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PDCAサイクルを回す前に考えること[向いている人・向いていない人の特徴]
PDCAが、
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(振り返り)→ Action(改善)
ということは、社会人でなくても多くの方が知っていると思います。
また、「PDCAとは?」と聞かれても、大抵の人が答えられると思います。
ただ、聞けば簡単そうですけど、実際やってみるとできない……
できないというより、
途中で諦める……
途中で忘れる……
途中で放置される……(←このパターンが多いかもしれません)
「なぜか?」と聞かれると、
・成果が見えにくいから……
・可視化するのが大変な労力だから……
・いつもPDCAを考えている余裕なんてない……
など、理由はたくさんでてくると思います。
実際にやってみて、「効果が見えにくいもの」や「効果が表れるのが先になるもの」は、実感がわかずモチベーションが低下し、PDCAサイクルを維持していくのが困難になってきます。
また、PDCAはもう古いという理由で敬遠されることがあります。ただ、この古いとされるのは、次々と新しく生み出されるフレームワークとの相対的な関係性であって、PDCA自体が古い思考法というわけではありません。
PDCAは、子どもから大人まで誰もが普段から意識せずにやっています。
PDCAは、古いというよりも基本的なものです。
PDCAサイクルを例題で考える
1. Plan
明日、高校生活の初日を迎える高校1年生の例で考えていきます。
学校までは自転車通学です。受験のときは、電車で行ったので自転車での道のりはよくわかっていません。当然、自転車なのでスマホでGoogleマップを見ながら運転することもできません。
そのため、事前に地図で家から高校までの道順を覚えます。頭の中に地図を描き、明日の通学経路を想定します。
『一旦大通りまで出て、あのコンビニを右に曲がって……
それから、大きいスーパーの次の道を右に行って……
多分、15分ぐらいで着けるかな』
⇒ これが、Plan(計画)です。
2. Do
翌日、計画通り自転車で高校まで向かう。
⇒ これが、Do(実行)です。
3. Check
学校に到着し、時計を見ると計画通り15分で到着できた。
『でも、あのスーパーの横に脇道があったな……。あそこの道を行けば信号が少ないから、もっと早くに着けるかも』と仮説を立てる。
『家に帰ってもう一度詳しく調べてみよう!』
⇒ 振り返り、仮説を立てるのが、Check(振り返り)です。
4. Action
翌日、近道を通って学校へ行く。
⇒ これが、Action(改善)です。
■ この例題から、向いている人・向いていない人を考えていきたいと思います。
PDCAが向いている人・向いていない人
1. 向いている人
向いている人は、Doと同時にCheckを考えている人です。
例題でいうと、計画通り通学しながらも、周りに目を配り近道を探しているかどうかです。
『もし〇〇ならば、改善できるかも』と仮説を立て、いつも考えているかです。
もし、この道を通れば、近道(改善点)できるかもと、常にアンテナを張って改善点を見つけようとしている感じです。
考えながら行動することが大切になってきます。
2. 向いていない人
1. Dの実行が終えて、15分で満足してしまう人
計画通りにいったからそこで終わりでは、C・Aには辿り着けません。P・D(現状)で満足している人は、C・A(一つ上のステップ)が見えてこないので向いていません。
他にも、リスクを極端に恐れる人、指示された通りにだけやる人には不向きです。
2. Cの段階で、振り返りや仮説を立てることを疎かにしている人
P→D→P→D→P→Dをひたすら繰り返し、ふとした時にCに気づく人
→ 改善意識が低い
PDを繰り返して、実体験を積み重ねてからしかCへと進めない人
→ 仮説構築力が弱い
3. P・D・C・Aがごっちゃになっている人
PDCAを実践しているときは、今自分のしていることが、CなのかAなのか何をしているのかを明確にわかっていないといけません。目的と手段でもよくあることですが、いざ行動に移すとこの関係性がぼやけてしまう人は多いです。
これが明確でないと、本来自分が立てたP(計画)の結果が曖昧になってしまいます。どの工程の何が良かったのか、何が悪かったのかが整理できなくなります。
考えながら行動する
考えながら行動するのは、PDCAでなくとも大事なことです。
PDCAはフレームワークの一つにすぎません。PDCA以外にも、ジャンルの垣根を取り除けば、フレームワークは使い切れないくらいあります。
向いている人・向いてない人は、出来る人・出来ない人ではなくて、
自分にあったフレームワークに、出会えたか、出会えていないかの違いなだけです。
PDCAは、組織やチーム単位で回すことが多いですが、皆が納得感を持っていないと途中で必ず挫折します。
PDCAの目的を「改善」とするなら「改善」を目的とするフレームワークは他にもたくさんあります。
「PDCAを回せない……」と悩む前に、PDCA自体が、自分の所属する組織やチームに合っているかどうかを再考してみる必要があります。