしれません。

【公式サイト】漢字辞典
※「漢字辞典」のサイトでは、漢字の豆知識や問題など情報量が多岐にわたり豊富ですので、漢字のことで何か知りたいなら、まずはこのサイトがおすすめです。

よくある誤用の定着

漢字にした場合によくある間違いが
「~にもかかわらず」

これを漢字にすると、
「~にも拘らず」正解です。
「~にも関わらず」「~にも係わらず」間違いになります。

テレビのテロップや雑誌なんかでは「~にも関わらず」がよく使われているのを目にします。
むしろ誤用の方がよく目にするので、本来の漢字を知った場合に違和感を覚えるかもしれません。

漢字の読みと同じく、今は間違いだと言えますがこれからは分かりません。
もしかすると、そう遠くない将来には「~にも関わらず」が一般的になっている日がくるかもしれません。

 他にもよくある、文字に起こすと間違いやすいもの
  (誤)       (正)
「こんまり」 → 「こんまり」
言えども」  → 「も」
「問いす」  → 「問いす」
散りばめる」 → 「める」

間違いへの意識

今や、文章はパソコンやスマホで入力する方がほとんどだと思います。入力する際に間違えても、予測変換で正しい漢字を出してくれます。さらに、その意味や使用例も教えてくれたりもします。

Wordなどの文章作成ソフトでは、誤字や表現の間違いに対してはアラート表示されます。正しい漢字の読み書きを覚えていなくても、ソフト側から指摘してくれますので、間違いに対する意識も次第に薄くなってきているのかもしれません。

また、少々漢字が分からなくても実生活で困ることもありません。ビジネスでのお堅い文章も定型文が用意されている場合が多く、それを流用することが多いでしょう。

時間とのバランス

時間が重要視される中で、社内資料や社内メールなどの文字を一日に何千字も目を通していれば、当然いくつか間違いに気づきます。ですが、間違いに気づいてもわざわざ指摘するほうが時間が取られます。

便利になった反面、時間とのバランスの中で間違いもまた許容とされてきているのかもしれません。



 
慣用読みについてもっと詳しく知りたいなら。
【公式サイト】「慣用読み」ってなんだろう?