罫線(ケイ線)とは?[意味と種類の簡単解説]
罫線(けいせん)とは、文章の強調や区切り、囲みに用いる線のことを言います。" 罫(けい)"と略されることも多いです。次のように通常の罫線を基準として、太線、破線、波線、二重線などに派生していきます。
・通常の罫線
・太線
・破線
・波線
・二重線
これらの罫線はよく見られるもので、文章の一部の強調、段落の区切り、表組みなど様々な用途で使われます。
[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]
・『新編 校正技術』(日本エディタースクール)
・『校正ハンドブック 新版』(ダヴィッド社)
・『校正実務ハンドブック 改訂新版』(みき書房)
・『コトバンク』(https://kotobank.jp/)
▼ 校正作業においての罫線の扱い方は、以下の記事を参照してください。
実線とは?
実線は、通常の罫線を他の罫線と区別するために使用される名称です。切れ目なく続いた線のことを言います。「通常の罫線」と呼ぶよりも「実線」とするほうが簡潔明瞭です。Microsoft Wordでも「実線」の名称が使用されています。
・通常の罫線 = 実線
たとえば「波線」を「通常の罫線」にしたい場合。
⇒
『波線を通常の罫線にする』と言っても問題ありませんが、
『波線を実線にする』としたほうが簡潔ですみます。
罫線(ケイ線)の種類
罫線の種類は、飾り罫まで含めると非常に多くのバリエーションがあります。用途も様々で、どの罫線をどの場面で使用するか明確なルールがあるわけではありません。使用ルールは、媒体や書き手の判断によります。
ただし、ある程度はこのような使われ方をするという傾向があります。一般的に文章内においては、重要箇所の強調、段落の区切りなどに使われますが、細かくみていけば、破線は切り取り線として、二重線は表組みなどの重要な区切りとして、情報をまとめるには囲み罫(枠線)が使用されることが多いです。また、飾り罫はデザイン性を高める際に使用されることが多いです。
・飾り罫の例
【出典:校正実務ハンドブック 改訂新版』P.153活版の知識】
以下は、出版印刷で使用される罫線の種類とその名称です。古めかしい名称もあるため、ご自身の周りで伝わりやすい呼び方があるならそれを使うのが賢明です。
ちなみに、Wordで使用される罫線の名称は、『一重線/多重線』『実線/点線』『細線』『太線』『細線+太線』などシンプルなものです。
▼ 罫線の種類
・表ケイ[目安:約0.12mm]
・中細ケイ (中太ケイ)[目安:約0.25mm]
・裏ケイ[目安:約0.4mm]
・双柱ケイ
・子持ちケイ
・両子持ちケイ
・三筋(みすじ)ケイ
・星ケイ(点線)
・ミシンケイ(破線)
・波ケイ
・無双ケイ
・かすみケイ
表(オモテ)や裏(ウラ)の名称は、活字組版時代の名残で使用されています。今では「表」と「裏」というよりも「細い」「太い」ぐらいの認識で覚えておけば大丈夫です。ただ、校正においては現在でも「オモテ」「ウラ」と赤字を入れることがあります。
また、上記の表ケイや裏ケイに目安としてミリ表示を記載していますが、どの幅のものを表ケイ、裏ケイとするかはすべての媒体で共通しているわけではないので注意が必要です。
罫線の種類には他にも、地図や図面などで使用される一点鎖線、二点鎖線などもよく見られます。
・一点鎖線
・二点鎖線
おわりに
罫線の使用で注意する点は、誌面内に太い罫線や飾り罫が多くなりすぎると文章よりも罫線のほうが目立ってしまうことです。他にも、罫線の前後に適度な余白がない場合、文字との間隔が詰まりすぎ読みやすさが損なわれることがあります。
あくまで誌面においては文章が主であって、罫線は文章の見やすさ、読みやすさの補助的な枠割を果たすものです。読み手に配慮して文章全体のバランスをみて最適な罫線を選びましょう。