着実に校正・校閲のミスを減らす、同音異義語の使い分けと分類の仕方

着実に校正・校閲のミスを減らす、同音異義語の使い分けと分類の仕方

同音異義語は、発音が同じでも意味の異なる語のことをいいます。

例えば、
「人口」と「人工」のように読みはともに『じんこう』でも意味が違うものです。

同音異義語は、意味が似たようなもの・見慣れているものも多いため、何の違和感もなく読み流してしまいがちです。特に、読み合わせ校正のときには、間違いが起こりやすいとされています。

同音異義語は、使い間違いによるミスも多いですが、それと同じくらい変換ミスも多く見られます。

同音異義語のミスを減らすために

  • 文章を作る側(原稿作成者)
  • 文章を修正する側(文字修正者)
  • 文章を読む側(校正者)

この三者が、よく出てくる同音異義語を共有しておけば、同音異義語の間違いは着実に減らすことができます。

単なる同音異義語の間違いと思えますが、たった一つの間違いでも、校正が赤字を入れて、オペレーターが修正し、もう一度校正が確認するという作業が発生します。

制作工程で文章にかかわる人が、少しでも同音異義語を覚えておけば、その作業を省くことができます。同音異義語は、ある程度間違いが想定できるので、覚えておけばその分だけ間違いを着実に減らすことができます。

その対策としては、一番文字の間違いに精通している校正者が

  • 間違えやすい同音異義語をピックアップする
  • わかりやすく分類する
  • 周りと共有する

これらを率先してやっていく必要があります。

絶対にやってはいけないことは、
同音異義語に関する本などを買ってきて、使う可能性の低い同音異義語を覚えることです。

ビジネスとして校正をするなら、より実践的で発生率の高い同音異義語から覚えていくものが一番効果的です。

よく間違う同音異義語と分類の仕方

同音異義語を覚えていく優先度は、前述した通り、まずは自分の周りで起こった間違いからですが、他には次のような基準で覚えていくと効率がいいです。

どちらの語も意味が似ているもの

例えば、「参加」と「 産科」は、同音ですが意味が全く違います。
思考」と「 歯垢」も同様です。
こういうものは覚える優先度は低めで大丈夫です。もしくは、覚える必要もないと思います。

逆に、「開放」と「解放」、「消化」と「消火」は、同音で漢字も一部同じで意味合いも似ています。こういうものは、間違う可能性が高いので覚える優先度が高くなります。

使われる場面が似てくるもので分類

同音異義語を単にピックアップするだけでなく、意味や使う場面で分類すると覚えやすくなります。

1.時間/期間を表す同音異義語

週刊  ⇔  週間
年刊  ⇔  年間
夏期  ⇔  夏季
期間  ⇔  機関
時期  ⇔  時機
以前  ⇔  依然

※実際に間違って使われていた文例も添えると、さらに覚えやすくなります。

2.印刷・出版業界で使われる同音異義語

制作  ⇔  製作
企画  ⇔  規格
修正  ⇔  修整
改訂  ⇔  改定
指示  ⇔  支持
終了  ⇔  修了

3.人事/管理部門で使われる同音異義語

決済  ⇔  決裁
原価  ⇔  減価
定年  ⇔  停年
移動  ⇔  異動
無給  ⇔  無休
体制  ⇔  態勢

4.建築/機械/不動産関係で使われる同音異義語

排水  ⇔  配水
基盤  ⇔  基板
占有  ⇔  専有
償却  ⇔  消却
施工  ⇔  施行
保障 ⇔ 補償 ⇔ 保証

5.感情/意思/性質に関連する同音異義語

直感  ⇔  直観
感心  ⇔  関心
適正  ⇔  適性
適格  ⇔  的確
意外  ⇔  以外
意義  ⇔  異義
本意  ⇔  本位
非難  ⇔  避難

6.募集要項/会場案内などで使われる同音異義語

特徴  ⇔  特長
要項  ⇔  要綱
進路  ⇔  針路
紹介  ⇔  照会
若干  ⇔  弱冠
会場  ⇔  開場
所要  ⇔  所用

他の分類の仕方としては、校正する媒体ごとで分類するのもわかりやすいと思います。

分類できそうにないものは「その他」にします。無理にわける必要はありません。まとめる作業が大変になるだけです。

ただ、やみくもに「その他」に分類するのではなく、その語が出てくる「頻度(優先順位)」を付けると効果的です。これも、文例があると記憶に定着しやすいです。

7.その他

No.同音異義語頻度
1解答  ⇔  回答
2対象  ⇔  対照
3前文  ⇔  全文
4明解  ⇔  明快
5主旨  ⇔  趣旨
6確率  ⇔  確立
7並行  ⇔  平行
8異状  ⇔  異常
9委託  ⇔  依託
10受賞  ⇔  授賞
11自任  ⇔  自認
12転嫁  ⇔  転化
13機密  ⇔  気密
14脅威  ⇔  驚異
15連携  ⇔  連係
16衛生  ⇔  衛星
17保険  ⇔  保健

文字変換時にミスを減らす

Microsoft IME[日本語入力ソフト]を使えば、文字の変換時に任意のコメントを表示させることができます。これにより、文章入力時の同音異義語の変換ミスを減らすことができます。
(※IME=Input Method Editor)

「ついきゅう」と入力し、文字変換時にコメントを表示させています(赤枠)。

「追求」の下に次のコメントを表示させています。
【★使い方あってる? 「追求」「追及」「追究」】

校正の同音異義語

これは、Windowsの標準機能なので無料でできます。市販の校正支援ソフトだと、変換の第一候補に任意の文字を強制的に持ってくることもできます。

このようにして、文字入力時に間違いを減らすこともできます。

■ 設定の仕方

1.PC画面右下の赤枠内を右クリックしてIMEオプションを開きます。

 校正の同音異義語

2.「設定」をクリックします。

 校正の同音異義語

3.「学習と辞書」をクリックします。

 校正の同音異義語

4.「ユーザー辞書ツールを開く」をクリックします。

 校正の同音異義語

5.設定画面が表示されます。

 校正の同音異義語

6.【編集】→【新規登録】と進みます。

 校正の同音異義語

7.単語の登録画面が表示されます。
[単語][よみ][ユーザーコメント][品詞]の項目を入力し登録して終了です。

 校正の同音異義語

着実にミスを減らすことができる

同音異義語の使い分けは、
まず、自分の周りで起こった同音異義語の間違いをまとめていきます。次に、間違いが起こりそうな同音異義語をまとめます。これは、自分の周りでよく使用される語句の同音異義語になります


正直、地味で面倒な作業かもしれませんが必ず報われます。

ミスを減らすことは、品質にかかわるだけでなく、ミスを修正する時間・校正する時間もなくすことができ、それにかかるコストも削減することができます。

目に見えない効果で実感が湧きづらいものですが、こういう効果が校正者の価値へとつながります。


Q 一番多い同音異義語は?

校正の同音異義語
> 答え ※日本漢字能力検定のHPに飛びます