文章・段落・文・単語の違い[イラストで簡単解説]
文章や段落、文や単語の違いは何となくわかると思いますが、いざその違いを考えてみるとどこで線を引けばいいか悩むと思います。特に、文章と文の違いは、辞書でも明確に線引きがされているわけではないので難しいところです。
1.基本的な考え方としては、
・単語が集まって、文を作り
・文が集まって、段落となり
・段落が集まって、文章となっていきます。
単語 → 文 → 段落 → 文章
2.単語と文の間に「文節」が入る場合もあります。
単語 → 文節 → 文 → 段落 → 文章
『文を直接構成するのは文節であるとする立場では,単語は文節を直接構成する有意義の成分とされる。』
【出典:平凡社_百科事典マイペディア】
他にもパターンは色々と考えられますが、
基本は、1の「単語 → 文 → 段落 → 文章」で覚えておけば大丈夫です。
▼ それぞれの意味や違いを次の例文から見ていきたいと思います。
[例文]
“ スヌーピーはアメリカの漫画家、チャールズ・モンロー・シュルツが1950年から書き始めた漫画『ピーナッツ』に登場するオスのビーグル犬。”
1. 単語の意味と例
▼ 単語の意味
文法上、意味・職能をもった最小の言語単位。
たとえば「鳥が鳴く」という文は、「鳥」「が」「鳴く」の三つの単語からなる。
■ 例
上の例文では、①~⑤のように単語としてわかれます。
単語の定義は、辞書によって異なる場合があります。
『文法上で、意味・職能を有する最小の言語単位。その認定の仕方は、学者によって必ずしも同一ではない。』【出典:小学館_精選版 日本国語大辞典】
2. 文の意味と例
▼ 文の意味
一語またはそれ以上の語からなり、ひと区切りのまとまりある考えを示すもの。文字で書くときは、ふつう「 。」(句点)でその終わりを示す。センテンスともいう。
■ 例
文は、「 。」(句点)でその終わりを示すものなので、上の例では『スヌーピー ~ ビーグル犬。』までが一つの文となります。
3. 段落の意味と例
▼ 段落の意味
長い文章を内容などから、いくつかに分けた区切り。形式的に、1字下げて書きはじめる一区切りをいうこともある。段やパラグラフともいう。
■ 例
このページでは、段落が3つあることになります。
また、①と③の段落は2つの文から構成され、②の段落は3つの文から構成されていることになります。
4. 文章の意味と例
▼ 文章の意味
文法で、文よりも大きな単位。一文だけのこともあるが、通常はいくつかの文が集まって、まとまった思想・話題を表現するもの。
■ 例1
・文の集まりが文章とされるため、次の例では文章の示す範囲は全ページになります。
■ 例2
・文字量に関係なく、次の例も文がいくつか集まったものなので文章となります。
■ 例3
・文の集まったものが文章とされますが、一つの文でも「文章」とされる場合があります。
「文章」と「文」は、どちらも同じ意味として使えることもありますが、基本はいくつかの文の集まりを文章と覚えておけば大丈夫です。
5. 校正で気をつけたいポイント
「文章」と「文」の線引きは難しいですが、校正者としては、文章中に「文章」と「文」の語が同時に出てきた場合、次の点に注意する必要があります。
・文章と文が使い分けられているか?
・文章と文が混同されていないか?
何らかの意図があって「文章」を「文」としている場合もあります。
試験問題などでは「文」を使っているものが多く見られます。
■ 例
文章・段落・文・単語の意味のまとめ
以下は、記事内で紹介した「文章」「段落」「文」「単語」の意味になります。
文法で、文よりも大きな単位。一文だけのこともあるが、通常はいくつかの文が集まって、まとまった思想・話題を表現するもの。
長い文章を内容などからいくつかに分けた区切り。形式的に、1字下げて書きはじめる一区切りをいうこともある。
一語またはそれ以上の語からなり、ひと区切りのまとまりある考えを示すもの。文字で書くときは、ふつう「 。」(句点)でその終わりを示す。
文法上、意味・職能をもった最小の言語単位。
たとえば「鳥が鳴く」という文は、「鳥」「が」「鳴く」の三つの単語からなる。
[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]
・小学館_デジタル大辞泉
・小学館_精選版 日本国語大辞典
・平凡社_百科事典マイペディア
※記事内の例文は、Wikipedia『スヌーピー』より使用いたしました。