追求・追及・追究[意味の違いとわかりやすい覚え方]

追求・追及・追究の意味の違いと覚え方[漢字の意味とイメージから覚える

この記事では、追求追及追究の3つの意味の違いについて、簡単でわかりやすい覚え方を紹介しています。


追求とは、目的を達するまで、どこまでも追い求めること。

追及とは、どこまでも追いつめて、責任・欠点などを問いただすこと。

追究とは、未知のものや不明の事柄を、どこまでも考え、調べて明らかにしようとすること。


以上のように定義することができます。

ただ、この意味を丸々覚えるだけでは、一時的には理解できても時間が経てばすぐに忘れてしまいます。そのため、漢字の意味やイメージもセットにして覚えていきます。そうすることで、より記憶に定着しやすくなり忘れにくくなります。

このような覚え方は、使い分けが曖昧なもの/なかなか頭に入ってこないもの/忘れやすいというものに対しては、効果的な学習方法です。

特に、「追求」と「追及」の使い間違えは、公文書でもよく見られるので注意が必要です。

 漢字の持つイメージから覚える

「追求・追及・追究」ともに、前につく漢字は同じです。

  

後ろにつく漢字によって意味の違いが出てくるだけです。それらの漢字の意味さえつかんでおけば、混同せずに覚えられます。

   

[記事作成にあたって以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]

・小学館 デジタル大辞泉 > 公式サイト
・日本漢字能力検定協会 漢字ペディア > 公式サイト
厚生労働省HP(例文)
・Windows10/IME「標準統合辞書」> Microsoft 日本語 IMEについて

1:「追求」の意味と例文

追求の「」の意味

① もとめる。さがしもとめる。
② ほしがる。

[追求]

1.追求の意味とイメージ

追求の意味

目的を達するまで、どこまでも追い求めること
→(得ようと)追い求める

追求のイメージ

 

・追求の対象は、比較的よい印象のものになります。

  理想・夢・幸福・利益・自由・目的・目標 etc.

2.追求の例文

 ・ 理想を追求する

 ・ 利潤を追求する

 ・ 幸福の追求

 ・ 生涯に渡り専門性を追求できる

 ・ 人々の健康増進を追求する

 ・ 人の健康と福祉に関する幸福追求

 ・ 目標を追求しつつ、大震災からの復興の加速に取り組む

 ・ この制約の範囲内で可能な限り収益性を追求する運用を行った

 ・「ムリ」「ムダ」「ムラ」を無くすことを追求

2:「追及」の意味と例文

追及の「」の意味

① およぶ。追いつく。およぼす。
② および。ならびに。

ある線まで追いつく。ある範囲まで届く。

[追及]

1.追及の意味とイメージ

追及の意味

① どこまでも追いつめて、責任・欠点などを問いただすこと
② 追いつくこと
→〈人・責任を〉追い詰める or 追いつく

追及のイメージ

①の場合

 

②の場合

 追求と追及と追究の意味と例文

・①の意味として使われる追及には、追い詰める意味合いがあるため、前述した追求のようなよい印象はありません。

  責任・罪 etc.

・②の意味として使われる追及は、単に追いつくとしての意味になります。

例えば、
『彼を追及する』という文なら次の2つの意味に解釈できます。

 ①の場合は、彼を追い詰める
 ②の場合は、彼に追いつこうとする

2.追及の例文

 ・ 責任の所在を追及する

 ・ 犯人を追及する

 ・ 責任を追及する

 ・ 余罪の追及

 ・ 個人の責任追及を目的としないという立場

 ・ 報告者の責任を追及しない

 ・ エラーを起こした本人の責任を追及

 ・ 証言者自らが法的責任を追及される恐れがある

 ・ 政治・行政・経済の構造的不正の追及の強化を図る

3:「追究」の意味と例文

追究の「」の意味

① 真理や本質をつかむため、これ以上行けないところまで推し進める。
② これ以上行けないところ。

きわめる。きわまる。つきつめる。きわみ。

[追究]

1.追究の意味とイメージ

追究の意味

未知のものや不明の事柄を、どこまでも考え、調べて明らかにしようとすること。
→ 明らかにしようとする

追究のイメージ

・追究には、より理解を深めていく、究めていくという意味があります。

  原因・本質・真理・学問 etc.

2.追究の例文

 ・ 宇宙の謎を追究する

 ・ 真理を追究する

 ・ できないことの原因を追究する

 ・ 発生過程の異常をどのように追究するか

 ・ 法的責任と真実の追究

 ・ その根本原因の的確な追究を行った

 ・ 情報事故の原因を追究し、明らかにした

 ・ 個人の責任を追及せず、背後要因を追究していく

おわりに

「追求・追及・追究」の3つの覚え方は、まずは漢字の持つ意味から連想していきます。そこから、例文で肉付けしていけば、簡単に覚えることができます。