「メタ」とは?意味と使い方を簡単解説|メタ認知・メタデータ・メタ発言などの具体例

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「メタ」とは?意味と使い方を簡単解説|メタ認知・メタデータ・メタ発言などの具体例

「メタ認知」「メタデータ」「メタ発言」など、「メタ」が付く言葉は、仕事やIT、ゲーム、漫画など、さまざまな場面で使われています。

この記事では、「メタ」の基本的な意味や使い方を例文を交えて紹介します。

1.「メタ」とはどういう意味か?

「メタ」は、物事の中身から一歩引いて、その物事自体の目的や仕組み、特徴を考えたり説明したりするときに使われる言葉です。

たとえば、会議でA案とB案のどちらを採用するか話し合っているとします。

・「A案のほうが費用を抑えられる」
・「B案のほうが早く実行できる」
→ これらは案の良し悪しについての発言です。

一方、次のような発言も考えられます。

・「そもそも、この会議は今日中に結論を出す場ですか?」
・「案を比べる前に、費用と早さのどちらを重視するか決めませんか?」
→ こちらはA案やB案ではなく、「会議の目的」や「案を選ぶ基準」についての発言です。

このように個々の案の比較から、話し合いの目的や判断基準へと視点を移すことが、メタの一例です。

「メタ」の意味は、主に「一段上の」と「それ自体について」という二つの表現で説明できます。

①「一段上の」

「一段上の」の「上」は、偉い、優れているという意味ではありません。会議の例なら、「どちらの案がよいか」を考える立場から、「何を基準に案を選ぶか」を考える立場へ移ることです。

案を選ぶときには、何らかの基準を使っています。その基準に従って考えるだけでなく、「その基準でよいのか」まで考え直すため、「一段上の」と表現されます。つまり、普段はあたり前としている目的や基準を、改めて検討するイメージです。

②「それ自体について」

「メタ」は、あるものの中身ではなく、「それ自体についての情報や説明」を表すときにも使われます。

たとえば、本には本文とは別に、書名や著者名、発行日などを記した「奥付」があります。物語や説明が書かれた本文が本の内容にあたる一方、奥付に記載された書名や著者名などは、その本自体を説明する情報です。このように対象の内容ではなく、対象自体について記述した情報を、メタデータと言われます。

「一段上の」と「それ自体について」は、どちらも、ある物事自体に目を向けるという点で共通しています。ただし、「メタ認知」や「メタデータ」など、どの言葉に使われるかによって、「メタ」が具体的に何を意味するかは変わります。

2.「メタ」が付く言葉と使い方

① メタ認知

「メタ認知」とは、考えている自分を、もう一人の自分が少し離れたところから見ているような心の働きです。「どこまでわかっているか」「どんな考え方をしているか」に気づき、必要に応じてやり方を切り替えることまでを含みます。

自分の認知を対象にするため、「認知についての認知」とも説明されます。勉強や仕事など、さまざまな場面で使われる言葉です。

また、メタ認知には、その場で自分の理解や考え方を捉えることだけでなく、自分の学び方の特徴を知っていることも含まれます。たとえば、「自分は、人に説明しようとすると理解が不十分な部分に気づきやすい」と知っていることも、その一つです。

<具体例1>
「教科書を読んでわかったつもりになっていたけれど、問題を解こうとしたら手が止まった。まだ十分に理解できていないと気づき、教科書を読み直した」

<具体例2>
「相手も事情を知っていると思い込んでいたことに気づいたので、まずはこれまでの経緯から説明し直した」

具体例1では自分の理解が不十分なことに、具体例2では自分の思い込みに気づいています。どちらも、自分の理解や考え方を見直し、やり方を変えている点がメタ認知にあたります。

② メタ視点・メタ的

目の前のことから一歩引いて、その目的や前提、枠組みなどに目を向ける見方を「メタ視点」といいます。「メタ的に見る」と表現することもあります。

たとえば、作業を続けながら「どうすれば早く終わるか」を考えるだけでなく、「そもそも、この作業は必要なのか」と見直すのがメタ視点の一例です。

<具体例>
「資料の見た目ばかり直していたが、メタ視点で『そもそも誰に向けた資料か』を考え直した」

①の「メタ認知」は、自分の理解や考え方を捉え、必要に応じて調整する働きを指します。一方、「メタ視点」は、自分の考え方に限らず、作業や議論の目的・前提まで視野に入れて見直すことです。自分の考え方を見直す場面では、両者の意味が重なることもあります。

③ メタデータ

「メタデータ」とは、「データについてのデータ」のことです。あるデータが、いつ、どこで、誰によって、どのように作られたのかなどを説明する情報を指します。「メタ情報」とも呼ばれます。

たとえば、スマートフォンで撮った写真には、次のような情報が記録されていることがあります。

・撮影日時
・撮影に使った機種
・撮影場所の位置情報

これらは写真の画像そのものではなく、写真について説明する情報なので、メタデータにあたります。

<具体例1>
「SNSに写真を載せる前に、メタデータに含まれる位置情報を削除した」

<具体例2>
「共有された資料のメタデータを見ると、作成者と最終更新日がわかった」

④ メタ発言

話の中身そのものではなく、会話の進め方や作品の仕組みなどに言及する発言を「メタ発言」と呼ぶことがあります。

日常の会話や会議では、次のような発言です。

<具体例1>
「議論がかみ合わなくなってきたので、『まずは今日決めることを確認しませんか』とメタ発言をした」

この発言は、議論の内容ではなく、議論の目的や進め方に目を向けています。

また、ドラマや漫画では、登場人物が、自分たちは作品の中の存在だと知っているかのように話すことがあります。こうした発言も、メタ発言と呼ばれます。

<具体例2>
「ドラマの刑事が『この流れだと、犯人がわかるのは最終回だな』とメタ発言をした」

「最終回」という区切りは、刑事が暮らす世界には存在しません。ドラマを作ったり見たりする側の事情です。それを登場人物が話題にするため、メタ発言にあたります。

関連する言葉「メタフィクション」

物語の中で、その物語が作り話であることをあえて表に出す作品や表現を「メタフィクション」といいます。読み手や視聴者を物語に没入させるのではなく、あえて「物語はどう作られているのか」に目を向けさせるのが特徴です。

たとえば、小説の登場人物が「作者が結末を決めるまで、私たちはここから動けない」と語ったり、作者本人が作中に現れて、登場人物と言い争ったりする作品です。

先ほどの刑事のセリフのようなメタ発言も、物語が作り話であることを表に出す方法の一つです。そのため、メタフィクションの作品でよく使われます。

3. 分野によって意味が異なる「メタ」

「メタバース」や対戦ゲームの「メタ」は、ここまでの説明だけでは捉えにくい言葉です。分野ごとに、独自の意味で使われているためです。

① メタバース

メタバースは、インターネット上につくられた、大勢で同時に過ごせる仮想空間を指します。利用者は自分の代わりとなるキャラクター(アバター)を動かして、会話をしたり、イベントに参加したり、買い物をしたりできます。

ここでの「メタ」は、「自分の考え方を見直す」「データについて説明する」といった意味ではありません。「現実の世界を越えて広がる空間」というイメージで捉えるとわかりやすいです。

ただし、メタバースと呼ぶ空間やサービスの範囲は、使う人や文脈によって異なります。

② 対戦ゲームの「メタ」

対戦ゲームでは、多くのプレイヤーが「今はこれが強い」と考えて選んでいる戦い方やキャラクターの傾向を「メタ」と呼びます。「環境」と言い換えられることもあります。

背景にあるのは、目の前の対戦だけでなく、対戦相手の選択や戦略の流行まで考慮する「メタゲーム」という考え方です。

たとえば、攻撃の速いキャラクターがよく使われていれば、それに対抗しやすいキャラクターを選ぶ判断が生まれます。こうした流行と対策の関係が、ゲームのメタを形作ります。

<具体例1>
「大会で優勝したチームのキャラクターの組み合わせ(編成)をまねする人が増え、メタががらりと変わった」

優勝チームの編成が広まり、多くのプレイヤーの選び方が変わった結果、メタも変わったという例です。

<具体例2>
「今のメタでは守りの固い編成が多いので、長期戦に強いキャラクターを入れた」

守りの固い編成同士だと、対戦が長引きやすくなります。そこで、相手が選びそうな編成を対戦環境の流行から予想して、長期戦に備えています。

ゲームの「メタ」は、「一段上の」とだけ覚えるよりも、「対戦環境の流行や、それを踏まえた対策」と捉えるとわかりやすいです。

おわりに

「メタ」は、使われる分野や言葉によって指すものが異なります。意味がわかりにくいときは、前後の文脈から何を指しているのかを確かめることが大切です。

また相手に伝えるときは、「メタ」という言葉を使うだけでなく、何について考えたり説明したりするのかを具体的に示すと伝わりやすくなります。