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追求・追及・追究の意味の違いと覚え方[漢字の意味とイメージから覚える]
この記事では、追求と追及と追究の3つの意味の違いについて、簡単でわかりやすい覚え方を紹介しています。
追求とは、目的を達するまで、どこまでも追い求めること。
追及とは、どこまでも追いつめて、責任・欠点などを問いただすこと。
追究とは、未知のものや不明の事柄を、どこまでも考え、調べて明らかにしようとすること。
以上のように定義することができます。
ただ、この意味を丸々覚えるだけでは、一時的には理解できても時間が経てばすぐに忘れてしまいます。そのため、漢字の意味やイメージもセットにして覚えていきます。そうすることで、より記憶に定着しやすくなり忘れにくくなります。
このような覚え方は、使い分けが曖昧なもの/なかなか頭に入ってこないもの/忘れやすいというものに対しては、効果的な学習方法です。
特に「追求」と「追及」の使い間違えは、公文書でもよく見られるので注意が必要です。
▼ 漢字の持つイメージから覚える
「追求・追及・追究」ともに、前につく漢字は同じです。
後ろにつく漢字によって意味の違いが出てくるだけです。それらの漢字の意味さえつかんでおけば、混同せずに覚えられます。
[記事作成にあたって以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]
・小学館 デジタル大辞泉
・日本漢字能力検定協会 漢字ペディア
・厚生労働省HP(例文)
・Windows10/IME「標準統合辞書」> Microsoft 日本語 IMEについて
1.「追求」の意味と例文
追求の「求」の意味
① もとめる。さがしもとめる。
② ほしがる。
追求の意味とイメージ
追求の意味
目的を達するまで、どこまでも追い求めること
→(得ようと)追い求める
追求のイメージ
・追求の対象は、比較的よい印象のものになります。
理想・夢・幸福・利益・自由・目的・目標 etc.
追求の例文
・ 理想を追求する
・ 利潤を追求する
・ 幸福の追求
・ 生涯に渡り専門性を追求できる
・ 人々の健康増進を追求する
・ 人の健康と福祉に関する幸福追求
・ 目標を追求しつつ、大震災からの復興の加速に取り組む
・ この制約の範囲内で可能な限り収益性を追求する運用を行った
・ 「ムリ」「ムダ」「ムラ」を無くすことを追求
2.「追及」の意味と例文
追及の「及」の意味
① およぶ。追いつく。およぼす。
② および。ならびに。
ある線まで追いつく。ある範囲まで届く。
追及の意味とイメージ
追及の意味
① どこまでも追いつめて、責任・欠点などを問いただすこと
② 追いつくこと
→〈人・責任を〉追い詰める or 追いつく
追及のイメージ
①の場合
②の場合
①の意味として使われる追及には、追い詰める意味合いがあるため、前述した追求のようなよい印象はありません。
責任・罪 etc.
②の意味として使われる追及は、単に追いつくとしての意味になります。
例えば、
『彼を追及する』という文なら次の2つの意味に解釈できます。
①の場合は、彼を追い詰める
②の場合は、彼に追いつこうとする
追及の例文
・ 責任の所在を追及する
・ 犯人を追及する
・ 責任を追及する
・ 余罪の追及
・ 個人の責任追及を目的としないという立場
・ 報告者の責任を追及しない
・ エラーを起こした本人の責任を追及
・ 証言者自らが法的責任を追及される恐れがある
・ 政治・行政・経済の構造的不正の追及の強化を図る
3.「追究」の意味と例文
追究の「究」の意味
① 真理や本質をつかむため、これ以上行けないところまで推し進める。
② これ以上行けないところ。
きわめる。きわまる。つきつめる。きわみ。
追究の意味とイメージ
追究の意味
未知のものや不明の事柄を、どこまでも考え、調べて明らかにしようとすること。
→ 明らかにしようとする
追究のイメージ
・追究には、より理解を深めていく、究めていくという意味があります。
原因・本質・真理・学問 etc.
追究の例文
・ 宇宙の謎を追究する
・ 真理を追究する
・ できないことの原因を追究する
・ 発生過程の異常をどのように追究するか
・ 法的責任と真実の追究
・ その根本原因の的確な追究を行った
・ 情報事故の原因を追究し、明らかにした
・ 個人の責任を追及せず、背後要因を追究していく
おわりに
「追求・追及・追究」の3つの覚え方は、まずは漢字の持つ意味から連想していきます。そこから、例文で肉付けしていけば簡単に覚えることができます。