「冬季」と「冬期」の違いと使い分け[冬季オリンピック?冬期オリンピック?]

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「冬季」と「冬期」の違いと使い分け[冬の季節か冬の期間]

「冬季」と「冬期」は、どちらも『冬』の漢字が付き、読み方も「とうき」と同じです。意味も似ているため使い分けで迷うことも多いと思います。

この記事では「冬季」と「冬期」それぞれの意味と使い分けのポイントを詳しく紹介しています。使い分けの基準を理解しておくと、次の漢字もどちらが適切かわかります。

オリンピック」or「オリンピック」
講習」or「講習」

1.「冬季」の意味と考え方

    

冬季は、冬の季節をイメージさせる(強調する)ときに使います。冬の季節全体を指す場合や冬の特定の期間、冬に関連するイベントを表現するときに使われることが多いです。

冬の寒い季節だからこそ行われる物事や関連するものに対しては「冬季」の語を使用します。

たとえば「冬季限定メニュー」であるなら、「鍋」「おでん」「牡蛎」「タラ、フグ、アンコウ(冬魚)」「カニ」「中華まん」「焼きいも」など、冬が旬の食べ物であったり、冬の寒いときに暖を取るのに相応しい食べものなどに使われます。

他にも『冬』を連想させる言葉は色々とあります。

「スキー/スノボー」「雪合戦」「熱燗(加熱した酒)」「こたつ」「シクラメン/クリスマスローズ(冬の花)」「ホッカイロ」「温泉」「雪」「かまくら」「暖炉」「コート」「マフラー」「雪だるま」「手袋」「冬の大三角形(星座)」など

このような言葉には「冬季」の言葉を結びつけるのが相応しいです。

・スキー/スノボーなら「冬季スポーツ」
・雪祭りなら「冬季イベント」

  

他にも「冬休業」とする場合、冬の寒さによる積雪や路面の凍結など冬ならでは事情を考慮して取る休みであるなら、冬限定という意味合いが強く、他の季節では代替できないものなので「冬休業」とするのが適切です。

ただし冬のイメージが薄らぎ、慣習的に『冬期』も使用することもあるため「冬休業」と表記しても問題ありません。

「冬季オリンピック」と「冬期オリンピック」はどっち?

「冬オリンピック」は、冬の季節をイメージさせる(冬に行うのが相応しい)スポーツ競技が中心に行われるため「冬」が適切です。そのため「冬オリンピック」や「冬五輪」と表記されます。

同様の考え方で、夏に開催される夏季オリンピックも『夏』をイメージさせるスポーツが中心に行われるため「夏オリンピック」や「夏五輪」と表記されます。

2.「冬期」の意味と考え方

 

冬期は、期間がメインとなる言葉で『冬』は補足的な役割にすぎません。前述した冬季のような『冬』のイメージは関係なく、単に期間を表したいときに使います。季節を問わず行われるもので該当期間がたまたま冬(12月~2月)であるという場合です。

ポイントは、物事を行うにあたって冬でも夏でも季節が関係ないものです。

「冬季講習」と「冬期講習」はどっち?

「冬講習」は、講習がメインで実施する期間がたまたま『冬』であるということになります。講習は季節を問わず、春夏秋冬一年を通して行われます。冬だからこそ講習が行われるというものではありません。春や夏にも講習は頻繁に行われます。そのため「冬講習」と表記します。

このように特に冬であることを理由としない物事については「冬期」とするのが適切です。

おわりに

以上、「冬季」と「冬期」の違いと使い分けのポイントを紹介してきました。

簡単にまとめると次のようになります。

・冬 → 冬の季節をイメージさせる(強調する)物事
・冬 → 該当期間が冬であるとき(季節に関係なく行われる物事)

この使い分け方は『冬』だけでなく『春』『夏』『秋』などの季節についても同様です。

冬季(冬の季節をイメージさせる)

      

冬期(該当期間がたまたま冬であるとき)

   

このように「冬季」と「冬期」を使い分けすることができますが、慣習的にどちらを使用しても問題がないという場面もあります。そのためビジネス文書などで使用する際は、周囲の使用方法に合わせて適宜使い分けましょう。