校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号

ぶら下げ(ぶら下がり)の意味と校正指示の入れ方

1:ぶらさげ(ぶら下がり)の意味

ぶら下げとは?

ぶら下げとは、句読点を行末からはみ出させて組むことを言います。
ぶら下がりとも言われます。

次のように、標準の字詰め(青枠)よりも句読点がはみ出した状態がぶら下げになります。

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号


ぶら下げの例文(2行目の文末)

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号
【出典:Wikipedia『スヌーピー』より抜粋】


このぶら下げは禁則処理の一つで、次のように行頭に句読点がくるのを防ぐためにあります。

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号


ぶら下げ以外にも、行頭に句読点がきたときの処理の仕方はあります。
「追い込み」や「追い出し」という方法です。

追い込み

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号


追い出し

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号



ぶら下げ・追い込み・追い出しの比較

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号



ぶら下げにするもの・しないもの

ぶら下げは句読点のみに適用され、括弧類や中黒などには適用されません。


適切でない例1(括弧のぶら下げ)

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号



適切でない例2(中黒のぶら下げ)

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号  

2:ぶら下げ(ぶら下がり)にする理由

ぶら下げにする理由

「追い込み」「追い出し」の処理がある中で、なぜ句読点をはみ出させて「ぶら下げ」にするかは、可読性が大きく影響してきます。

■ 可読性
『文章の可読性とは読みやすさに他ならない。読みやすい文章は、理解や記憶が容易で読む速度が速く、しかも連続して長く読み続けられることが、研究で示されている。
読みやすさとは、文章と読者の相互作用の結果である。文章においては (1)内容、(2)文体、(3)デザイン、(4)構造、が影響する。デザインには、媒体のレイアウト、イラスト、書体や色などが含まれる。』

【出典:Wikipedia 可動性より抜粋】

「追い込み」は句読点を行内に収めるので、前後の行と比べると文字間が詰まって見えます。

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号



逆に「追い出し」は前後の行と比べると文字間が広がって見えます。

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号



一方、ぶら下げは、句読点をはみ出させるので前後の行と文字間が変わりません。

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号



3つを並べて比較するとわかりやすくなります。

横組みの場合

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号


縦組みの場合

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号

※文章の内容(漢字が多い・ひらがなが多いなど)やレイアウトでも可読性は変わってきます。必ずしもぶら下げが見やすいということでもありません。

3:ぶら下げ(ぶら下がり)の校正指示

「ぶら下げにする」「ぶら下げにしない」の校正記号はありません。そもそも、ぶら下げにする・しないの判断は校正者にはできません。

ぶら下げにする・しないかは、媒体のルールによって違ってきます。

例えば、
誌面全体を通してぶら下げにするとルール決めされているものもあれば、
本文は追い込み・追い出しで適宜処理して、キャッチコピーなど見た目が重視される部分はぶら下げを適用するという場合もあります。

仮に、媒体のルールで「ぶら下げにする/しない」の明確なルールが決められている場合、そうなっていない箇所があれば赤字を入れるのも可能です。(※可能ですが校正者が確認するのはおススメしません)


ぶら下げの校正指示

ぶら下げの校正記号はないので、赤字は文で伝わりやすいように指示するのが適切です。

ぶら下げニ」「ぶら下げにスル」「ぶら下げ」「ぶら下げにしない」など。


個別に指示する例

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号

※ぶら下げにする・しないは、1行ごとに設定するわけではありませんがこの指示で通じます。
※追い込み・追い出しのどちらにするかは、基本DTP側で調整します。ただ、泣き別れてはダメな語があるなら校正側で指示を入れておく必要があります。


複数を指示する例

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号

校正のぶら下げ・ぶら下がりの校正記号

あくまで例として赤字の入れ方を説明しましたが、校正者が「ぶら下げになっている・なっていない」まで確認する必要は特にないかと思います。(知識としては持っておいたほうがいいですが)

部分的な確認というのなら校正者が確認しても問題ありませんが、全体を通しての確認というのならDTP側で確認したほうが圧倒的に早いです。効率性を考えるなら、基本はDTP側で確認するのが妥当です。