校正・校閲の未経験者

校正・校閲者になるには[未経験者へ仕事内容から資格、求人まで解説

1:校正の仕事

校正とは、原稿や赤字の指示通りに正しく直っているかを、校正ゲラで確認する作業のことです。

校正ゲラは、原稿をもとにDTPオペレータが誌面に仕上げた出力紙です。その校正ゲラに、赤字や疑問出しを入れていきます。


赤入れ

⇒ 赤字は明らかな間違いに対して赤ペンで記入したものです。


疑問出し(鉛筆出し)

⇒明らかな間違いとはいえず違和感を感じたりおかしなものへの指摘です。疑問出しは、校正側では判断できないので赤ペンと違い鉛筆で記入します。



具体例

原稿があり、それをもとにオペレータが作成した校正ゲラがあるとします。 

校正の未経験者
 
校正は、原稿とゲラを見比べて相違がないかを確認していきます。原稿とゲラとで文末の「お」と「あ」が違っています。そこで次のようにゲラに「お」と赤字を入れます。



”「あいうお」が「あいうお」じゃないの? ”

という指摘は、厳密にいえば校閲の仕事になってきます。
校正は、あくまでも原稿との相違を指摘する作業になります。

2:校閲の仕事

校閲とは、文章の内容が正しいかを見極めることです。

そのため、校正とは違い、基本原稿を見ることはありません。校正ゲラだけで作業が完結できます。



具体例

次のような文があったとします。

『2020年7月24日(金)に、東京でオリンピックが開催されます』


ここで校閲が見るポイントしては、

■ 開催の年月日が正しいか?
■ 7月24日は、本当に金曜日か?
■ マラソンは北海道で行われるため、「東京で」と限定していてもいいのか?
■「オリンピック」のフォントが、明朝体になっているけど意図的なのか?


などなど、色々な角度から文章の内容や体裁が正しいかを確認していきます。
もちろん、文章を読んで誤字脱字・言い回しなどが適切かのチェックもしていきます。

校閲は、誤字脱字・表記統一・適切な文章表現・事実確認(ファクトチェック)などに加えて、会社によっては表記ルールなどもあります。

作業項目を掘り下げていけば幾つもあり、非常に時間を要する作業になってきます。

校正は、原稿とゲラのセットがないと作業ができませんが、校閲は、ゲラさえあればどこでもできます。そのため、在宅でやられている方も多くいます。

3:校正と校閲の違い

校正と校閲は、前述したように定義上は違う作業になりますが、実際の現場レベルでは、明確に作業内容が区別されているかといえばそうとも限りません。

校正と校閲作業の線引きは、扱う媒体や会社によって異なってきます。

ですが、校正と校閲の作業者は一括りに「校正者」と呼ばれることが多いです。


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4:校正・校閲には、どんな人が向いている?

校正は、誰でも経験を積めば一定の技術水準に達します。そこから真面目に取り込めば、いずれはベテランといわれるレベルに達するのも可能です。

しかし、校閲は、その人が今まで培ったすべての要素、知識・読解力、バックボーンなどが試されます。そのため、初心者でも既に校閲に関しては一定のレベルに達しているという方もいます。


また、校閲作業は覚えることが多く、一人前になるには非常に時間を要します。そのため、人によって向き不向きが如実に現れてきます。

校正校閲両方に言えることですが、伸びる人の共通点として2点あげられます。

----------------------------
・よく質問する
・常にメモを取る
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よく質問するのは、それだけ気づく点が多いということの証拠であり、メモを取ることで知識の固定・作業の振り返り・ノウハウの蓄積ができます。

校正を実際にやり始めたら、疑問に思うことは些細なことでも何でも聞いて自分のノウハウとして吸収していくことが大切です。

5:校正記号の使い方

校正するにあたって、まず覚えるべきものに校正記号があります。

校正記号は、見つけた間違いを修正する相手(オペレータなど)に、簡潔・明瞭に伝える手段として生まれたものです。

最初のうちは、校正記号表を見て赤字の入れ方を覚えていくしかありませんが、あくまでも修正指示を相手に伝える手段にすぎません。


校正記号の赤字一覧
校正記号を五十音検索[赤字の入れ方・使い方で迷ったときに]


校正記号をすべて覚えておいて損はないですが、使用頻度の少ないものもあります。

会社や扱う媒体(書籍・カタログ・雑誌・広告など)によって、校正のルールも変わってくるので現場に応じた使用を考えていかなければいけません。

校正記号でなく文字で指示する場合もあります。現場に応じたハウスルールがあるので、それを優先させる必要があります。

6:校正・校閲には、どんな仕事があるのか?

校正・校閲の仕事は、書籍のイメージが強いかもしれません。ですが、その仕事は多岐に及んでいます。様々な場面で校正者は活躍しています。

カタログ、パンフレット、DM、新聞の折込チラシ、テレビのテロップ、ペットボトルのラベル、お菓子箱のパッケージ、表彰状の氏名、ポスター、名刺の校正など、文字情報があるところに校正の仕事が発生すると言ってもいいぐらいです。今では紙媒体だけでなく、Webや動画の校正も普通になっています。


出版・印刷業界の紙媒体は、Webに押されて右肩下がりにあると言われていますが、文字情報のあるところには、必ず何らかの形で校正作業が発生します。

現在では、紙媒体の校正が減った以上に、Webの校正需要が増えているといった状況です。

7:校正・校閲の生の声を聴くには?

校正現場の生の声を聴きたいという方は、セミナーや研修に参加されることをおすすめします。多くは開催されていませんが、2ケ月に一度ぐらいの頻度で東京や大阪なら開催されています。今では、オンラインでのセミナーもあります。

講師の方から現場の話しも聴けますし、セミナー参加者の中には校正者もいるため、その方々の話を聴くこともできます。また、実際の現場に近い練習問題なども経験できます。

セミナーには、校正未経験者でも歓迎のところがほとんどですので、校正を始める前に参加されると、より校正に対して具体的なイメージが湧くかと思います。


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8:校正・校閲の資格取得/通信講座

校正者になるには独学でも十分可能ですが、まずは学校に通うという方も多いと思います。

校正・校閲の求人は、募集条件として有資格者のみとしている会社もあります。そのため、資格を持っていると校正者になるための門戸は広くなるので有利です。

必ずしも資格が実際の現場に役立つとは限りませんが、校正に必要な知識を体系だって学べます。まずは基礎からという方には最適だと思います。



校正の学校・編集の学校 日本エディタースクール


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文部科学省認定社会通信教育「校正実務講座」


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9:校正校閲の求人

校正校閲の求人数は、

フリーランス 派遣・アルバイト 在宅 契約社員 正社員 の順になってきます。


未経験者には、いきなりフリーランスや在宅ワークは難しいですが、ある程度の経験があればフリーランスや契約社員、在宅ワークへの道は、比較的多く開かれているほうだと思います。


未経験者可能のアルバイトやパートを探して経験を積むのも一つの手です。また、派遣会社へ登録するのも何かと便利です。マイナビスタッフでは未経験者でも登録可能です。

派遣会社なら、校正を必要とする企業との取引実績もあります。自分にあった会社を紹介してくる可能性が高いです。派遣会社の担当が間に入ってくれますので、色々と相談にも載ってくれます。他にも、校正の登録スタッフの年齢層や男女比、就業状況等、色々な派遣会社独自の情報も教えてくれますので、未経験者にとっては有難いです。

可能であれば、長期勤めをオススメします。数週間、根詰めて校正していると目が慣れてきて視野も広がり色々なことに気づけるようになってくるからです。


少し経験を積んで、慣れた頃にアルバイトへ移行するのもいい道だと思います。アルバイトだと、その就業先と直雇用の形になるのでパイプもできやすく、在宅でのお仕事の道も広がる可能性があります。

自分に適しているのであればどのような道でもいいと思いますが、自分のキャリア形成をはっきりと描いておけば、それに応じたスキルアップを叶えるのは早いです。

アルバイト・パート


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おわりに

校正・校閲は「習うより慣れろ」の世界ではありません。しっかり基礎を身に付けて、それに経験が加わることで一人前の校正者になっていきます。

校正の学校に行くのでも、いきなり現場に入るのでも、ちゃんと基礎から教えてくれる人がいるかどうかで、今後のキャリア形成に大きくかかわってきます。

そのため、最初の道は慎重に選びましょう。