訂正と修正の意味の違いと覚え方
この記事では、訂正と修正と2つの意味とその違いについて紹介しています。
要点だけ知りたいという方は[3. 訂正と修正の意味と違いのまとめ]の章だけご覧ください。
▼ 訂正と修正には、誤りを正しいものにするという意味があります。
そのため、両者は同じ場面で使われることも多いです
訂正と修正の2つの使い分けで迷うかもしれませんが、ポイントさえ押さえておけば簡単に理解できます。
1. 訂正と修正の意味
訂正と修正の大きな違いは2つあります。
1. 使う対象
2. 使える範囲
この2点を意識しておけば覚えやすいです。
「訂正」の意味
ことばや文章・文字の誤りを正しく直すこと。
訂正は、限定的な使用になります。
主に、ことばや文章、文字に対して使います。
誤りを正しいものにする という意味だけに使用します。
「修正」の意味
よくない点や不十分な点を直して正しくすること。
修正は、訂正と違い使用範囲が広いです。
ことばや文章、文字だけでなく、計画や企画、意見などにも使用できます。
意味には、現状からよりよい状態にするというニュアンスが含まれます。
そこから派生して、誤りを正しいものにするというときにも使用されます。
修正は訂正に比べ、使う対象も使用範囲も広くなります。修正の意味の中に、訂正の意味も含まれます。そのため、両者の関係は次のようになります。
2. 漢字の意味からより詳しく
使い分けが難しい言葉は、漢字の意味を理解すれば、その違いがよりわかりやすくなります。
訂正も修正の漢字も、後ろに付く「正」の文字は同じです。
そのため、前の漢字の意味さえ押さえておけば、より理解が深まり頭に定着しやすいです。
「訂」の漢字の意味
『ただす/間違いをなおす/あらためる』
『さだめる/決める/制定する』
部首が「ごんべん」なので、言葉に関連する漢字であることがわかります。
そこから、ことば、文章、文字の誤りに対して使用するのが連想できます。
「修」の漢字の意味
『おさまる/正しくなる/形が整う/備わる』
『おさめる/正す/形を整える』
『おさめる/学ぶ/身につける』
『よい/美しい/立派』 など
「修」の漢字の意味は多く、「修」が付く熟語もたくさんあります(修行、修理、修了 etc.)。
そこから、使用範囲が広いのも想像できます。
3. 訂正と修正の意味と違いのまとめ
▼ 以下は、訂正と修正の意味をまとめたものです。
「訂正」のまとめ
・訂正の意味は、誤りを正しく直すことです。
・使う対象は、主にことば関連になります。
ことば・文章・文字 etc.
[訂正の使用例]
- 文字の誤りを訂正する
- 誤字を訂正する
- 訂正指示を赤字で入れる
- ニュースの内容を訂正する
- 発言を訂正する
- 訂正依頼をする
- 一部に訂正すべき点がある
- 間違いを訂正する
「修正」のまとめ
・修正の意味は、よくない点や不十分な点を直して正しくすることです。
修正の意味には「よりよくする」「現状や以前のものよりよいものにする」などのニュアンスがあります。次のようなイメージです。
・使う対象は、広範囲に及びます。
ことば・文章・文字・計画・企画・意見 etc.
[修正の使用例]
- 文字の誤りを修正する
- 計画の軌道を修正する
- 修正案を出す
- 修正を加える
- データを修正する
- 見積もりを修正する
- 赤字が修正箇所です
- 修正可能な問題点
4. 訂正と修正の使い分けポイント
訂正と修正は意味が重なる部分もあるため、ことばや文章・文字に対しての誤りには、両方使用されることも多いです。
どちらを使っても意味は同じですが、場面によっては使い分けが必要とされることがあります。
▼ 「訂正」の使用が相応しい場面
新聞や書籍、雑誌などで見かける「お詫びと訂正」や、ニュース番組などでニュースの内容やテロップが間違えていたときに使用される「訂正してお詫び申し上げます」というときの「訂正」。
これらには、明らかな間違いを正しましたというニュアンスが含まれています。
『明確に間違いを認識し正しました』と伝えたい場合には、訂正の使用が相応しい場面になります。
▼ 「修正」の使用が相応しい場面
前述した「訂正」には、明確な誤りという意味合いが含まれます。そのため第三者に対して訂正の語を使用する場合、訂正の語感から少しきつい印象を与えることがあります。
たとえば、
相手に確認を促すメールを送るときには、次のような文が考えられます。
1「ご確認よろしくお願いいたします」
2「ご確認のほどよろしくお願いいたします」
2のように「~のほど」の語を入れることで、要求に対してワンクッション加えることができ和らげることができます。
「訂正」と「修正」もそのように扱われることがあります。
- 文字の訂正をしてください
- 文字の修正をしてください
どちらも同じ内容で結果は同じですが、文のニュアンスは前述の1と2のような違いがあります。
そのため第三者に対して、誤りを指摘する場合や文章などの間違いを正してほしいと依頼する場合には「修正」の語が使用されることがあります。
- 「訂正箇所が~」 → 「修正箇所が~」
- 「訂正をお願いします」 → 「修正をお願いします」
ただこのあたりの表現は、相手との関係性や文章の内容にもよります。どちらを使うかは自由ですが、相手を気づかいすぎる表現はかえって意図を損なう可能性があります。
誤りを正すという意図で事実関係だけを明確に伝えたいなら「訂正」を使うほうが適切なケースもあります。
特に誤りが重要なものであるなら、明確に訂正を使用したほうがよいでしょう。