
目次
促音・拗音、小書き文字とは?
1:促音(そくおん)
▼ 促音とは? ⇒ 小さいつ(っ)
■ 詰まる音。「がっこう」「ブック」のように、小さく書いて表す音。
【出典:編集校正小辞典 ダヴィッド社】
■「こっか(国家)」「いっさつ(一冊)」「カット」「あっぱれ」などのように、「つ」「ツ」を小さく書いて表す。
外来語や方言音では、例外的に、ガ・ザ・ダ・バの各行やハ行音などの前に現れることもある。また、感動詞や擬声語などでは、「あっ」「きゃっ」のように語末に現れることもある。
【出典:小学館デジタル大辞泉】
■「がっこう」「持って」などのように、現代かなづかいで小さく〈っ〉と書かれる音。
【出典:株式会社平凡社百科事典】
【促音の例】
「いっぱん」「グッド」「ベッド」
2:拗音(ようおん)
▼ 拗音とは? ⇒ 小さいやゆよ(ゃゅょ)など
■ 一音節で「キャ」「しゅ」「ニョ」「クヮ」などのように、小さく書き表せるもの。
【出典:編集校正小辞典 ダヴィッド社】
■「ヤ行拗音」と「ワ行拗音」がある。
・ヤ行拗音は、現代かなづかいでは、「き」「ぎ」「し」「じ」「ち」「に」「ひ」「び」「ぴ」「み」「り」の11に、それぞれ小さく「や」「ゆ」「よ」を加えて書き表す「きゃ」「きゅ」「きょ」「ひゃ」「びゃ」「ぴゃ」など。
・ワ行拗音は、「く」「ぐ」にそれぞれ「わ(ゐ・ゑ)」を付けて書き表す音節であるが、現在では「くゎ」「ぐゎ」が方言に認められるだけである。
【出典:小学館デジタル大辞泉】
■ 日本語の音韻の一種。「きゃ」「きゅ」「きょ」「クヮ」のように、仮名2字で表される音節。
【出典:株式会社平凡社百科事典】
【拗音の例】
「しゃしん」「しゅうり」「きょうしつ」
3:小書き(ひらがな・カタカナの小文字)
▼ 小書きとは?
■ 注などを本文より小さな文字で書き入れること。また、その書き入れ。
【出典:三省堂大辞林 第三版】
【小書きの仮名の例】
・ぁぃぅぇぉ/っ/ゃゅょ/ゎ
・ァィゥェォ/ヵヶ/ッ/ャュョ/ヮ
小書き文字には、促音と拗音なども含まれています。
校正記号表では、促音や拗音などの文字も含めて小書きの文字にすることを「小書きの仮名に直す」と言います。
赤字の入れ方
文章中の校正記号は『JIS Z 8208:2007(印刷校正記号)』を参考にしています。
1:小書きの仮名に直す(文字を小さくする)
▼ 小書きの仮名に直す(文字を小さくする)場合は、「∧」の校正記号を使います。
以下、使用例になります。
・直接、文字に「∧」の記号を入れる。
・「∧」の記号が目立たない場合は、丸で囲んだ小サクの記号を入れます。
・小書きの仮名に訂正する場合。
※小書きの文字を、小書きの文字に差し替える場合でも「∧」の記号は必要です。
・小書きの仮名を挿入する場合。
▼ 小書き文字を含んだ赤字を入れる場合
・小書き文字には、常に「∧」を添えます。
・「∧」が目立たない場合は、鉛筆や青ペンで書いても大丈夫です。
・よくない例
※単に文字の大きさを変えるだけでは、普通の大きさの文字と誤解される可能性があるので避けた方がよいです。
2:小書き文字を大きくする
小書きの文字を、普通の大きさの文字に直したい場合の指示です。
基本は、「∧」の向きを変え「∨」にするだけです。
・直接、文字に「∨」の記号を入れます。
・「∨」が目立たない場合は、丸で囲んだ大キクの記号を入れます。
・大きい文字に訂正する場合。
・当然ですが、文字を挿入する場合には「∨」の記号はいりません。通常の挿入指示になります。
[補足]撥音(はつおん)
促音・拗音と同じ部類のものに「撥音」があります。一緒に覚えておくと便利です。
▼ 撥音とは? ⇒ ん
■ 「ん」「ン」で書かれるような、はねる音。
【出典:編集校正小辞典 ダヴィッド社】
■ 語中または語尾で1音節をなす鼻音。「ん」「ン」と表記される。
【出典:小学館デジタル大辞泉】
■ 日本語の音韻の一種で、普通、仮名「ん」で表す音。
【出典:株式会社平凡社百科事典】
【撥音の例】
「べんきょう」「しんごう」「かんたん」
おわりに
ここでは「促音」「拗音」「小書き文字」「撥音」の概要だけ辞書から抜粋しています。さらに詳しく知りたいという方は「Wikipedia」に詳細な情報が記載されていますので参考にしてみてください。
≫ 促音
≫ 拗音
≫ 小書き文字(=捨て仮名)
≫ 撥音
※Wikipediaのサイトに飛びます。
・校正記号のまとめ ≫ 使いたい赤字を五十音検索
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