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Rマーク（®）とは？［意味・使い方のルール・使用のメリットを解説］
商標表示としてよく知られる「Rマーク（®）」について、その意味や使用方法、日本の商標法における位置づけ、表示のメリットなどをこの記事ではまとめています。
商標制度についてさらに詳しく知りたい方は、特許庁のサイトをご覧ください。
1. Rマークの意味と役割
Rマーク（®）は、「Registered Trademark（登録商標）」を意味する記号です。
日本では「登録商標マーク」や「Rマーク（アールマーク）」、「丸R（マルアール）」などと慣習的に呼ばれ、企業ロゴや商品名、サービス名などに付けられることがあります。このマークを付けることで、その商標が法的に保護されていることを示し、第三者による無断使用を防ぐ役割を果たします。また、ブランドの価値や信頼性を高める効果も期待できます。
ただし、このＲマークは、外国の商標制度においてRegistered Trademark（登録商標） を意味するもので、日本の商標法に基づく商標登録表示ではありません。日本の商標法では、登録商標の表示方法として『登録商標の文字およびその登録番号』を記載することが正式とされ、「Ｒマーク（®）」の表示は正式な表記ではありません。
日本国内において登録商標を表示する際には『登録商標第〇〇〇〇〇〇〇号）』と明記することが正式な方法とされています（商標法73条）。
つまり、Rマークは日本国内において商慣習的に使用され認知されつつも、正式な表示方法ではないということです。
2. 日本の商標法におけるRマークの位置づけ
Rマークがなくても商標権は有効
日本の商標法においては、Rマークは正式な商標登録表示ではないため、Rマークを表示してもしなくても商標権は有効であり法的保護を受けることができます。
だからといって、Rマークをどのように扱ってもいいというわけではなく、未登録の商標にRマークを付けることは「虚偽表示」に該当し、商標法に基づき罰則の対象となる可能性があります（商標法74条）。表示する際には、特許庁の審査を経て正式に商標登録されてからになります。
なお、日本ではRマークの表示は任意ですが、海外ではRマークの表示が商標権の行使に影響を与える場合もあります。国によっては、Rマークを表示していない場合、商標権侵害に対する損害賠償請求額に影響を与えることがあるため、海外展開する企業にとっては、Rマークの取り扱いが重要となります。
Rマークを表示するメリット
Rマークを商標に付けることで、次のようなメリットが得られます。
① 無断使用の抑止効果
Rマークを表示することで、「この名称・ロゴは登録商標であり、法的に保護されている」という警告となり、第三者による無断使用を防ぐ効果があります。
② 商標権の主張が容易になる
紛争が発生した際、Rマークを表示していることで、「自社が商標権を積極的に主張していた」という証拠となり、商標侵害を立証しやすくなります。
③ 損害賠償請求時の証拠として有利
Rマークを表示していた場合、『侵害者は商標が登録されていることを知っていた（または容易に知り得た）』と主張しやすくなり、商標権侵害の立証や損害賠償請求の際に有利に働く可能性があります。
④ 企業ブランドの信頼性向上
消費者に対して、その商品やサービスが公式に認められたものであることを示すことで、ブランドの信頼性を高めることができます。
以上のように、Rマークの表示には多くの利点があります。
3. 商標出願中のケースとTMマーク（™）の使用
前述したように、商標登録がされていないものに対してRマークを付けることはできません。出願中の段階でも商標登録が完了していないため、Rマークの使用は認められません。その代わりとして、TMマーク（™）が使用できます。
このTMマークは、「Trademark（商標）」の略であり、単に商標であることを示します。商標登録の有無にかかわらず、商標であることを示すために使われます。未出願の商標や、出願中の商標に使用されることが多いです。
ただし、TMマークもRマークと同様に、日本の商標法に基づく正式な表示方法ではありません。
＜使用例＞
・出願中 or 未登録の商標の場合
・商標が登録された場合
4. Rマークの一般的な配置
Rマークの表示位置・サイズに関する法的な規則はありませんが、企業のガイドラインがある場合はそれに従う必要があります。一方、ガイドラインが定められていない場合は、視認性やデザインのバランスを考慮し、以下のような位置に配置するのが一般的です。
① 
② 
③ 
①のパターンをよく見かけますが、デザイン上のバランスを考慮し、②真横や③右下に配置するケースもあります。また、Rマークのサイズは商標本体よりも小さくするのが一般的です。
商標のデザインや全体とのバランスを考慮して適切な位置に配置することが重要です。Rマークを目立たせたいのか、ブランド名やロゴと自然な見た目にしたいのか、これらの判断は企業のブランディングに大きく影響されます。
5. Rマークでよくある間違い
Rマーク（®）は基本小さく表示されるため、仮に間違っていたとしても気づかれないことが多いです。
① Rマークの欠け
・パターンA
・パターンB
Aのように大きく欠けている場合は目につきやすいですが、Bのような少しの欠けはほぼ誰も気づきません。欠けたまま誌面に掲載されているものも見かけます。
② Rマークの潰れ
Rマークが潰れている誤りです。この場合、大きさを変えるなどして視認性を上げて対処しますが、印刷のせいで潰れることもよくあります。
※小さい文字が印刷時に潰れる現象は、プリンターの性能に依存することが多く、データ上は問題ないこともあるので留意しておきましょう。
③ Rマークが削除されてなくなっている
制作の過程で誤って、Rマークが削除されてしまうケースです。トリミングの際やロゴを配置する際に削除されてしまうことがあります。Rマークの表示は任意のため、この状態でも問題ありませんが、企業が定めたガイドライン通りになっていない場合や、Rマークを重視している企業においては重要な問題となります。
おわりに
以上、Rマークの意味や役割について紹介しました。
Rマーク（®）は、日本において正式な表示方法ではないとはいえ、商慣習として広く認知され、商標の保護とブランドの価値・信頼性などにかかわります。Rマークの意味を正しく理解して活用していきましょう。
