
ミスを防ぐ赤字の入れ方:訂正が二行にまたがるときの最適な校正指示を考える
校正作業での赤字は、状況によって適切なものを考えていく必要があります。校正記号だけですべての指示を出すことはできないので、何が適切な赤字かは実践で学んでいくしかありません。中でも、訂正範囲が二行にまたがるときの赤字は書籍でも紹介されておらす、赤字を入れる際に悩むことがあるかもしれません。
具体的に二行にまたがる訂正とは、次の「■■■■■」のような部分に赤字を入れる場合のことを言います。

前提として訂正範囲を指示する場合は、文字に対して次の赤字を入れます。どちらを使っても問題ありませんが、状況に応じてわかりやすいほうを適宜使いましょう。
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① 訂正が二行にまたがる赤字の入れ方
二行にまたがる訂正の赤字例
[A]
[B]
[C]
普通に考えれば、[A][B]になりますが、[C]のように文字数が多い場合は囲んで指示することもできます。
3つのパターンのうち[C]は問題ないですが、[A][B]の指示では2行目の赤字が目立たない場合があります。

また、一行あたりの文字数が多く赤字が離れてしまう場合は、さらにわかりづらくなります。

他にも、複数の赤字が入っている場合には2行目の赤字が目立ちません。

このような事情から、二行にまたがる赤字の入れ方には対策が必要になってきます。
② 適切な赤字の入れ方を考える
パターン1

この赤字の入れ方は一見するとシンプルでわかりやすそうですが、2箇所の訂正と誤解され「チェーホフチェーホフ」という間違いになる可能性も考えられます。赤字の入れ方としてダメとは言い切れませんが、使用にあたっては少し考えたほうがいいかもしれません。
ちなみに、上の赤字の入れ方は訂正指示の場合は良いとは言えませんが、削除指示の「トルツメ」の場合は大丈夫です。万一、2箇所の指示と誤解されても修正結果は同じなので問題ありません。

パターン2

赤字の一行目と二行目をわけて考え、両方に赤字を入れるやり方。これが一番無難な赤字の入れ方です。赤字が2つになりますが、誤解を与えず見落とされる心配もありません。
パターン3

やや指示がくどくなりますが、鉛筆で補足の指示を入れるのも有効です。
パターン4

少し特殊ですがマーカーを使ってもいい現場なら、訂正範囲に目立つ色を付けて指示するやり方もあります。ただ、他の箇所で既にマーカーを使用しているなら色を変えるなどの配慮が必要です。
おわりに
赤字の入れ方はいつも同じでなく、赤字を見る相手や、誌面のレイアウト、赤字の入る量によって、伝わりやすさ・見やすさを考慮して変えて行く必要があります。
入れ方は会社や人によって変わってきますが、赤入れの前提としての第三者が一目見て訂正箇所・訂正内容が理解できるようにするということはすべてに共通します。赤字を入れることに専念するあまり、この意識が抜けないように心掛けておきましょう。
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