行挿入(行追加)の使い方[校正記号]

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行挿入(行追加)の赤字の入れ方

この記事では、段落内に「一行挿入したい」「数行の文を追加したい」ときの赤字の入れ方を紹介しています。

一行アキや数行分のアキを挿入したいときは次の記事を参照ください。

【関連記事】> 校正記号:1行あける(1行アキ)のポイント解説

1. 行の挿入(追加)の基本形

行を挿入(追加)したい場合

一行の挿入

行の追加・行の挿入

POINT

行の追加・行の挿入

両端の青丸部分は、挿入の指示であることを明確に示すものです。この部分はなくても大丈夫ですが、一本線だけで指示すると、修正側が挿入位置を見誤る可能性があります。

修正結果

行の追加・行の挿入

2. 赤字を書くスペースがない場合

行挿入の赤字は、文字数が多くなりがちです。
そのため、赤字を入れる付近に余白がない、他の赤字や疑問出しが近くにあって書くスペースがない、といった状況になることも多いです。

その場合は、「※入ル」として、スペースがある箇所に「」の内容を書きます。できるだけ、近くの余白に書くようにします。

一行の挿入(赤字を書くスペースがない場合)

行の追加・行の挿入

POINT

※入ル」を何回も使う場合は、「※1入ル」「※2入ル」などで区別します。

行の追加・行の挿入 

行の追加・行の挿入

「※」は、などでも代用できます。

行の追加・行の挿入

行の追加・行の挿入

3. 行の挿入(追加)の注意点

前述した行の挿入指示には、2パターンの修正結果が考えられます。

一行の挿入

行の追加・行の挿入

修正結果1(前述したもの)

行の追加・行の挿入

もう一つのパターンとして、
三行目が追い込まれてくる可能性が考えられます。

修正結果2

行の追加・行の挿入

このように、2つの仕上がりが想定できる場合は、修正側が迷わないように、さらに赤字を加える必要があります。

そこで、次の行が追い込まれるのを防ぐために、「改行の指示」を付け加えます。

行の追加・行の挿入

改行指示だけでは伝わらないようであれば、「ここで改行スル」などを補足します。

さらに、ここで行頭を一字下げにしたい場合。

字下げの指示を使うことも可能ですが、校正記号ばかりで赤字がごちゃごちゃしてわかりづらくなります。そういうときは、「1字下ゲニ」「行頭1字下ゲル」などの文字で指示をしたほうがわかりやすいです。

行の追加・行の挿入

4. 複数行の文を挿入(追加)する

複数行の文を挿入(追加)する場合

一行でも複数行でも、基本的には前述した赤字の入れ方と同様です。
ただ、改行位置をどうしたいかによって、赤字の入れ方が変わってきます。

1. 改行位置がどこでもいい場合

一行挿入する赤字と同じです。

行の追加・行の挿入

2. 可能であれば、この位置で改行して欲しいという場合

鉛筆で「字送りの指示」を入れます。鉛筆書きの字送りは、補足的な意味合いが強い指示になります。文が挿入された後のバランスを見て、修正側に改行位置の判断を任せるといったニュアンスの指示になります。

行の追加・行の挿入

3. 絶対にこの位置で改行して欲しいという場合

赤字で「字送りの指示」を入れます。泣き別れて欲しくない文字などがあるときです。この場合は、「ここで改行スル」など、文字でその旨を補足しておくとより伝わりやすくなります。

行の追加・行の挿入

特に改行位置にこだわりはないが、文中にどうしても2行にまたがって欲しくない文言などがあれば、その文字を丸で囲んで「この文字、泣き別れないように」と指示を入れても大丈夫です。そうすれば、その指定された文字が泣き別れないように、修正側が改行位置を調整してくれます。