文章作成でありがちな失敗と改善方法[ビジネスメールの例]

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文章作成でありがちな失敗と改善方法

丁寧で分かりやすい文章を書こうという気持ちがありつつも、多くの人が知らず知らずのうちに犯してしまっている間違いがいくつかあります。この記事では、仕事の依頼をするときのメールを例に、文章の書き方でよくある失敗と、その改善方法について紹介していきます。

新社会人、初心者・未経験者ライターの方には特におすすめの内容となっています。ぜひご自身の文章にも当てはまる「失敗」がないか振り返ってみてください。

よくある失敗1:「起承転結」の順で文章を書いている

文章を書く場面で、どのような内容をどのような順で書くかという「構成」は非常に重要な要素です。なかでも「起承転結」の構成は有名で、理想の構成というイメージを持っている人も多いのですが、それは誤解です。

<起承転結>

 起:背景となる情報や、事前情報
 承:本題に入る前の導入部分
 転:本題、メインとなる出来事
 結:結論、メインの出来事がどうなったのかというオチ

「起承転結」の構成が有効なのは、読み手が最初から最後まで文章を読んでくれることが期待できる場面です。

「起承転結」の構成を使うと、本題や結論に向かって徐々に話を盛り上げることで読み手を引き込んでいくことができるのですが、読み手にとって興味のない情報だと判断されれば、途中で読むのを止められることが多いというデメリットがあります。

失敗の改善方法:PREP法で書いてみる

忙しい社会人がビジネスで情報をやり取りする場面や、隙間時間にネットで情報をチェックするような場面では、読み手も時間がなく「結論を早く知りたい」と感じています。
そこで有効な構成は「PREP法」です。

<PREP法>

 P(Point) :結論
 R(Reason):理由・経緯や背景となる情報
 E(Example):具体例
 P(Point) :結論

PREP法では、まず結論を初めに述べ、その理由の説明や根拠となる具体例は後から述べていく構成のことです。PREP法を用いて文章を書くと、忙しい読み手にも冒頭部分を読んでもらうだけで、結論をまず知ってもらうことができます。

万が一、読み手が途中で読むのを止めてしまっても、最も重要な結論部分だけは伝えられることになるのです。

では、仕事の依頼をするときのメールを例に、構成の違いによる伝わりやすさの差を確認してみましょう。

<起承転結型>

佐藤部長

お疲れ様です。

商品紹介サイト制作の件ですが、委託先の制作会社と打ち合わせしたところ、
制作に取り掛かれる時期が、今年の10月以降とのことでした。

また商品開発部によると、サイトで紹介予定の商品△△のパッケージと、一部機能が今年の11月にリニューアルされる予定があるそうです。

これらの状況を踏まえると、商品紹介サイトの制作は、商品リニューアル後の今年12月から着手するのがよいと思っております。

それで問題ないでしょうか。
よろしくお願いいたします。  

鈴木

<PREP型>

佐藤部長

お疲れ様です。

商品紹介サイト制作の件ですが、制作着手時期を今年12月からにしたいので、
問題ないかご確認とご承認をいただけないでしょうか。

理由は二点あります。
一つは、委託先の制作会社と打ち合わせしたところ、制作に取り掛かれる時期が、今年の10月以降と判明したことです。
もう一つの理由は、商品開発部によると、サイトで紹介予定の商品△△のパッケージと、一部機能が今年の11月にリニューアルされる予定と判明したことです。

これらの状況を踏まえ、今年の12月着手がよいと判断しました。
ご確認とご承認のほど、よろしくお願いいたします。

鈴木

このメールで、鈴木さんが佐藤部長に伝えたいのは「商品制作サイトの制作に着手する時期を今年の12月にしたいので、承認してほしい」ということです。

「PREP」型の文章では初めの二文を読むだけで用件が伝わり、読み手である佐藤部長にとってほしいアクション(承認してほしい)も明確です。

また理由説明の中でも「理由は二点あります」と先に述べられているため、読み手が文章の全体像を把握しやすくなっています。

よくある失敗2:文章の「見た目」に気を遣わない

良い内容の文章を書いていれば、読み手もきちんと読んでくれるはずだと思いがちですが、多くの場合は文章の「見た目」も重要です。

文章の内容を読み味わうことが主眼にある文学小説は例外ですが、「情報のやり取り」が主眼にある実用文においては、見た目でもわかりやすさを追求する必要があります。

失敗の改善方法:読点やかっこ、見出しや箇条書きを活用する

具体的には、適当な場所に読点を打つ、目立たせたい言葉は「 」でくくる、必要に応じて見出しをつけるなどの工夫をしてみましょう。また、複数の内容を列挙するときには箇条書きにしたほうが、きちんとした文章の体裁でなくとも伝わりやすいことがあります。

先ほどの「仕事の依頼メール」は、見た目を整えることでさらに伝わりやすくなります。

<BEFORE>

佐藤部長

お疲れ様です。

商品紹介サイト制作の件ですが、制作着手時期を今年12月からにしたいので、
問題ないかご確認とご承認をいただけないでしょうか。

理由は二点あります。
一つは、委託先の制作会社と打ち合わせしたところ、制作に取り掛かれる時期が、今年の10月以降と判明したことです。
もう一つの理由は、商品開発部によると、サイトで紹介予定の商品△△のパッケージと、一部機能が今年の11月にリニューアルされる予定と判明したことです。

これらの状況を踏まえ、今年の12月着手がよいと判断しました。
ご確認とご承認のほど、よろしくお願いいたします。

鈴木

<AFTER>

佐藤部長

お疲れ様です。

商品紹介サイト制作の件ですが、制作着手時期を今年12月からにしたいので、
問題ないかご確認とご承認をいただけないでしょうか。

■理由
①委託先の制作会社と打ち合わせしたところ、
制作に取り掛かれる時期が、今年の10月以降と判明したこと。
②サイトで紹介予定の商品△△のパッケージと、
一部機能が今年の11月にリニューアルされる予定と判明したこと。(商品開発部による)

これらの状況を踏まえ、今年の12月着手がよいと判断しました。
ご確認とご承認のほど、よろしくお願いいたします。

鈴木

〈AFTER〉のメールでは、サイト制作時期として12月がよいと判断した理由二点を箇条書きにし、「■理由」という見出しをつけています。

これだけで理由部分がどこからどこまでで、理由が二点あるということが視覚的に理解できるようになり、文章で説明するのに比べて文章量も減らすことができます。

よくある失敗3:言葉を尽くすほど丁寧になると勘違いしてしまう

文章を書く際に、多くの言葉を使って長く書いたほうが、丁寧な気持ちが伝わると考えている人がいます。しかし、やりすぎて冗長な文章になってしまうと、要点をつかみにくい文章になってしまい、かえって読み手に不便を感じさせることがあります。

失敗の改善方法:冗長な言い回しや過剰な敬語は避け、端的に要点を伝えよう

初めから「丁寧に書こう」という意識が強すぎると、どんどん文章が長くなっていってしまいがちです。そこで、一度もっとも簡潔な形で文章を書き、あとから冷淡な印象があるような箇所に、少し言葉を足していくという方法をおすすめします。

もっとも簡潔な形とは、たとえば

~しているということなのです
  ↓
~しているのです

~と言えるのではないかと思っています
  ↓
~と言えると思います

などと冗長な言い回しを避けて書いたり、

~させていただけると大変ありがたく存じます
  ↓
~できるとありがたく存じます

~させていただいた資料をお送りします
  ↓
~した資料をお送りします

などと、過剰な敬語を使わずに書いたりすることです。

端的にすることで少々丁寧なニュアンスが削られたとしても、情報がわかりやすく入ってくる文章にするほうが、読み手に与える印象は良いです。少し素っ気ないかなと感じたら、一通り用件を書き終えた後に、結びのあいさつを丁寧に書くとよいでしょう。

<仕事の依頼をするときのメール文:見本>

佐藤部長

お疲れ様です。

商品紹介サイト制作の件ですが、制作着手時期を今年12月からにしたいので、
問題ないかご確認とご承認をいただけないでしょうか。

■理由
①委託先の制作会社と打ち合わせしたところ、
制作に取り掛かれる時期が、今年の10月以降と判明したこと。
②サイトで紹介予定の商品△△のパッケージと、
一部機能が今年の11月にリニューアルされる予定と判明したこと。(商品開発部による)

これらの状況を踏まえ、今年の12月着手がよいと判断しました。
ご確認とご承認のほど、よろしくお願いいたします。

鈴木

おわりに

文章を書く際にやってしまいがちな失敗と、その改善方法を紹介しました。ご自身の文章を振り返った時に思い当たるところがあれば、ぜひここで紹介した改善方法を参考にしてみてください。

読み手が「速く、的確に」要点をつかめるように書いていくと、伝わりやすい文章になります。