箇条書きの効果的な使い方[文章をわかりやすくするコツ]

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箇条書きの効果的な使い方[文章をわかりやすくするコツ]

「とりあえず箇条書きでいいよ」と言うことがあるように、ともすると箇条書きには「簡易なもの、きちんと人に見せるには足らないもの」というイメージがあるかもしれません。しかし、箇条書きをうまく活用すれば、情報を整理し、読み手に要点をわかりやすく伝える非常に有用なツールとなります。

この記事では、箇条書きの種類や使い方のポイント、効果的な活用方法などを紹介していきます。

1. 箇条書きとは?その効果

箇条書きとは、事柄をいくつか並列して書くことを言います。不要な言葉を削って簡潔に書くため、情報量が絞られ、見た目にもわかりやすくなります

例えば、次の文を見てください。

例 文

2023年8月にベストアンケート社が行った調査によると、日本全国の20歳以上男女に聞いた「好きなプロスポーツ」の回答は、プロ野球が23.1%で首位、プロサッカーが14.7%で2位、大相撲が10.5%で3位だった。

例文を、箇条書きを中心に整理すると次のようになります。

箇条書き

日本全国の20歳以上男女に聞いた「好きなプロスポーツ」
1. プロ野球(23.1%)
2. プロサッカー(14.7%)
3. 大相撲(10.5%)
(2023年8月:ベストアンケート社調べ)

このように箇条書きにすることで、動詞や助詞が省略され、情報の要点がわかりやすくなります。また要素ごとに改行が入ることで、視覚的にも「項目と数値の対応」「項目の数」や「順位」が一目でわかるようになっています。

読み手にとっては、文章を読んで情報を読み取るよりも、箇条書きで書かれたものを見るほうが、速く効率的に情報の要点をつかむことができます。ビジネスメールや文書、プレゼン資料などには効果的な手法です。

2. 箇条書きの種類

箇条書きには、大きくわけて「番号付き箇条書き」と「点付き箇条書き」の2種類の方法があります。

① 番号付き箇条書き

日本全国の20歳以上男女に聞いた「好きなプロスポーツ」
1. プロ野球(23.1%)
2. プロサッカー(14.7%)
3. 大相撲(10.5%)
(2023年8月:ベストアンケート社調べ)

先ほどの例でもあったように、冒頭に「1,2,3…」と数字を振っていくタイプの箇条書きです。

メリット:項目同士の順序や、序列を表現できること

順番に進めていくべき手順を説明する場合や、ランキングのように序列を表したい場合には、番号付き箇条書きを使うことで項目同士の順序や、序列を視覚的に伝えられます。

番号付き箇条書きのバリエーションとして、数字ではなくアルファベット(a,b,c…)を振ったものや、カタカナ(ア、イ、ウ…)を振ったものなどもあります。これらも、項目同士の順序や序列を表せるという意味では、番号付き箇条書きと同じ役割をもっていると言えます。

② 点付き箇条書き

新商品のPR施策について、下記の点から検討を行います。
メディア媒体
必要リソースと予算
ターゲット
スケジュール

各項目の先頭に点を打ち、項目を並列するタイプの箇条書きです。中点(・)を使うことが多いですが、そのほかにも四角(■)や星(★)、欧文ではビュレット(•)などの記号を使って表現することも可能です。いずれにしても、1つの箇条書きの中では、使う点や記号の種類を統一するようにします。

メリット:項目同士が並列であることをわかりやすく表現できること

列挙されている項目同士に順序や序列がない場合、数字を振ってしまうとかえって混乱を招くことがあります。点付き箇条書きを用いれば、項目同士が並列であることをわかりやすく表現することができます。

3. 箇条書きにするときの注意点(NGな例)

箇条書きを使用する際に、留意しないと読みやすさ・わかりやすさを損なってしまうポイントがあります。ここでは二つのポイントを紹介しますので、校正の際にも注意深く確認するようにしてください。

① 項目同士を文法的にも等しく列挙する

箇条書きで項目を列挙する場合に、それぞれの項目の構造を文法的に揃えておくとわかりやすくなります。下記はNG例と改善例です。

<NG例>
日本の少子化対策の概要
・児童手当の給付など、経済的な支援の強化
・学童保育や病児保育、産後ケアなどを拡充すること
・働き方と暮らし方を改革する

 ↓

<改善例>
日本の少子化対策の概要
・児童手当の給付など、経済的な支援の強化
・学童保育や病児保育、産後ケアなどの拡充
・働き方改革・暮らし方改革

改善ポイント

NG例では、「支援の強化」と名詞で終わっている項目もあれば、「拡充すること」と動詞を名詞化していたり、「改革する」と動詞で終わっていたりする項目もあり、各項目の書き方を文法的・構造的に揃えることができていません。

<NG例>
日本の少子化対策の概要
・児童手当の給付など、経済的な支援の強化  ←名詞
・学童保育や病児保育、産後ケアなどを拡充すること  ←名詞化
・働き方と暮らし方を改革する  ←動詞

改善例は「強化」「拡充」「改革」とすべて名詞で結ぶ構造に統一しています。このように構造を揃えることによって、項目同士の関係性や内容が伝わりやすくなります。

<改善例>
日本の少子化対策の概要
・児童手当の給付など、経済的な支援の強化  ←名詞
・学童保育や病児保育、産後ケアなどの拡充  ←名詞
・働き方改革・暮らし方改革  ←名詞

【例文の参考元:「少子化社会対策大綱」(概要) (cao.go.jp)

② 異なるレベルの概念・階層のものが混在しないようにする

箇条書きにする場合に各項目の開始位置を調整するなどすると、「階層構造」を視覚化し効果的に伝えることができます。しかし、本来は異なるレベルの概念であるものをそのまま並列してしまうと、箇条書きにしたことでかえってわかりにくくなってしまいます。

<NG例>
日本の少子化対策の概要
・子育て世帯のニーズに応じた経済支援
・児童手当の拡充
・病児保育、産後ケアなどの補助拡充
・子育て世代の環境整備
・不妊治療への支援拡充
・男性の育休取得、育児参画の促進

 ↓

<改善例>
日本の少子化対策の概要
●子育て世帯のニーズに応じた経済支援
・児童手当の拡充
・病児保育、産後ケアなどの補助拡充
●子育て世代の環境整備
・不妊治療への支援拡充
・男性の育休取得、育児参画の促進

改善ポイント

NG例では、「子育て世帯のニーズに応じた経済支援」という上位概念と、「経済支援」の例にすぎない「児童手当」「病児保育や産後ケアへの補助」が並列されているなど、異なる概念レベルの項目がすべて一律に並列されていました。

改善例では、開始位置の調整と行頭記号の変化によって、階層構造が一目でわかるようにしています。箇条書きを使うメリットには、このように階層構造を効果的に見せられることもあります。

4. 箇条書きの活用場面

箇条書きを使用すると、特に有効な場面をいくつか紹介します。

① ビジネスメール

忙しい相手に送るビジネスメールは、少しでも内容を簡潔に、読みやすくしたいものです。箇条書きを活用すると、項目の数や関係性を視覚的に伝えることができるので、文章で説明するよりも、相手に速く理解してもらえることがあります。

文章できちんと書かずに、箇条書きで書いて送るのは失礼なのではないか……と懸念する人もいますが、「速く正確に用件を伝える」というビジネスメールの目的に立ち返れば、箇条書きを使用することが相手への配慮になることも多いです。

○○さん
お疲れ様です。

パンフレットの印刷の件ですが、従来依頼していたA社ではなく、今回新たにB社に発注しようと考えております。

理由は以下の通りです。
・今回印刷する部数では、B社の方が短い納期で納品される
・B社に発注した場合、デザインや文章の校正サービスが無料で付帯する
・B社の方が、使用できる用紙の選択肢が多い

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

② 案内文

読み手にわかりやすく情報を伝える必要のある案内文では、箇条書きを活用して情報を端的に伝えることが効果的です。「日程」「場所」などの見出しも活用して、どのような案内が書かれているのか、読み手が素早く全体をつかめるように、一覧性を高めましょう。

20代からの資産形成セミナー
・概要:NISAやiDecoなどを活用した、20代からの資産形成のヒントをお伝えします。
・日時:2023年10月1日(水)15:00~16:00
・場所:○○商工会議所2F会議室
・講師:フィナンシャルプランナー 山田 太郎
・持ち物:筆記用具、申込票
・申し込み方法:商工会議所まで電話、もしくは下記URLからオンライン申込
・定員:20名(申込多数の場合抽選)

③ Web記事

Web記事を作成する際には、内容がわかりやすいよう見出しを工夫し、記事の先頭に目次を追加することが多いです。見出しの作成にあたって箇条書きのポイントを応用し、文構造の統一や階層の整理を行うと、記事の構成がすっきりまとまります。

オフィスで活躍!きちんと見えるレディースジャケットの選び方
●レディースジャケットの種類
 ・テーラードジャケット
  ・シングル
  ・ダブル
 ・ノーカラージャケット

●骨格別:似合うジャケットの種類
 ・ストレートタイプに似合うジャケット
 ・ウェーブタイプに似合うジャケット
 ・ナチュラルタイプに似合うジャケット

●狙う印象から選ぶジャケットのカラー
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おわりに

箇条書きは情報を整理し、読み手に要点を速く、わかりやすく伝える非常に有用なツールです。箇条書きで列挙して、項目同士の関係性や階層構造をまとめる過程で、自分の考えが整理されることも多くあります。

「箇条書きにするときの注意点」で紹介したポイントに留意しながら、積極的に箇条書きを活用してみてください。