
頭に関する校正記号の使い方
校正には、文頭や行頭をはじめ、頭下げ、頭揃えなど「頭」の付く用語がいくつかあります。ここでは、それらについて掘り下げてみたいと思います。
1.文頭・文末
▼ 文頭と文末
“ 文頭 ” は、文のはじめの部分のことを言い、
文頭に対して、文の終わりのことを “ 文末 ” と言います。
【出典:三省堂大辞林 第三版】
【補足】
・「文頭」と「文末」のことを「頭」と「(お)尻」と呼ぶことがあります。
「頭 」…物の上の部分・てっぺん・物事の初め・最初
「尻」 …後ろの方・終わりの方
【出典:三省堂大辞林 第三版】
「頭」や「(お)尻」は口頭ではよく使われます。ですが、文字で書く場合には「文頭」「文末」を使用するのが適切かと思われます。
2.行頭・行末
▼ 行頭と行末
“ 行頭 ” は、文章などの行のはじめのことを言い、
行頭に対して、文章の行の終わりのことを “ 行末 ” と言います。
【出典:三省堂大辞林 第三版】
行頭と行末は、禁則処理でもよく聞かれる言葉です。
Wordでも、行頭禁則・行末禁則文字設定があることから詳しい方も多いと思います。
■ Wordの禁則設定画面
頭を使った校正指示
1.文頭・文末の揃えの指示
▼ 頭下げ(=字下げ)
・行頭を一字下げするときに使われる校正記号と同じです。
▼ 頭揃え(=天ツキ)
・行頭の一字下げを取る(天ツキ)ときに使われる校正記号と同じです。
2.行頭・行末の揃えの指示
▼ 行頭の揃え
校正記号表では、(横組の場合)文の左側を揃えたいなら「左ソロエ」の指示を使用するのが妥当です。「頭揃え」「天ツキ」などの指示もよく見られます。
現場で「頭」の意味が浸透しているのなら「頭揃え」の指示でも問題ないですが、赤字を入れるときは「揃え」はカタカナの「ソロエ」にしておくと校正指示として認識されやすいです。
・赤字例1:文全体に指示する
・赤字例2:部分的に指示する
▼ 行末の揃え
校正記号表では、(横組の場合)文の右側を揃えたいなら「右ソロエ」の指示が妥当です。「末揃え」「尻揃え」などの指示もよく見られます。
・赤字例
「揃え」と「寄せ」
前述した「揃え」の指示と「寄せ」の指示は同じような校正記号が使われるているので、混同するかもしれません。
寄せの指示は、「右寄せ」「左寄せ」などとして使われます。寄せの指示は、文字通りどこかの位置へ寄せる指示なので、『どこまで寄せるのか?』『どれぐらい寄せるかの?』の指示が必要になってきます。
一方、「揃える」の指示は、何かと揃える指示なので、常に揃える対象がないといけません。
・寄せの指示(右寄せの例)
おわりに
「頭下げ」「頭揃え」の指示を既に使用しているなら何の問題もありませんが、これから校正記号を学ぶのであれば、より簡潔でわかりやすい校正記号があるので、それらを使用した方がよいでしょう。
※校正記号の例文は『Wikipedia:ドラえもん』の一文を使用させていただきました。
・校正記号のまとめ ≫ 使いたい赤字を五十音検索
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