表組と体裁の間違いは、すべての校正物に共通する

information

表組と体裁の間違い[校正・校閲の練習問題]

今回は、表組でよくある間違いを練習問題にしてみました。

表組は、どんなジャンルの印刷物にも見られるものです。起こる間違いも似ているので、色々と応用が利くものです。

※問題は、厚生労働省「次亜塩素酸ナトリウム液の作り方」のpdfを一部改変したものになります。

1:練習問題 <問題>

問題:0.05%以上の次亜塩素酸ナトリウム液の作り方

2:練習問題 <解答>

解答:0.05%以上の次亜塩素酸ナトリウム液の作り方

[解答一覧]

 1.  → 腐
 2. 半角アキをツメル
 3. 半角どり『 ( 』→  全角どり『(  』(2か所)
 4. ml  → mL (2か所)
 5. 属 → 
 6. 罫線を太く
 7. 罫線を入れる
 8.   → 
 9. 五十音順に入れ替える(※解説に補足あり)

3:練習問題 <解説>

解説 ※解説文の一部は「コトバンク」参照

1. → 腐

「腐植」… 土壌中に集積した動植物の遺骸が腐敗分解して生じた物質
「腐食」… 金属材料が水・酸素などとの化学反応によって表面から変質・消耗してゆくこと

2.半角アキをツメル

文章中に半角アキが入っていたり、文章が半角分ズレていたりすることがあります。横組みの文章の場合でも、体裁の確認するときは、目線を変えて縦方向で見ていくとおかしな点にも気づきやすくなります。

※pdfから文章をコピペする場合、pdf上での改行部分が、コピペ先では半角アキに置き換わってしまうことがあるので注意しましょう。

3.半角どりの『 ( 』→ 全角どりの『(  』(2か所)

パーレンの体裁の不揃いはよくあります。これは、前の文字に影響されることが多いです。
この問題では『 ( 』の前が、「mL」と英字であるため、半角のままパーレンを入力したせいで起こった可能性が高いです。

5.属 → 

「附属・付属」… 主となるものに付き従っていること

法令・公用文などでは「附」が用いられていることが多いですが、一般的には「付」を使用します。ただし、固有名詞などで「附属」が使われている場合はそのままにしておきます。

6.罫線を太く
7.罫線を入れる

表組の場合、罫線の入れ忘れや太さの間違いがよくあります。罫線の入れ忘れはわかりやすいですが、罫線の太さは、文字を読むことに集中していると見落としやすくなります。表組の校正では、こういう間違いが起こりやすいということを覚えておきましょう。

9.五十音順に入れ替える

表組の見出し部分に「メーカー(五十音順)」とあるので、「カネヨ石鹸」と「花王」は五十音順に入れ替える必要があります。

ただし、【例1】のような赤字を入れるのは危険です。
「商品名」には「カネヨ」の文字がついているので間違いであると推測できますが、「作り方の例」までも入れ替えるかどうかは、この問題の情報だけでは判断できません。
【例2】の赤字が適切である可能性もあります。この場合、赤字を入れる前に「商品名」と「作り方の例」も事実確認しておく必要があります。

【例1】

【例2】