校正ミスが多い人

校正・校閲で見落としが多い人の問題を考えてみる

どんな仕事でもどこかで壁にぶつかるということはあると思います。校正で見落としが多くて伸び悩んでいる人、スキルアップできない人の解決方法を考えてみます。明確な答えはありませんが、それぞれの解決策があるはずです。

経験を積むことで解決するのか、考え方・やり方を変えることで解決するのか、一概に判断できませんが、同じ校正者として悩むところ、悩んできたところは共通していると思います。

こうではないかという、自分の実体験から想像してみたので、どれかにあてはまるようでしたら参考にしてみてください。

 「見落としが多い」を、まず2つに分けて考えてみます。

(1)ケアレスミスが多くて見落とす
(2)間違い自体に気づかずに見落とす

校正で見落としが多い人の問題を考えてみる

1.ケアレスミスが多くて見落とす

ケアレスミスが多いという人は、詰めが甘い・気が緩むタイプの人が多いように感じます。校正に掛けた時間なのか、入れた赤字の量なのか、一定の水準に達したら自分で満足してしまって区切りをつけるのが早い傾向にあります。

考え方・仕事への取り組む姿勢は、スキルや経験以上に大切なものです。自分がどこかで満足してしまうタイプ、「もういいか」というようタイプであれば、今一度注意が必要です。

 具体的な対策として

(1)受けた指示は全てメモに残す
作業時には常に目に入る位置においておきます。

(2)チェックリストをつくる
チェックリストといっても、最初から細かく作りこむのは大変で長続きしませんので、最初はざっくり項目分けして、徐々に肉付けしていくやり方がいいです。
たとえば、最初は『照合・素読み・ページ周りの確認・めくりあわせ・見直し』などに大まかに分けるだけで大丈夫です。

(3)校正したカ所、原稿で見た赤字には「レ点」でチェックをつける
レ点よりも効果的なのが、マーカーやダーマトで校正したところを目立つように消し込むことです。

(4)「見直し」の項目は絶対に忘れないようにチェックリストに入れておく
どんな簡単な校正でも見直しをする癖をつけましょう。見直しの際は、自分が入れた赤字や疑問出しも確認します。人間だから書き間違いは必ずあります。
自分が校正した原稿の赤字すべてに、(レ点などの)チェックがついているかも確認します。チェック漏れがあると、その部分は校正していないということになります。

決して、自分の頭の中だけで考えず、目に見える形でメモなどに残しましょう。

「簡単だから大丈夫」
「これぐらいなら覚えられるからメモしなくていい」

という考えは、非常に危険な思い込みです。このような思考である以上は、ケアレスミスは絶対になくなりません。

原稿やゲラにチェックを付けてはダメという現場もあると聞きますが、品質管理である以上は何らかの見たという証拠(印)を残す必要があります。

その証拠(印)が見直しの際に役立ちますので、チェックを付けてはダメという環境であれば、ケアレスミスが起こる可能性は高く、個人というより体制に問題があるといえます。

2.間違い自体に気づかずに見落とす

見落としを、後からフィードバックされて「こういう間違いがあるのか」と思う人です。この手のタイプの人は、正しい研修を受けてこなっかたことが大きな要因かもしれません。

とりあえずひたすら校正し続けて学んでいくという研修期間だったのでないかと推測します。
OJTでも悪くはないですが、実務重視だと見つける間違いに偏りがでてきます。また、多くの間違いに触れる機会がないという可能性も出てきます。

OJTに入る前に、ある程度基本的な間違いやよくある間違いを体系立てて教えてもらうことで、頭の中で間違いを整理できるようになり、応用力が身に付いていきます。
基本的な知識があって、そこに経験がプラスされることで成長していくものです。

また、適切なフィードバックを受けることで、次の気づきとなり改善に繋がります。
「ここ間違ってたよ。次気を付けてね」
「はい、分かりました」
という研修では意味がありません。

これは教える側の責任ですが、
どうして間違ったのかを考えることが大切です。

見落としと言っても、
・単純な不注意
・付近に赤字が入っていたからそれにつられて見落とした
・原稿の指示を間違って解釈した
・作業自体がモレていた
・赤字のある付近しか見ていなかった
など、原因は様々です。

「なぜ間違ったのか? → なぜを深堀りする → 改善につなげる」
この一連の流れを研修期間でしてこなかったことが、今の見落としに繋がっている可能性があります。

その原因に対して、次はどう対処するかを、その都度考えていくことで少しずつ成長していきます。校正後に振り返らず、やりっぱなしでは何年経験積んでもスキルアップは見込めません。

実社会では「そんなこと教えてもらってません」っていうのは、言い訳と言われる節もありますが、校正は「習うより慣れろ」の世界ではありません。教えてもらってないことは分かりません。

今から出来る対策としては、他の校正者が入れた赤字や疑問出しを見せてもらうことです。
他の校正者が入れた赤字や疑問を見せてもらうと、

・こういう間違いがあるのか
・こういう赤字を入れるのか
・こういう疑問出しをするのか

など、自分の経験からは思い浮かばなかった視点が生まれてきます。
違う人の視点を取り入れて校正に向かうだけでも、これまで引っかからなかったところに「ん?」と気づきが生まれてきます。

また、ある程度校正の経験を積んできているはずなので、一旦自分のスキルの振り返りをすることも効果的です。いわゆるリフレクション(内省)というものです。研修体制が整った会社では、このリフレクションを行っています。リフレクションは、考え方の成長やスキルアップに非常に有効な手段です。

リフレクションする際には、自分が携わった過去の校正物や蓄積したメモやノートが一番の材料となりえます。
振り返りの材料がないという人は、エディタースクールの「校正練習著」が効果的です。基礎的なことは網羅されているので、気づきも多くあると思います。自分に足りなかった基礎的な部分も見えてくると思います。

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自分だけの視点では限界

自分一人で特殊な校正をしている人は例外ですが、一般的な校正者といわれる人は、大抵先人がいます。誰かも同じ悩みをしてきて、乗り越えてきたり、挫折したりしてきているかもしれません。一番は、自分と環境が近い人に相談することです。

自分の視点だけでは限界がきますので、早めに自分に近しい環境にいる人に相談した方がいいです。