目 次
X(Twitter)でフォローしたい出版社や校正プロダクション[校正の知識や間違いの情報収集用]
校正者にとって間違いを見つける嗅覚は、最も重要なスキルです。それを磨くには経験を積むことも大事ですが、色々な間違いに触れて、どんな間違いがあるかを知っておくことが大切です。
多くの間違いを知ることでよく起こる間違いがわかってきます。また「こんな間違いが起こるかもしれない」と間違いを推測する力も備わってきます。
自分にはなかった視点が新たに生まれてくるのでスキルアップには効果的です。Xの利点は、旬な情報が得られることと、情報がコンパクトにまとめられているところです。情報収集には最適です。
ここでは、校正で見られる間違いや用字用語の使い分けなどの情報収集ができる、Xの企業アカウントを紹介したいと思います。たまに校正の求人に関する情報も発信されているのでお仕事をお探しの方は定期的に覗いてみることをおススメします。
1. 毎日新聞 校閲センター
あれこれ見て回るのが面倒という人は、ここ一つで大丈夫だと思います。ツイート頻度も高めで、内容も実際に起こった間違いや間違いやすいものばかりです。普段よく使う用語も紹介されているので、為になる情報が多くあります。是非一度覗いてみることをおススメします。
※公式サイト(mainichi-kotoba.jp)でも、同様の情報が配信されています。
2. 日経新聞 記事審査部(校閲担当)
日経新聞というだけあって、新聞やニュースで見られる用字用語の説明が多いです。ツイート頻度は高めです。日本語に関する幅広い知識が紹介されています。
3. 朝日新聞 校閲センター
《用字用語の使い分け》《ことばクイズ》などジャンル分けされているので、情報整理がしやすいです。校正・校閲に関する情報も豊富にツイートされているので、定期的に覗いてみる価値はあります。
4. 東京新聞 校閲部
実際に紙面に掲載されてしまった間違いを「校閲クイズ」として配信されています。実際の紙面を見て、自分で考えて間違いを見つけることができるので、スキルアップには持ってこいだと思います。頻度も週一程度とちょうどよく、定期的な勉強には最適です。
5. 日刊ゲンダイ 校閲部
ツイート頻度は高めです。実際に起こった間違い、用語の使い分けなどを配信されています。ツイートのジャンルは幅広いので、多くの媒体に活かせる知識があります。
6. 北海道新聞 校閲部
誤変換、用語の使い分けなどが配信されています。使い分けについては、わかりやすく丁寧に解説されているので勉強になります。ツイート頻度は高めです。北海道系の情報が豊富です。
7. 大辞泉編集部
大辞泉の編集部の方々が作成した「ことばの総選挙」がご覧いただけます。一問一答形式で全800問のクイズが紹介されています。ツイート頻度は高めです。
8. オフィスバンズ
編集・校正のオフィスバンズの発信する情報です。
東京・三鷹事務所:〒181-0013 東京都三鷹市下連雀3-34-8-510
9. ヴェリタ
校正、編集、出版系派遣業務のヴェリタの発信する情報です。
新宿オフィス:〒169-0073 東京都新宿区百人町2-1-12 エルズ百人町ビル3F
情報収集で大切なこと
1. 情報収集の「基準」
色々な間違いを見ていると、どれも大事そうに思えます。ですが、すべての情報が自分にとって有益というわけではありません。収集する優先順位をつけておかないと、情報に埋もれてしまうことになります。
情報の取捨選択の基準は、まずは自分が携わる校正媒体に合ったものです。そこに絞ってピックアップしていくことです。あれもこれも手を出すと収拾が付かなくなります。
日本語の用字用語などは一生掛かっても覚えきれるものではないので効率よく学習していくことです。
※企業の校閲部がツイートしているので情報の信頼度は高いですが、必ずしもすべてが正しいとは言い切れません。言葉には複数の解釈があるので、一つの意見だけを鵜呑みにしないように注意しましょう。
2. 情報収集の「やり方」
Xの情報をリアルタイムで追いかけるのは、非常に効率が悪いです。情報収集用のアカウントを作っておくか、リストを作成しておくと便利です。
また、前述したアカウント以外からも為になる情報は得られます。使えると思った情報は、「スクショ」を撮っておくか「いいね」を付けておくと後から容易に振り返ることができます。
3. 情報収集の「管理」
情報の蓄積は、紙に残すよりもデータで残しておくことです。紙よりも管理がしやすいということもありますが、後々情報を二次利用できるからです。データにしておくと、デジタル校正ソフトなどをカスタマイズするときに、用語を一括で登録することができます。
現在、デジタル校正ソフトを使っていなくても、いつか使う機会がくるかもしれません。そのために、為になる情報はデータで管理しておくことです。
また複数人で情報管理するなら、Googleスプレッドシートを使うと便利です。共有も簡単で、皆がそれぞれリアルタイムで編集できます。PCでもスマホからでも編集できるので、場所もデバイスも選びません。共有を目的とするなら便利なツールです。
▼ Google スプレッドシートでの共有の仕方
スプレッドシートは、Googleのアカウントを持っていれば無料で使えます。エクセルの簡易版みたいなものです。エクセルほど豊富に機能はありませんが、情報共有に使うツールとしては十分です。
1. スプレッドシートを開いた画面です。右上に「共有」ボタンがあります。
2.「共有」ボタンをクリックします。
3. 共有設定の画面が表示されます。
4.「ユーザーやグループを追加」の枠に、共有したい相手のアドレスを入れます。
このステップだけで、皆で共有できます。
おわりに
用字用語を蓄積していくことは面倒で地道な作業ですが、確実にスキルアップに繋がっていきます。自分のためだけでなく、周りの校正者や新人校正者の育成にも役立ちます。
そのため情報の整理と管理は、誰が見てもわかるようにしておくことが大切です。文章よりも箇条書きで、スプレッドシートなら1セル1情報にしておくと二次利用がしやすくなります。