校正の筆記テスト

校正校閲の筆記試験

校正校閲の正社員・契約社員・アルバイトなどを採用する際、スキル判断の一つとして筆記試験はよく用いられています。

経験者採用でしたら、どこの会社でも何らかの試験やテストはあると思います。これに加えて、適性試験があったりもします。

でも、この校正の筆記試験の成績が、校正の能力に必ずしも比例するわけでもありません。場合によっては、筆記試験の点数だけを基準にしたがために、入社後にミスマッチが生じるというケースもあります。

これは、校正校閲だけでなくどの職種でもそうだと思いますが、ミスマッチの可能性を少しでも下げるのが、採用担当者の重要な役割です。

そもそも、筆記試験の内容が、校正者の能力を試せるものになっているかが問題です。試験時間は、大抵30分ぐらいですので、問題数も限られてきます。

何を出題するかで採用担当者のセンスが大きく問われてきます。

筆記試験を作成するにあたって

自社媒体が何を扱っているか、何系かでまず分類していきます。

自社媒体が、何か一つの業界やジャンルものを扱っている(例:アパレル業界、不動産業界、旅行系など)。これを『特化型』とします。
逆に、複数の業界やジャンルを扱い、どれかに特定できない場合を『複数型』とします。

これで2つに分類します。
・自社媒体…特化型
・自社媒体…複数型

さらに、自社で扱う媒体が『校正系』か『校閲系』かで分類していきます。
・自社媒体…校正系
・自社媒体…校閲系

これで4つの組み合わせができますので、それぞれに応じた筆記試験が必要になってきます。
(1)自社媒体:特化型―校正系
(2)自社媒体:特化型―校閲系
(3)自社媒体:複数型―校正系
(4)自社媒体:複数型―校閲系

(2)自社媒体 特化型 ― 校閲系
(4)自社媒体 複数型 ― 校閲系

(2)と(4)の筆記試験は、SPI問題(言語分野と構造的把握力)で十分です。試験作成に余程の自信があるという以外は、下手に試験問題を作るのはやめましょう。

(2)「特化型―校閲系」の会社は、自社で使用される用語もおおよそカテゴライズ化されるので、自社に寄った問題を出題しがちです。ですが、これは大きな間違いです。

自社でよく使用される用語は、入社後の研修で教えればいいだけです。自社の校正物に寄った内容を出題し、その採点で判断してしまうと偏った知識を持った校閲者が採用される可能性があります。たまたま、その知識を持っていた人が採用されるということです。

校閲の適性を測るのであれば、一般的な知識と思考法を問うのが一番です。
社内独自の用語や知識は、入ってから教えても十分間に合います。

(4)「複数型―校閲系」は、複数あって絞れないためSPIが最適です。これも(2)と同様、一般的な知識と思考法を問う方が重要です。


どうしても社内で問題を作りたい場合
「追求⇔追及⇔追究」、「移動⇔異動」、「消化⇔消火」など、校閲者として知っておくべき基本的な言葉の使い分けである同音異義語などを、長文内にちりばめて、そこに誤字脱字なども混ぜ合わせて作成すればよいでしょう。

問題文は、長文2つほどでいいと思います。重箱の隅をつつくような出題をしても良い結果は生まれません。採用側も採用される側にもです。

関連記事  ≫ 着実に校正ミスを無くしていく、同音異義語の使い分け

(1)自社媒体:特化型 ― 校正系

これは、職務経歴が自社媒体に合致しているかが、一番重要です。そのため、職歴とこれまでやってきた校正内容を十分にヒアリングする面接を重視しましょう。
また、筆記試験よりも、実際の原稿と校正ゲラを用意して、実技試験をしたほうが効果的です。

※校正の実技試験は、社内で実際に使用している原稿と校正ゲラを参考にして作成すればいいだけですので、誰でも簡単に作ることができます。

(3)自社媒体:複数型 ― 校正系

この場合の試験が一番、採用担当者を悩ませるかもしれません。

「複数型―校正系」の会社は、対応力とスピードが常に要求されてきます。この能力を面接や試験で測るのは至難の業です。

(1)と同様、これも面接重視になってきますが、実技試験もそれ以上に重要になってきます。面接では、自社の職務内容と、応募者の前歴がどこまで合致するかを詰めていかなければいけません。

筆記試験はやめて、実技試験で色々な切り口の問題を準備したほうが、ミスマッチのリスクを抑え、良い結果に繋がる可能性が高いです。

実技試験は、違うジャンルの校正の実技試験を複数用意しましょう。
問題数を多めに設定するか、試験時間を短めに設定するかして、対応力とスピードを見極めます。


実技試験の例

間違いが12個ある実技試験の作成と採用基準の例

(1)6個は、絶対に見落として欲しくない間違い。
(2)3個は、経験者なら見つけて当然という間違い。
(3)3個は、その間違いを見つけたら優秀という間違い。
というように、レベル分けして間違いを作成します。

ここでの採用基準は、合計点ではありません。
(1)と(2)の全問正解が最低の合格ラインです。(3)を全問正解しても(1)と(2)を見落としていたら不採用です。校正という職種柄、致命的なミスは何が何でも拾わなければいけません。

おわりに

採用する側は、何を採用基準にすればいいか迷うかもしれませんが、試験で問うのは、校正校閲としての適性があるかどうかです。問題内容が、それを問えるものになっているか慎重に見極めましょう。


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