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未経験者が校正の求人に応募する前に確認しておきたい3つのポイント
校正に興味がある、これから始めたいと考えている方にとって、校正という仕事は見えない部分が多く不安に感じることもあると思います。
この記事では、校正の仕事に就く前に確認しておきたいこと、注意すべきポイントについて解説しています。
これから校正者への第一歩を踏み出そうとしている方にとって、この記事が少しでも不安を解消する手助けとなれば幸いです。ぜひ参考にしてみてください。
ポイント1. 校正の仕事探しで確認すべきこと
校正の仕事を探す際には、いくつか確認しておくべきポイントがあります。
たとえば、校正の求人の中には「未経験者可」と記載されているものを見かけることがあります。しかし、このような記載がある場合、その職場に専業の校正者が在籍していて、きちんと教えてくれる環境であるかを調べておきましょう。
未経験者の場合、多少の校正の知識があったとしても実務に入ればわからないことがたくさん出てきます。適切な赤字の入れ方、作業手順などは職場によって異なります。そのため、教えてくれる人や相談できる先輩がいることは心強く、自身の校正スキルの向上にも大きく影響してきます。
ただ、近年では社内に専業の校正者がいないことも珍しくありません。求人に「未経験者可」と記載されているからといって、必ずしも校正を教えてくれる環境が整っているとは限らないことを念頭に置いておく必要があります。
応募を検討している会社の職場環境については、ホームページを参照したり面接時に質問をしたり、可能であれば校正の現場を見学させてもらうなどして自分に適した環境かどうかを確認しておきましょう。
具体的に面接時には以下の質問をしておくとよいです。
① 過去に未経験で採用された校正者がいたか?
② 社内に校正者が何名いるか?
③ 社内の校正者の経験年数はどれぐらいか?
②について
校正する内容にもよりますが、その職場に1名~2名しか校正者がいない場合、通常業務と並行して校正を一から教えてもらえるのは難しいと考えておきましょう。校正を基礎から学びたいという方には不向きな環境かもしれません。
③について
社内の校正者の経験年数が1年未満の場合、繁忙期のみ校正の人員を採用しているか、もしくは毎年人が入れ替わっていることも考えられます。後者であれば研修体制が整っていないことが考えられるので慎重に考えましょう。
校正の仕事は個人のスキルや経験に依存されることが多く、属人化される傾向があるため、未経験者が挑戦するには職場のサポート体制が整っていることが鍵となります。そのため求人広告の表現だけで判断せず、職場環境について事前にしっかりと調べておくことが大切です。
ポイント2. 校正の仕事にも欠かせないコミュニケーション
コミュニケーションをとるのが苦手、煩わしい人間関係がイヤという理由で、一人で黙々と作業できる校正の仕事を選ぼうと思う方もいるかもしれません。
しかし、校正の仕事は誰ともかかわらずに一人だけで作業が完結するものではありません。関係者とのコミュニケーションが必要になる場面は少なくありません。在宅で校正を請け負う場合でも、校正の依頼者と進捗状況のやり取りは欠かせません。
ここでのコミュニケーションとは、話し上手であることを意味するわけではありません。的確で簡潔なやりとりを心がける姿勢や、相手の意図を汲み取る力のことです。相互理解を目的としたコミュニケーションです。
たとえば、企業での校正になるとチームで作業を進めることも多く、編集者やライター、デザイナーなど他の職種と連携する機会が頻繁にあります。ページ数の多い校正物であれば、各校正者で分業することもあり校正者間での報連相は必須です。疑問点を確認したり、情報を共有したりすることも頻繁にあります。
在宅での校正業務であっても同様です。校正の依頼者と進捗状況を定期的に確認したり、作業内容についてすり合わせしたりする必要があります。場合によっては、メールやチャットツールだけでなく、電話などで詳細な説明をすることもあります。単なる報告だけでなく、相手の要望を正確に把握し、それに応えることが求められます。
校正は、一見すると一人で行う静かな業務のように思えるかもしれませんが、たくさんの関係者との協力が必要になってきます。文章の読解力や誤字脱字をチェックする力はもちろんのこと、それに加えて他者と円滑にやりとりするコミュニケーションも大切になってきます。
「常に」とは言えませんが、校正には「意外と」コミュニケーション能力が必要とされる場面も多いことを頭に入れておきましょう。
ポイント3. 校正の作業環境について
校正の仕事と聞くと、「静かな環境で黙々と文章をチェックする作業」をイメージするかもしれません。集中力を要する作業には静かな環境が適切と感じるのは自然なことです。
しかし、実際には理想的な環境ばかりでなく、企業によって作業環境はさまざまです。
たとえば、オフィス内で校正業務を行う場合、周囲で電話の音が鳴ったり、業務の打ち合わせをする声が聞こえることがあります。また、急ぎの仕事やクレームなどが発生すると、オフィス内が必然と騒がしくなります。
時にはクライアント先で校正を行うことがあるかもしれません。そのような状況では、周囲の視線も気になります。
在宅で校正を行う場合であっても必ずしも静かな環境が保証されるわけではありません。家庭内の生活音や近隣からの騒音など、意図せず気を散らされる要因が出てくることもあります。
このように校正の仕事はいつも静かな環境で行えるとは限らないため、周囲の雑音に気を取られずに集中できる耐性も必要になってきます。職場環境は自分自身の力で早急に解決できる問題ではないので、常に静かな環境で校正をできるわけではないことを覚悟しておきましょう。
おわりに
校正という仕事は、個人のスキルや経験に大きく依存する性質があり、属人化しやすい傾向にあります。そのような仕事は作業内容が不透明になりやすく、第三者から見ればわからないことが多く出てきます。
校正者になるための入口、職場環境はさまざまですが、この記事で紹介した3つのポイントはどこにでも当てはまることです。ぜひ仕事探しの際の参考にしてみてください。