
校正・校閲向け練習問題
校正・校閲向けの練習問題の12回目となります。
他の練習問題はこちらです。
宝島社 InRed(インレッド)より一部内容を改変しての出題になります(※宝島社様のご厚意により練習問題の素材としてのみ使用許可をいただいております)。
『InRed』2020年5月号(宝島社)
2020年4月13日 (月) 発売
【公式サイト】≫ InRed
1.練習問題 問題
1. 柔らかな日差しが差し込む1階のリビングの床は、自信で張り替えた板パネル。ダイニングテーブルはイギリスのメーカー、アーコールのもの。 2. 趣味で買っているフグが優雅に泳ぐアクアリウム。3. タリアセンのような屋根に大理石など、素材の魅力が生かされた自宅の景観。 4. 小道具屋で見つけたパシフィックファニチャーのソファは布を季節に応じて張り替えている。置くにはファンである山下達郎さんの80年代のポスターを飾っている。 5. 花は飾った後はドライフラワーに。自然に枯れゆく姿に心惹かれるそう。 6. 食器はデットストックや作家さんの一点モノをセレクト。 7. フランク・ロイド・ライト風の開き戸の扉は木とガラスのバランスが美しい。
【宝島社 InRed(インレッド)4月号_P.117の一部を改変しての出題になります】
2.練習問題 解答
1. 柔らかな日差しが差し込む1階のリビングの床は、自身で張り替えた板パネル。ダイニングテーブルはイギリスのメーカー、アーコールのもの。 2. 趣味で飼っているフグが優雅に泳ぐアクアリウム。 3. タリアセンのような屋根に大理石など、素材の魅力が生かされた自宅の外観。 4. 小道具屋で見つけたパシフィックファニチャーのソファは布を季節に応じて張り替えている。奥にはファンである山下達郎さんの80年代のポスターを飾っている。 5. 食器はデットストックや作家さんの一点モノをセレクト。 6. 花は飾った後はドライフラワーに。自然に枯れゆく姿に心惹かれるそう。 7. フランク・ロイド・ライト風の引き戸の扉は木とガラスのバランスが美しい。
【解答一覧】
(1) 自信 → 自身
(2) 買って → 飼って
(3) 。3 → 。 3(全角アキを入れる)
(4) 景観 → 外観
(5) 置く → 奥
(6) 5 → 6 ※5と6のキャプションは入れ替え
(7) 6 → 5 ※5と6のキャプションは入れ替え
(8) 開き戸? ⇔ 引き戸?(要疑問出し)
3.練習問題 解説
※解説文の一部は「コトバンク」参照
(1)自信 → 自身
(2)買って → 飼って
(5)置く → 奥
これらは、単純な変換ミスで起こるものです。特に「自信」と「自身」は両方とも使用頻度が高いため、変換ミスも起こりやすいので注意が必要です。
(3)。3 → 。 3(全角アキを入れる)
この問題文では、キャプションとキャプションとの間に全角アキを入れて、区切りをわかりやすくしています。この全角アキの間違いを見つけるのは、全体を見てキャプションとキャプションの区切りがどのようになっているかの法則を見つけ出さないといけません。このような体裁系の間違いに対して、瞬時にわかってくるようになると、校正者としてはレベルが高いほうだと思います。
他にも、各キャプションを、スラッシュ(/)で区切ることも多いです。スラッシュの場合は、半角と全角が混在することが多いです。
【例】
(4)景観 → 外観
「景観」… 風景。景色。「壮大な
「外観」… 外側から見た感じ。
(6)5 → 6 ※5と6のキャプションは入れ替え
(7)6 → 5 ※5と6のキャプションは入れ替え
画像とキャプションが対応していない間違いは、非常によくあります。画像変更・レイアウト変更・キャプションの差し替えなどで起こることが多いです。
赤字を入れるときは、数字を直す指示だけでなく、キャプションを入れ替える指示も一緒に入れる必要があります。そうしないと、次のような間違いが起こりうるかもしれません。
【起こりうる間違い例】
「5」と「6」に直す指示を入れたら、当然順番も直してくれるだろうと思うかもしれませんが、校正が入れる赤字は「分かってくれるだろう」「伝わるだろう」という気持ちで入れるものではありません。仕上がりをイメージして、そうなるようにすべてを伝えなくてはいけません。
(8)開き戸? ⇔ 引き戸?(要疑問出し)
キャプション内の文言で画像と対応できるものは、画像の細部まで見比べて確認する必要があります。「開き戸」か「引き戸」か判断がつきづらい場合は、疑問出しで対応します。
・開き戸のように見えたから、そのままで良しとする。
・引き戸のように見えたから、引き戸に直す赤字を入れる。
これらは、何の根拠にもならないので、確証が持てないものは疑問出しで対応しましょう。
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