表記ゆれにはどのソフトが一番使えるか?
これまで表記ゆれチェックの検証を、身近なソフトであるPDF・Word・Excelで試してきましたが、それらの評価になります(※便宜上、PDFとよんでいますがAcrobat Readerのことです)。
1:表記統一のルールがあるもの
表記ゆれに対して、あらかじめルール決めされているものの評価になります。
たとえば、「下さい」は「ください」にする、
「コンピューター」は「コンピュータ」にするなど、
表記がゆれていたときに、どれに合わせるのか統一ルールがあるものの検索評価です。
1位 PDF
表記ゆれチェックは、PDFがダントツの1位です。
・検索手順が簡単
・複数の単語を一括検索できる
などのメリットが他のソフトに比べ圧倒的に優れています。
ソフトも無料でダウンロードでき、PCの環境を選ばないのがさらに良い点です。
2位 Word
Wordでは、一般的な表記統一に出てくる単語を複数同時に検索することができません。その点でPDFに劣ります。単語を一つずつ検索する必要があるため、やや時間がかかります(※規則性のある単語なら複数でも検索可能ですが)。
ただWordで表記ゆれチェックする最大のメリットは、検索した文字を置換で修正できることです。人の手で修正することがないので修正時のミスを減らすことができます。
※ここでの評価は検索だけの評価です。修正までを含めて評価するなら「Word」が1位になります。
3位 Excel
複数の単語の検索にかけては、PDFに引けをとりません。しかし、検索までの設定にやや手間がかかるという点(関数を使用)が不慣れな人にはネックになってきます。
またNGの単語が、文章中に有るか無いかまでの検索は可能ですが、どこにあるかまでは特定できません。精度は非常に高いですが、検索という点にかけては単語の特定まではいかないので3位となります。
ただ、ExcelでNGの単語の有無を確認しWordで特定&修正すれば、非常に便利ものとなってきます。
表記統一のルールがある場合、その「あるもの」を検索するのはデジタルツールが得意とするところです。
そのため、検索の精度自体はどのソフトを使用しても大して差はありません。あとは手間と時間の問題です。
2:表記統一のルールがないもの
表記ゆれに対して、ルール決めされていないものの評価になります。
たとえば、「下さい」と「ください」が文章中に出てきた場合、どれに統一したらいいかルールがないものです。とりあえず、表記がゆれているものを見つけるといった感じです。
1位 Word
2位・3位は、該当なしです。
Word以外は、表記ルールがないものの表記ゆれ検索は基本できません。
そのため、「PDF」と「Excel」は圏外となります。
(※Excelの関数を使えば可能ではありますが、単語の特定までは難しいです。)
Wordには、標準機能として「表記ゆれチェック」があります。文章作成ソフトなので、文字に関する機能は、PDFやExcelとは比較になりません。
表記統一のルールが「ないもの」に規則性を見出して何かを見つけるということは、現段階ではデジタルツールの弱点といえます。
そのため、検索精度も文章の構造によってバラつきが出てきます。非常に検索精度の高いときもあれば、ほとんど検索できないようなときもあります。
その振り幅は、10%~80%ぐらいと極端に開きがあるといった感じです。
▼ 表記統一のルールが「ないもの」
表記統一のルールが「ないもの」を検索するには、市販の校正支援ソフト「Just Right!(ジャストライト)」が有名です。ジャストライトでも、100%表記ゆれを見つけることは難しいですが、校正支援ソフトというだけあってWordよりも検索精度は高いです。
カスタマイズも可能なので、事前に単語登録しておけば、さらに検索精度を上げることができます。今までは校正者に任せっきりだった表記統一が、ソフトを使うことで誰でも簡単にできるようになります。
※Just Right!(ジャストライト)には体験版があります。
表記ゆれの検索精度を実際に試すことも可能です。
> 体験版ダウンロード【公式サイト】
おわりに
表記ゆれの検索に関しては、PDFが1位ですが、実際の業務では検索して終わりでなく、修正もしなくてはいけません。それを考えれば、やはりWordが実質1位といえます。
表記ゆれに関しては、Wordなら「表記ゆれチェック」ボタン一つでできます。操作方法もシンプルで、検索・置換で文字も修正できます。手入力する必要がないため、人為的なミスも軽減できて安心です。
文章作成の際に、Wordをいかに活用するかで、表記ゆれが発生する量も変わってきます。Wordには、文章の精度を高める便利な機能が豊富にあります。表記ゆれを見つけるということも重要ですが、そもそも表記ゆれが起こらないような文章作成も大切です。