「よろしかったでしょうか」は間違い?使える場面・不自然な場面

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「よろしかったでしょうか」は間違い?使える場面・不自然な場面

「よろしかったでしょうか」は、必ずしも文法的に誤った表現ではありません。使用にあたって不自然になりやすいのは、「今、この内容でよいか?」と、その場で相手の了承を求める場合です。

この「よろしかった」は「よろしい」の過去形です。ただし、過去のことだけに使われるわけではありません。以前に聞いたことや、一度決まったことが合っているかを、改めて確認するときにも使われます。

そのため、予約日時のような未来の予定であっても、以前に聞いた内容を確認する場合は「よろしかったでしょうか」を使えます。

たとえば、「ご予約は明日の10時でよろしかったでしょうか」という表現です。予約日時は未来のことですが、以前に聞いた内容を改めて確認しているため、不自然ではありません。

一方、注文内容や人数などについて、いま提示された内容でよいかをその場で尋ねる場合は、「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」よりも、「ご注文は以上でよろしいでしょうか」のほうが自然です。

[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]

『デジタル大辞泉』(小学館)
『新明解国語辞典』(三省堂)
『広辞苑』(岩波書店)
『明鏡国語辞典』(大修館書店)

1.「よろしかったでしょうか」が不適切とされやすい理由

一つ目の理由は、その場で相手の了承を求めているのに過去形を使うと、何を確認したいのかが分かりにくくなることです。

注文内容や人数など、いま提示した内容でよいかを尋ねるなら、「よろしかったでしょうか」よりも「よろしいでしょうか」が適しています。

ただし、以前に聞いた内容を思い出しながら改めて確認する場合には、「よろしかったでしょうか」が自然なこともあります。たとえば、「ご予約は明日の○時でよろしかったでしょうか」のように、すでに聞いていた予約日時などを再確認する場面です。この場合の過去形は、相手への敬意を強めるためではなく、以前に聞いた内容を確認するために使われています。

二つ目の理由は、丁寧さを意識して過去形にしても、それだけで相手への敬意が強まるわけではないことです。

過去形には、「よろしかったら、こちらもご覧ください」や「一点お伺いしたかったのですが」のように、提案や質問を控えめに示し、言い方を和らげる働きがあります。

しかし、現在の了承を求める場面で「よろしかったでしょうか」とすると、確認の意図が曖昧になり、回りくどく聞こえる場合があります。「よろしいでしょうか」だけで十分に丁寧です。

場面を問わず「よろしかったでしょうか」を使うと、型どおりで不自然な敬語という印象を与えることもあります。

2.「よろしいでしょうか」と「よろしかったでしょうか」の使い分け

その場で相手の了承を求めるときは、「よろしいでしょうか」を使うのが自然です。

「こちらでよろしいでしょうか」
「ご注文は以上でよろしいでしょうか」
「この内容で進めてもよろしいでしょうか」

一方、以前に聞いたことや、一度決まったことを改めて確認する場合は、「よろしかったでしょうか」を使えます。確認する内容が未来のことであっても問題ありません。

「ご予約は明日の10時でよろしかったでしょうか」
「以前伺ったご住所は、こちらでよろしかったでしょうか」
「先日の打ち合わせで決めた日程は、来週の月曜日でよろしかったでしょうか」

このように、「よろしかったでしょうか」は、以前に聞いたり決めたりした内容を確認し直す場面では、不自然な表現ではありません。一律に誤りとするのではなく、その場で了承を求めているのか、以前の内容を確認しているのかによって使い分けることが大切です。

おわりに

その場で相手の了承を求めるなら「よろしいでしょうか」、以前に聞いた内容を確認し直すなら「よろしかったでしょうか」と使い分けます。

判断に迷う場合は、「よろしいでしょうか」を使うと、簡潔で自然に伝えられます。