目 次
三点リーダー(…)・二点リーダー(‥)の意味と使い方
1. 三点リーダー・二点リーダーについて
三点リーダー、二点リーダーともに約物の一つになります。JIS X 0208では、「三点リーダ」「二点リーダ」と表記され、語の後ろに音引きはつきません。
(※約物とは、文字・数字以外の記号・符号の総称。句読点や括弧なども約物になります)
両者ともリーダーの一つの種類になり、リーダーには「点々」や「点線」などの呼称があることから、三点リーダーや二点リーダーもそう呼ばれることがあります。
一般的な書籍やカタログ、雑誌などで、二点リーダーを見る機会は少ないですが、三点リーダーは多くの媒体で使用され、文章内での使用頻度も高いものです。
▼ 三点リーダーの意味や文章内での使用方法について 詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
2. 三点リーダー・二点リーダーの使用方法
三点リーダーは、基本2倍「……」(2つセット)で使用するとされますが、あくまでも2つでの使用が望ましいというだけで、全角「…」や3倍「………」での使用が間違いというわけではありません。
使用ルールは、企業や媒体、個人によって違ってきます。どの使用でも問題ありませんが、特に決まりがないようであれば、2倍「……」の使用が推奨です。
また和文の場合、三点リーダーや二点リーダーの代わりに、中黒の半角や全角が使用されることがあります。
… | 三点リーダー |
・・・ | 半角中黒が3つ |
・・・ | 全角中黒が3つ |
‥ | 二点リーダー |
・・ | 半角中黒が2つ |
・・ | 全角中黒が2つ |
これらは誤用というよりも、くだけた文章などで見た目を考慮して意図的に使用しているケースが多くみられます。
3. 三点リーダー・二点リーダーの文章中での使用例
リーダーの使い方は特にルール化されていませんが、文章中では主に次のような場面で使用されます。※文章内でよく使用される三点リーダーの使用例になります。
1. 会話の間/無言の状態を表す
2. 余韻を残す
3. 文章の省略
4. 関連する語や項目をつなぐ など
▼ リーダーの文章内での使用例
1. 会話の間/無言の状態を表す
「なあ、お春どん……」
お春は下を向いたまま、小さく頷いた。
「あんた、お嬢ちゃんにいつ云うたん」
「はい。……今朝でございます」
「何と思うて云うたん」
「……」
2. 文末につけて余韻を残す
四月の中旬に雪子は東京へ立って行った……。
3. 引用など文を省略する
第2章のP.123の3行目で「リーダーには……がある」と述べている
4. 関連する語や項目をつなげる(※単に点線の記号として使用)
<例1>
4月 …… April
5月 …… May
6月 …… June
7月 …… July
<例2>
リーダー …… P.107
三点リーダー …… P. 99
二点リーダー …… P.152
三点リーダー・二点リーダーの校正記号
※文章中の校正記号は『JIS Z 8208:2007(印刷校正記号)』を参考にしています。
▼ リーダーの校正記号
「三点リーダー」と「二点リーダー」の校正記号は2種類あります。どちらを使用しても問題ありません。
■ 三点リーダー
■ 二点リーダー
・二点リーダーは、文字で「2点」と補足する必要があります。
補足の文字は、丸囲みでもパーレンでもどちらでも大丈夫ですが、見やすさを考えればパーレンのほうがいいと思います。
■ 2倍の三点リーダー
(※2倍は、全角の2倍という意味で2文字分を表します。2倍ドリともいいます)
■ 2倍の二点リーダー
三点リーダーの赤字の入れ方
▼ 三点リーダーの校正指示
訂正の赤字の入れ方
[1]
[2]
挿入の赤字の入れ方
[1]
[2]
挿入の2の指示を使うときは、点がわかるように大き目に書く必要があります。挿入の二股線に点が近すぎると、パッと見ただけでは「□□」にしか見えません。□を2つ入れる指示に誤解されます。
二点リーダーの赤字の入れ方
二点リーダーの赤字の入れ方は、三点リーダーと同様です。
▼ 二点リーダー
訂正の赤字の入れ方
[1]
[2]
挿入の赤字の入れ方
[1]
[2]
[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]
・ダヴィッド社_編集校正小辞典
・日本エディタースクール出版部_新編 校正技術
・IT用語辞典バイナリ
・Wikipedia_リーダー記号
※リーダーの使い方で使用している例文は、青空文庫:谷崎潤一郎の『細雪』より一部抜粋・改変したものになります。